MMC > 年頭所感(平成18年)

 平成18年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。年頭にあたり所感の一端を申し上げ新春のご挨拶とさせていただきます。

 日本経済は民需を中心に緩やかな回復局面にあり、バブル後の長期低迷を確実に脱したと言われる今年は、わが国の製造業の新しい成長の姿をつくるための「攻めの改革」へと転じる年でもあります。

 1980年代、米国は財政赤字と貿易赤字の双子の赤字に悩み、一方で日本、EUなどの追い上げもあり製造業の圧倒的な優位を失いました。この時期にヤングレポートに代表される産業界からの国際競争力強化の施策の要望が強まり、政府が様々な取り組みを行い、米国の競争力は回復に向かいました。さらに2004年12月に、米国が競争上の優位を維持するためにはイノベーションの促進が不可欠とするパルミサーノレポート“Innovate America”が出されました。

 現在わが国は、急成長を続けるアジア諸国に追われ、かっての日本に追い上げられた米国と同様の立場にあります。特にエマージングタイガーといわれる、中国などの新興イノベーション地域との競争激化への対策はわが国にとって重要な課題となっています。

 今年度からの第3期科学技術基本政策では、目指すべき国の姿と科学技術政策の理念で、「人材育成と競争的環境の重要性」(モノから人へ)が掲げられています。また、経済産業省でも昨年「新産業創造戦略2005」を発表し、新産業創造戦略7重要分野のアクションプラン、競争力を支える人材育成・確保、重点分野を支える共通基盤、先端的新産業分野の競争力の源泉となる高度部材産業集積とリスクの高い研究開発への施策を打ち出しています。

 当センターが進めておりますマイクロマシン/MEMS(Micro Electro Mechanical System)は、情報通信、医療・バイオ、自動車など多様な産業分野における小型・高精度で省エネルギー性の高い高機能付加価値キーデバイスとして、今やわが国製造業の基幹部品の国際競争力強化の観点から重要な分野とされております。

 このような状況を踏まえ、MEMS産業の一層の発展を支援し、わが国産業の国際競争力強化に貢献することを目的として、MEMS関連企業を構成メンバーとする「MEMS協議会」を当センター内に本年4月に設置することにいたしました。

 この協議会では、MEMS産業発展のための基本問題に関する政策提言活動、重要テーマに関する研究会活動、MEMS開発のためのインフラ整備事業としてのファンドリーサービスネットワークの拡充・強化、さらには、MEMSビジネス交流事業として、MEMSデバイス、ファンドリー、製造装置等の新商品・新技術を紹介するWEBサイトの開設等を通じて、MEMSビジネス活性化を支援するなどの事業を推進することとしております。
 皆様方の協議会へのご参加・ご協力を是非お願い申し上げます。

 当センターでは、わが国製造業の新しい成長の姿、国際競争力強化・維持に貢献できるよう、引き続きマイクロマシン/MEMSにおける基盤技術の確立と産業化を目指し、産学官の力を結集して事業を進めてまいる所存です。

 平成18年の皆様方の一層のご活躍とご多幸を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。


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