2. MEMSプロセス:3次元構造のつくりかたのポイント
バルクマイクロマシニングでよく使われるシリコン異方性エッチング技術は、ウエットエッチ(結晶異方性エッチ)とドライエッチ(D-RIE:Deep – Reactive Ion Etching)に大別されます。
ウエットエッチングはKOH、TMAHと呼ばれるアルカリ水溶液でシリコン基板を結晶面に沿って深く溶かしていくものです。このウエットエッチングは出来上がりの構造がシリコン結晶方位に強く制限されますが、特殊な製造装置が不要、バッチ処理ができるなどの特長から、以前から幅広く利用されています。
ドライエッチング(D-RIE)は半導体プロセスで一般的に用いられるRIE(反応性イオンエッチ)技術に”BOSCHプロセス”と呼ばれる特殊なレシピーなどを付加したもので、シリコンを垂直に深掘りできます。このD-RIEを使うことでシリコン加工面をギアとする歯車などが容易に実現でき、最近ではMEMS研究開発を加速させる強力な加工ツールとなっています。
表面マイクロマシニングでよく使われる犠牲層エッチング技術は、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程を繰り返す過程で構造体と一緒に犠牲層もスペーサとして導入しておき、最後にこの犠牲層をエッチング除去し、MEMS構造体を作る技術を指します。 MEMS構造体、犠牲層、エッチング液の組合せで様々な材料をMEMS構造体に用いることができます。
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