財団法人マイクロマシンセンター

[No.2006-10] 2006年10月16日発行


ニ ュ ー ス 目 次  


  1 MNE2006報告
  2 第10回マイクロナノ先端技術交流会の開催
  3 電気学会センサシンポジウムでMemsONEを展示


  1 マイクロナノ2006・第17回マイクロマシン展の開催(11月6日~9日)


  1.経済政策動向
  2.産業技術政策動向
    
  
ニ ュ ー ス 本 文



1 MNE2006報告

 9月16日から20日までスペイン、バルセロナ市のWorld Trade Centerにおいて
32nd International Conference on Micro and Nano Engineering 2006(参加者500名強、発表論文数475件)が開催されましたので、MEMS-ONEプロジェクトのデータベース構築に関連して、MEMSデバイスおよびMEMS製造技術の実用化段階での課題解決に有用な知識・材料データ収集を主目的に参加しました。
本コンファレンスは32回目を数え、欧州では微細加工分野では著名な会議として知られ、またコンファレンス名にEngineeringが冠されているように、実用化に近い技術課題への取り組みが発表され、企業から多数の技術者が参加した。
 視聴した発表の中で全体的には集積化MEMSへの取り組み、カンチレバーの高機能化の工夫が印象に残った。Panasonic とEPSONからは招待講演として自社の取り組みを発表し、特にPanasonicは2000年代はシステムLSI技術が半導体の牽引役と想定し、自社の取り組みRoad Mapを公開した。Panasonicの講演内容は最終日に他の招待講演者から引用されるという成功を収めていた。またEPSONも招待講演のほかスポンサー、技術発表、技術展示と多様なプレゼンをして自社ブランドの構築に努めていたことが印象に残る。MEMS-ONE関連の注目技術として、精度向上の工夫として寄生容量からのリーク電流までも加味した回路集積化MEMSシミュレーションのモデル化、ナノプリント材料として低温セラミクス等の材料特性についての情報が得られた。
 今回の出張で特に企業/商品ブランドの重み、あるいはその構築のための活動の重要性に触れることができ、11月からのα版、来年5月のβ版のリリースを開始するMemsONEシステムの普及活動には大いに参考になった。
 

<会場となったWorld Trade Center>

<初日最初の全体コンファレンス>

2 第10回マイクロナノ先端技術交流会の開催

 (財)マイクロマシンセンターでは、MEMS協議会の産学連携事業の一環として、賛助会員企業の専門家を対象に、マイクロナノ技術に関する各産業分野における先端技術への認識と理解を深め、マイクロナノ技術の普及啓発と産学の技術交流を図ることを目的として、「マイクロナノ先端技術交流会」を実施しています。
 第10回のマイクロナノ先端技術交流会は、産業技術総合研究所ナノカーボンセンター 畠賢治ナノカーボンチーム長、東京大学生産技術研究所マイクロメカトロニクス国際研究センター 竹内昌治助教授をお招きし、マイクロマシンセンター会議室にて10月3日(火)に開催されました。

 
<畠賢治ナノカーボンチーム長>

<竹内昌治助教授>
     
産総研 畠ナノカーボンチーム長からは、産総研で世界で始めて開発された超効率高純度単層カーボンナノチューブの合成方法(スーパーグロース法)が紹介され、これによりカーボンナノチューブ固体がMEMSへ応用展開できることがいくつかの事例で紹介されました。
東京大学生産技術研究所 竹内助教授からは、生体組織の中でMEMSデバイスが計測や治療に活躍するこのような分野を「Biohybrid MEMS」と呼ぶことにして、この分野における研究事例として、生体分子や細胞が、その活性を保持したままMEMSデバイスでセンサやアクチュエータとして機能することが紹介されました。


3 電気学会センサシンポジウムでMemsONEを展示



<MMC展示ブ-ス>
 10月5日と6日、高松市のサンポート高松において、電気学会センサ・マイクロマシン準部門主催の第23回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムが開催されました。今回は招待講演3件の内1件で、「Computer Aided Engineering System for Micro Electro-Mechanical Systems ―MemsONE―」の題目で、MEMS-ONEプロジェクトサブリーダの京都大学小寺教授にMemsONEのアッピールをしていただきました。またコンファレンス会場前ではMemsONEのパネル展示を行い、α版のリリースを案内しました。
 本シンポジウムには若手の研究者や技術者が三百数十名強参加し、プロセス技術、デバイス、アクチュエータや化学・バイオセンサ、マイクロチップ、ロボット用途のMEMSなどについて議論されました。MemsONEの展示では講演の効果もあってMemsONEのα版に関心が集まり、多数の申込みの要請が寄せられました。
 10月11日から13日にインテックス大阪で開催される第9回関西設計・製造ソリューション展にも同様の講演と展示を行いますので、今回の展示との相乗効果で、11月中旬以降のα版リリースの成功につなげて行きたいと思います。 



1 マイクロナノ2006・第17回マイクロマシン展の開催(11月6日~9日)

 例年開催しています「マイクロマシン展」と「国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム」に加えて、今年から、MEMS協議会活動の情報発信の場としてのフォーラム、プロジェクト成果発表会等のイベントをまとめて、総合イベント『マイクロナノ2006』として、11月6日(月)~9日(木)の期間に、東京国際フォーラム・三菱ビルで開催します。
 超精密・微細加工、MEMS、ナノテクに関する国際展示会であるマイクロマシン展は11月7日(火)から9日(木)まで、シンポジウム、成果発表会などのコンファレンスは11月6日(月)から9日(木)までそれぞれ開催させます。これらを同時開催することにより、マイクロマシン、MEMS関連産業の拡大・発展のための課題の共通認識を深めると共に、マイクロナノ分野の最新技術動向、産業動向が一望でき、国内外のマイクロナノ関連団体・企業の効率の良いビジネス交流の場として、国内外からのマイクロナノ関連団体・企業とのビジネス交流・連携が一層深められるものと期待しています。
 「マイクロナノ2006」のコンファレンスの内容は次のとおりです。

(1)MEMS国際標準化ワークショップ
     開催日時:11月6日(月)10:00~16:25
     会  場:三菱ビル コンファレンススクエアM+グランド
   MEMS分野における標準化についてわが国は、MEMS専門用語、薄膜材料引張り試験法に関する国際規格化果たし、さらに新たな提案をするなど、積極的に活動しています。これら世界をリードする活動の一環として、MEMS分野の国際標準化への取り組みを今後より戦略的に進展させるべく、MEMS国際標準化ワークショップを開催します。
   今回は、「マイクロナノ材料評価技術」に焦点を絞って、国際標準化に対する日・欧・米・韓との先端技術情報と討議の場を提供することにしています。

(2)MEMSフォーラム
     開催日時:11月7日(火)10:00~16:35
     会  場:東京国際フォーラム ホールD7
    今年4月に発足したMEMS協議会では、MEMS分野の基盤技術開発、MEMS産業基盤強化のためのファンドリーネットワークの構築・拡充、MEMS分野における産学連携、人材育成、MEMS規格・標準化の推進、および、MEMS協議会が日本におけるMEMS産業化推進・産学官連携のハブとして機能するための海外交流活動などの諸活動を進めています。MEMSフォーラムは、これら活動を通して、MEMS産業発展のための基本問題に係わる政策提言などMEMS協議会からの情報発信の場として開催します。
    今回のフォーラムでは、日米のMEMS政策、MEMSビジネスの現状を概観し、MEMS産業発展のためのファンドリー基盤強化の観点、MEMS技術基盤構築・強化の観点から、それぞれMEMS産業発展のための施策提言に繋がるMEMS協議会の活動をご紹介します。

(3)第12回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
     開催日時:11月8日(水)9:00-17:55
     会  場:東京国際フォーラム ホールD7
     マイクロマシンセンターでは、わが国マイクロマシン(MEMSなどの微小マシン/システム)の基盤技術の確立及び普及を図るため、内外の最先端の技術及びその動向について、内外の学識経験者を招きシンポジウムを1995年以来実施してきたいます。
     今年で第12回を迎える今回のシンポジウムは、「ナノ・集積化MEMSのイノベーション創出とビジネス最前線」にフォーカスし、これらの技術動向と課題について内外の第一人者を講演者として招き、内外MEMS関連研究者に先端技術情報と討議の場を提供します。

(4)MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクト成果発表会
     開催日時:11月9日(木)13:00-16:15
     会  場:東京国際フォーラム ホールD7
     平成16年度~18年度で実施した新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト「MEMS用設計・解析支援システム開発」(略称:MEMS-ONE)の成果を発表します。このプロジェクトで開発した成果(ソフトウエア)は、平成19年度にβ版ソフトウエアとしてリリース予定です。今回の成果発表会では、国内の多くの企業、公的機関でご活用いただくための、ソフトの機能紹介とデモを行います。




1.経済政策動向

■月例経済報告(10月12日)

 10月の月例報告では、景気の基調判断について「回復している」との判断を8カ月連続で据え置いた。2002年2月に始まった現在の景気拡大期間が10月で戦後最長のいざなぎ景気(1965―70年)に並ぶとの見方を政府として示している。なお、9月の月例報告では、「-景気は、回復している- 先行きについては、企業部門の好調さが家計部門へ波及しており、国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる。一方、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要がある。」としている。
  ○月例経済報告関係資料 http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei.html

■経済産業省の主な経済指標(10月6日)

 経済産業省は各種経済指標を取りまとめた資料を発表。たとえば、鉱工業指数に関しては、「-上昇傾向にある鉱工業生産- 8月(速報値)の生産は前月比1.9%と2か月ぶりの上昇、出荷は同2.5%と2か月ぶりの上昇、在庫は同1.0%と2か月ぶりの上昇、在庫率は同▲5.3%と2か月ぶりの低下。」と分析している。
  [概要(PDF)] http://www.meti.go.jp/statistics/downloadfiles/omonakeikishihyo.pdf
  [ダイジェスト] http://www.meti.go.jp/statistics/data/hshihyo01j.html

■経済成長戦略関連

 国際競争力の強化と地域経済の活性化を二本柱とし、継続的に人口が減少するという逆風の下でも「新しい成長」が可能なことを示す「新経済成長戦略」に関連するこれまでの政策動向は以下の通り。

  ○経済成長戦略大綱のとりまとめについて (H18.7.6)
       http://www.meti.go.jp/topic/data/e60713aj.html
     7月6日の財政・経済一体改革会議において、「経済成長戦略大綱」が決定され、
     公表されている。 本大綱は、人口減少が本格化する2015年度までの10年間に
     取り組むべき施策について、経済産業省を中心としてとりまとめたもの。経済と
     財政の一体的な改革を進めるに当たって、歳出・歳入一体改革と並ぶ車の両輪
     として、政府・与党の最優先課題と位置づけられている。

  ○新経済成長戦略について (H18.6.9)
       http://www.meti.go.jp/press/20060609004/20060609004.html
     経済産業省は、「国際競争力の強化」と「地域経済の活性化」を二本柱とし、
     継続的に人口が減少するという逆風の下でも「新しい成長」が可能なことを示す
     「新経済成長戦略」をとりまとめ、6月9日にその内容を公表している。

  ○新産業創造戦略について (H17.6.13)
       http://www.meti.go.jp/policy/economic_industrial/shin_sangyou.html


2.産業技術政策動向

■総合科学技術会議開催(9月22日)

 第59回総合科学技術会議が9月22日開催され、以下の資料が配付された。
  ○小泉内閣の科学技術創造立国への歩み(PDF)
       http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu59/siryo1.pdf
  ○平成19年度科学技術関係予算概算要求の概要(PDF)
       http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu59/siryo2-1.pdf
  ○平成19年度の科学技術振興調整費の概算要求方針について(PDF)
       http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu59/siryo2-2.pdf
  ○第57回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)
       http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu59/siryo3.pdf

 なお、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための第3期科学技術基本計画は本年3月28日に閣議決定されている。
  [本文(PDF形式)]  http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/honbun.pdf
  [概要(PDF形式)]  http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/gaiyo.pdf
  [分野別推進戦略]  http://www8.cao.go.jp/cstp/kihon3/bunyabetu.html

■経済産業省の産業技術政策全般

 経済産業省では、イノベーションの創出を通じた我が国の産業技術力の強化に向け、民間企業などにおけるイノベーションを促進する環境整備を進めるとともに、国においても知的資源の充実のための様々な取り組みを進めている。関連資料は以下の通り。
  ○イノベーション・スーパーハイウェイ構想について
       http://www.meti.go.jp/policy/innovation_policy/ishw.htm

  ○平成19年度産業技術関連予算要求の重点(発表資料 PDF 6ページ)
       http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/060825-9.pdf

    ○経済産業省の研究開発 「技術戦略マップ2006」
       http://www.meti.go.jp/policy/kenkyu_kaihatu/main-toptrm2006.html
     「技術戦略マップ2006」は昨年版の20分野から24分野に拡大。技術戦略マップは、
     新産業を創造していくために必要な技術目標や製品・サービスの需要を創造するための
     方策を示したもの。

■NEDO産業技術政策関連

  ○NEDO海外レポート986号 ナノテクノロジー特集(10月4日)
    本年7月に発表された米国の「国家ナノテクノロジー・イニシアティブ」年次報告書に
    関するNEDOワシントン事務所からその概要が報告されています。さらに、欧米に
    おけるナノテクノロジーに関する政策や戦略に関する記事も掲載されています。
  [目次]  http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/986/index.html?nem
  [一括ファイル(PDF形式)] http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/986/986.pdf?nem

  ○NEDO海外レポート985号 地球温暖化特集(9月20日)
    中国におけるCO2削減をめぐる動きの最新情勢についての報告、ドイツ、韓国、米国に
    おけるCO2排出削減に関する政策動向に関する記事が掲載されています。さらに、
    ゼロエミッション発電所構想などのEUおよび米国におけるCO2の貯蔵技術の最新状況
    などについての報告があります。
  [目次]  http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/985/index.html?nem
  [一括ファイル(PDF形式)] http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/985/985.pdf?nem


 

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