財団法人マイクロマシンセンター

[No.2008-01] 2008年1月16日発行


ニ ュ ー ス 目 次  


  1 平成19年MMC十大ニュース
   (1) 2005年・2010年・2020年のMEMS関連市場予測結果を公表
   (2) MemsONEプロジェクトが完了し、MemsONEβ版の頒布が好調に推移
   (3) 当センターがIEC国内審議団体となる
   (4) 総合イベント「マイクロ・ナノ2007」が大盛況、国際的イベントに成長
   (5) 「ファインMEMSプロジェクト」に新たな展開、知識DBの整備も急ピッチで進む
   (6)「 異分野融合次世代デバイス製造技術(BEANS)プロジェクト」
     平成20年度スタートへ

   (7) 2年目のMEMS協議会。メンバーが大幅に増え、活動が充実
   (8)活発な海外交流活動
   (9)MEMSファンドリー活動の着実な展開
   (10)年々改善されてゆくMMC執務環境
  2 2007IEDM報告(12月10日~12日)
  3 MEMSファンドリー海外調査報告(12月5日~12日)

  

  1 MemsONEβ版講習会の開催案内(平成19年7月~平成20年1月)
  2 第10回MEMS講習会の開催(平成20年1月21日)
  3 第14回マイクロ・ナノ先端技術交流会の開催案内
  4 「ナノテク2008」にMEMS関連プロジェクトを出展予定(平成20年2月13日~15日)



  1 経済政策動向
  2 産業技術政策動向



  1 ロボット3団体合同賀詞交歓会のご案内
  2 MMC OBの近況報告
    
  
ニ ュ ー ス 本 文

 

1 平成19年MMC十大ニュース

 輝ける新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。本年もよろしくお願い申し上げます。
わが国の景気は、中国等の旺盛な需要により、好調な出足であったわけですが、年央以降、米国のサブプライムローン問題やNY先物市場の原油価格の異常な高騰、国内でのねじれ国会による不安定な政治状況や食・住に対する信頼感のゆらぎ等々の影響もあって、不安要素を抱えた運びであったかと思われます。
 このような状況の中で、当センターでは「産業のマメ」といわれ製造業の発展に不可欠な基幹デバイスとなっているMEMSの技術開発、産業化を積極的に推進しております。
 MEMS協議会は2年目に入り、MEMS産業化のため、総合イベント「マイクロナノ2007」の開催、MEMS市場調査活動、国際標準化活動をはじめとする諸々の環境整備活動を展開してきました。
 また国・NEDOプロジェクトに係る技術開発では、第2世代MEMS(ファインMEMS)の開発が2年目に入り順調に推移しております。さらにMEMS開発のソフトインフラを提供するため3ヶ年にわたって開発を行ったMEMS-ONEプロジェクトが完了し、成果としてのMemsONEソフトβ版の普及を積極的に手がけてまいりました。
 以下当センターの平成19年十大ニュースをご覧いただき、このような我々の活動状況をご理解いただければ幸いです。

(1) 2005年・2010年・2020年のMEMS関連市場予測結果を公表
   当センターでは昨年3月に、MEMS関連市場の現状と2010年、及び2015年の市場予測結果を取り
  まとめました。
   この調査は、情報通信・自動車・民生用機器・環境エネルギー・バイオ・メディカル等の産業分野別に分けて実施し、これら産業分野全体の2005年の国内MEMS関連市場は、約4,400億円、2010年は1兆1,700億円、2015年は2兆4,000億円と予測しました。
   この結果は、MEMS技術戦略マップにおける中期・長期の研究開発の取組みの基礎データとして活用され、特に、第2世代MEMSから第3世代MEMS(BEANS)に向けてのMEMSが組込まれる機器の高付加価値化による市場効果の参考データにも利用されました。
   MEMSは期待されながらも、その全体像(産業像)はなかなか見えていない現状の中で、各産業分野でのMEMS技術応用範囲の広がりを示したことで、この調査結果の活用が期待されています。

 

(2) MemsONEプロジェクトが完了し、MemsONEβ版の頒布が好調に推移
   NEDOから委託を受け、平成16年度から3ヵ年に亘って進めてきた「MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクト」が数々の成果を残し、完了しました。
   昨年11月には、本プロジェクトに対する事後評価がNEDO研究評価委員会において実施され、 「総合的にみて成功したプロジェクト」として高い評価を受けました。
  本プロジェクトの成果「MemsONE:Mems Open Network Engineering System of Design Tools」 は、既に、一昨年11月より試験的利用を目的としてα版(機能限定版)を希望者に無償配布、昨年6 月からは、全機能を搭載したβ版を廉価で頒布開始し、12月末時点で450ライセンスを超える頒布実 績となっています。
   今後は、このβ版に今年度実施している機能の改善・強化作業の結果を反映した、より高機能な 「MemsONE Ver.1.0」をリリースすることとしています。「MemsONE Ver.1.0」は、一般企業向けとアカデミック(大学や公的研究機関)向けの2通りから構成されており、一般企業向けには、プロフェッショナル版(実務用)とエントリー版(機能評価用)、アカデミック向けには、研究用と教室用の2系統があります。なお、リリース時期は、一般企業向け、アカデミック向け共にこの2月初旬~3月初旬の予定です。MemsONEは機能が充実しており、特に初心者には利用し易く構築されていますので、是非ご活用下さい。
   また、MemsONEの活用に向けた実習講座や事例セミナーも開催しています。実習講座は受講者のキャリアに応じて、基本コースと応用コースが用意されており、月1回のペースで関東地区および関西地区において開催しています。講師陣は、MemsONEの開発に直接携わった企業の最先端の技術者で構成していますので実りある成果をご提供できるものと確信します。
   なお、「MemsONE Ver.1.0」の機能、構成、価格等の詳細および実習講座や事例セミナーの詳細は、当センターのホームページ「MemsONEひろば」http://www.mmc.or.jp/mems-one/ をご覧下さい。

(3) 当センターがIEC国内審議団体となる
  当センターが2007年6月、IEC(国際電気標準会議)/TC 47(半導体デバイス専門委員会)の国内審議団体(WG4;MEMS対応)となりました。
   当センターはこれまで、世界初のMEMS分野の国際規格である「MEMS専門用語」を手始めに、「薄膜材料の引張試験法」、「引張試験標準試験片」の3本の標準案を国際規格化しました。さらに「疲労試験法」の規格案を作成、現在IECで審議中です。
   このように当センターはMEMS分野の標準化において世界をリードする活動を実質的に行ってまいりましたが、MEMSが標準化において、まだ限定的な分野であったため、正式な国内審議団体ではありませんでした。しかし、MEMS産業の拡大に伴い、MEMSの標準化をより活発に推進し、日本が世界でMEMS分野の標準化をリードして行くためには、主体を持った団体が国内審議団体になることが望ましいとの認識から、これまでの実績及び審議体制等が評価され、国内審議団体として承認されました。現在、次の国際規格案として、「寿命加速試験法」、「校正用標準試料」、「接合強度試験法」を提案準備中であり、又2007年に策定した「MEMS標準化ロードマップ」を指針として、さらに戦略的・継続的な標準化活動を実施してまいります。
 
(4) 総合イベント「マイクロ・ナノ2007」が大盛況、国際的イベントに成長
    国際展示会である「マイクロマシン/MEMS展」と、マイクロナノ・MEMSに関するカンファレンス(国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム、NEDOプロジェクト成果発表会、MEMS協議会の情報発信の場であるMEMSフォーラム)をまとめた総合イベント『マイクロナノ2007』が、7月25日(月)~27日(金)、東京ビックサイト及び有明ワシントンホテルで開催され、盛況のうちに終了しました。
   総合イベントの中核である「第18回マイクロマシン/MEMS展」では、初めて「MEMSブース」が設けられ、出展企業・団体362、総入場者12,424名が記録されるなど、世界的な展示会に成長しました。
   このように、国際展示会とカンファレンスを包含した総合イベントは、マイクロナノ/MEMS分野の最先端の技術情報、産業動向、マイクロマシン・MEMS関連製品の情報が同時に提供され、効率的な国際的イベントとして定着いたしました。なお、平成20年度の「マイクロナノ2008」は、会期を4日間に延長し、7月29日の国際マイクロマシンナノテクシンポジウムを初めとして、7月30日~8月1日にマイクロマシン/MEMS展及びカンファレンスを東京ビッグサイトを主会場として開催する予定です。
  ご期待ください。
 
(5) 「ファインMEMSプロジェクト」に新たな展開、知識DBの整備も急ピッチで進む
   高集積・複合MEMSデバイスの製造技術の確立を目指し、平成18年度より、企業、大学・国研等総力を挙げて進められている「高集積・複合MEMS製造技術開発事業」(通称:ファインMEMSプロジェクト)の基本計画に対して、平成19年度、「ファインMEMSシステム化設計プラットフォーム研究開発」が追加されました。これは、近年、米国を中心として活発化している、設計プラットフォームを用いた表面集積化等の動きに対処すると共に、本プロジェクトの開発計画を加速させ、高集積MEMSに関わる製造技術及び設計技術の両面 に亘る技術の早期確立を図ることを狙いとしたものです。
   当センターはこれを受け、東京大学藤田教授を委員長、静岡大学橋口教授を副委員長とする委員会のもとに、ファインMEMSに係わるさまざまなデバイスに対応した、統一的な設計プラットフォームとしての等価回路モデルの開発を進め、この3月迄にはこれらのモデルを集積、閲覧できるWebライブラリの構築を完了させることとしています。一方、ファインMEMSプロジェクトの主要テーマの一つで
  ある「ファインMEMS知識データベースの整備」は、平成18年末において、既に、目標件数の7割に達する登録を完了、さらに蓄積データの質的向上を目指した閲覧数ランキング表示機能や有用データの事例を実装するなど、急ピッチで進捗しています。また、ファインMEMSプロジェクト参加企業8社の協力を得て、昨年7月に開催した「中間成果発表会」では、180席が満席になるなど盛況裡に終了、同じく昨年7月のマイクロマシン/MEMS展への出展では、委託事業8テーマおよび助成事業3テーマの成果を展示し、好評を博しました。なお、これらの模様は多数の報道機関を通じて一般に広く紹介されました。
 
(6)「 異分野融合次世代デバイス製造技術(BEANS)プロジェクト」平成20年度スタートへ
   当センターでは「MEMSフロンティアとしてのナノ・バイオとの融合による未来デバイス技術に関する調査研究」を(財)機械システム振興協会からの委託事業として、20年後の社会に革新的なインパクトを与え、新たなライフスタイルを創出する未来デバイス技術についての調査研究を実施し、あわせてイノベーション25の実現を進める産官学連携による具体的研究対象と内容、およびイノベーションスーパーハイウェイ構想を実現するための推進体制など、今後の取組み方につても検討を行い、昨年3月報告書にまとめました。
   この未来デバイスを第3世代MEMSとしてナノ・バイオと電気機械の融合により自律分散で機能するデバイス・システムであると定義し、”BEANS”(Bio Electro-mechanical Autonomous Nano Systems)と呼び、マイクロナノ2007等でPRにつとめています。
   また、産業競争力懇談会(COCN)でも産業界全体として今後注力すべきテーマとして「MEMSフロンティア・未来デバイス技術」を取り上げ、その実現に向けた政府の取り組みが要望されました。
   その結果、『異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト(BEANSプロジェクト』の名称で平成20年度から5年間のプロジェクトが経済産業省より概算要求され、昨年末に初年度予算11.5億円の予算が内示されるに至りました。
    (http://www.meti.go.jp/press/20071224001/05_sangi.pdf
   これも昨年6月より多くの企業、大学、国研の委員の方の参加によるBEANS調査研究検討会において、COCNの要望をプロジェクトとして具体化するためにご支援・ご協力を頂いた結果です。
   現在、BEANSプロジェクトはNEDOにおいて基本計画作りが進められており、平成20年度からのプロジェクトスタートに向けて準備が進められています 。
    (http://www.nedo.go.jp/nedopost/index.html
   当センターでは会員企業の皆様、大学・国研と協力しこのBEANSプロジェクトに参画し、我が国のMEMS産業の国際競争力の強化に少しでも貢献できますよう、本年も重点課題として取り組んで参ります。

(7) 2年目のMEMS協議会、メンバーが大幅に増え活動が充実
   当センターの特別事業委員会であるMEMS協議会(MEMS Industry Forum:略称MIF)が平成18年4月1日に発足してから2年目となった昨年は、構成メンバーがMEMS関連企業、アカデミー、地域拠点、海外機関など昨年末時点で合計183機関(発足時は143機関)となりました。
   特にアフィリエートメンバー(MIF活動連携機関)は発足時の79機関(うち海外2機関)から105機関(うち海外9機関)に増え、産学連携、国際交流の枠組みが充実いたしました。
   この結果、MIFの下に設置された各種委員会により進められる行政、関係機関への政策提言活動や、産業交流・活性化のための諸活動が、より一層充実いたしました。MIFの諸活動は、当センターホームページhttp://www.mmc.or.jp/mif/をご覧ください。
   今年も、MIFが、わが国のMEMS産業の一層の発展を支援する活動として国内外で一層高く評価されるよう関係者一同頑張る所存ですので、皆様の一層のご支援をお願いいたします。


(8) 活発な海外交流活動
 マイクロマシンサミット、ハノーバーメッセ出展、MEMS協議会海外アフィリエート拡大など
   MEMS協議会では国際的なMEMS産業化支援活動を積極的に展開しています。平成19年度もマイクロマシンサミット、ハノーバーメッセ出展、海外アフィリエートの拡大など活動を拡大させました。
   第13回国際マイクロマシンサミットは、4月26日(木)から28日(土)の3日間、イタリア・ベニスのテレコム・フューチャー・センターで開かれました。今回は、18ヶ国・地域から100名のデリゲートおよびオブザーバーの方々が参加し、日本からは東京大学下山勲教授をチーフデリゲートとして、オブザーバー参加を含め10名の方々が参加しました。円卓会議では東京大学・下山勲教授、オリンパス㈱執行役員・唐木幸一様、オムロン㈱執行役員常務・今仲行一様、松下電工㈱理事・荒川雅夫様、及び当センター専務理事・青柳桂一より5件の発表がありました。第14回マイクロマシンサミットは平成20年4月30日(水)から5月3日(土)に、韓国の太田(Daejoen)で開催されます。
   欧州最大の産業展示会であるハノーバーメッセにはMEMS協議会海外アフィリエートであるドイツiVAMがサブ展示“Micro Technology Fair”を主催しており、2006年より出展しています。平成19年は4月16日から20日までの5日間、オムロン(株)、オリンパス(株)、松下電工(株)、三菱電機(株)、及び東京大学のご協力のもと出展し、日本のMEMS関連研究・産業化動向をPRしました。また、併設のフォーラムではオリンパス(株)網倉さん、松下電工(株)久保さんから企業プレゼンテーションも行い、日本からは東北大学江刺教授の講演、MMCからの発表を合わせ計4件の発表となりました。ブースでは東京大学下山研究室からはfine MEMSのプロジェクト成果をデモとともに展示し、多くの方が訪れそのユニークさ、レベルの高さに感心していました。平成20年は日本がハノーバーメッセのパートナー国となるため、事務局となるJETROとも協議しより多くの会員企業の方の参加を募りメッセを盛り上げたいと考えています。
   MEMS協議会海外アフィリエートの拡大にも取り組みました。昨年は欧州のNEXUS, IMEC, 中国 Shanghai Society of Transducing Technology, シンガポールSIMTechが加わり合計11の団体、研究所がアフィリエートとして国際ネットワークを組んでいます。海外アフィリエートとは、会員情報の相互交換に加え、双方が会員企業の窓口やイベントの支援等広範囲の交流を実施しており、是非ご活用ください。


(9)MEMS ファンドリー活動の着実な展開
   当センターでは、「ファンドリーサービス産業委員会」(FSIC : Foundry Service Industry  Committee)を中心  として、MEMSファンドリー産業発展のための活動を行っています。 
   MEMS産業の裾野を広げることを目的として、初心者・中級者クラスのMEMS技術者を対象にしたMEMS講習会を継続的に開催しています。今年度は、第9回のMEMS講習会を東京で開催し、平成19年1月には初めて東北・仙台市で、MEMSパークコンソーシアムと共催で第10回のMEMS講習会を開催いたします。この中で、MEMSファンドリーの技術・開発事例を紹介する予定です。また、ホームページ上で各社のMEMSファンドリーサービス を紹介するサービス「MEMStation」を展開しており、MEMS製作の要望を受け付けてファンドリーに繋げるネットワーク活動を継続してきました。
   また、平成19年度は、「ファンドリー専門委員会」を設置し、MEMS技術の知識経験の乏しい中小企業等へMEMS技術を普及するため、低コストでMEMSを製作するための標準プロセスレシピや公設試とファンドリーのネットワーク等のあり方等の調査活動を行っています。

(10)年々改善されてゆくMMC執務環境
   当センターは、狭い執務環境を創意工夫とインフラ整備により、使い勝手の良い執務環境に変貌させました。地味ですがこのことが評価されて、見事平成19年のMMC十大ニュースの10番目にランクインされました。
   平成18年は通常20名程度で使用する会議室を大型スクリーンの設置場所の工夫や移動式プロジェクターの活用、無線LANなどを設置して、30名規模の人数で使用できるIT会議室に変貌させました。平成19年は、光ファイバーを敷設してネットワーク環境の改善を行うと共に、不要物品や書類等の整理を行い5~6人規模の小会議 室を新たに設けました。又、セキュリティ対策として業務用パソコンにウイルス対策ソフト等のライセンス契約 を締結し情報の保護に努めました。その他、経理業務ではインターネットを利用したBiSTATIONを導入して、総合/給与振込サービスを開始するなど、様々な改善・効率化を図りました。
   インフラ整備の費用を最小限に抑えて最大限の執務環境の改善を行うことができたことに対し、当センター N課長(なんでもすぐやる課長)の普段の努力に感謝!感謝!

2 2007IEDM報告(12月10日~12日)

 2007 Internatinal Electron Devices meeting(2007IEDM)が、12月9日から12日まで、米国の首都ワシントンDCのダウンタウン北部通称大使館通り近郊のデュポンサークルに程近いヒルトンホテルで開催されました。この会議は、昨年はサンフランシスコのヒルトンホテルで開催されており、このワシントンDCと毎年交互に開かれています。
 会議はIEEEのElectron Devices Societyの主催で、1960年代から半導体デバイスの発展とともに開催されている由緒と権威のある会議です。もともとSiテクノロジーが中心の関心事であり、MEMSはほとんど注目されていませんが、1セッション設けられています。半導体集積化の流れの中で、MEMS関連でも特筆する発表が一昨年あたりから注目されており、ファインMEMS知識データベースの知識情報の入手に有効です。日本のMEMS研究者はまだ参加が極めて少ないため、昨年に引続きマイクロマシンセンターで参加しました。
 今年の事前登録参加者数は公式発表で1,600名を越える規模で、すべてオーラルプレゼンテーションでポスターなどはありません。その分厳選されているようで、論文投稿数695件に対し採択237件であり採択率34%と厳しいようです。
 プレナリーを除き37のセッションからなり、連日8会場に分かれて実施されました。その中で、4セッションがMEMS関連となり、またWLBに重要な3次元配線などのセッションが一件ありました。
昨年に引き続き、RFMEMSを中心にMEMS半導体集積化の観点で有益な情報が得られており、今後も注目に値する会議といえましょう。

会場のヒルトンホテル全景

 プレナリーセッション受付

3 MEMSファンドリー海外調査報告(12月5日~12日)

 MMCではNEDOから受託し進めているMEMS-ONE成果普及事業の一環としてアジアにおけるファンドリー事業の調査を実施いたしました。訪問先は以下の通りです。
 ■ シンガポール
  ・MEMS Technology社
  ・IME(Institute of Microelectronics)
  ・SIMTech(Singapore Institute of Manufacturing Technology)
  ・IMRE(Institute of Materials research and Engineering)
  ・ANF(Asia Nano Forum)
 ■台湾
  ・tMt(Touch Micro-system Technology)社
  ・apm(Asia Pacific Microsystems)社
  ・ITRI(Industrial Technology Research Institute)
  ・Integrated Crystal Technology社
 今回の調査には東京大学大学院情報理工学系研究科長下山先生、産総研先進製造部門高橋様が参加いただきました。
 訪問先のうち今回の主目的であるMEMSファンドリーについて以下に紹介いたします。

MEMS Tech社

MEMS Technology社は本社をマレーシアに置く、持ち株会社で傘下にSense Fab社、Sense Pak社を有しているSiマイクロフォン等のデバイス開発とファンドリーを兼業する企業です。シンガポールにはSense Fab社があり、MEMSデバイス、およびプロセス開発を行っています。Sense Fab社はシンガポールA-StarのIMEの技術をベースにしており、Siマイクロフォン、スピーカ、加速度センサ、圧力センサの開発を行っています。同社はこれらデバイス開発のノウハウを活かせる分野でのファンドリーサービス事業も展開しています。MEMSラインは6インチでパッケージング等はマレーシアのSense Pak社が担当しています。
 tMt社は2000年にITRIの技術を移転し設立された、台湾で最初のMEMSファンドリーです。2002年には世界で初めて8インチのMEMSラインを稼働させ、現在でも世界で数少ない8インチラインを有するファンドリーです。事業はデバイス企業との共同開発とファンドリーに大別され、2006年の売り上げは8MUS$。従業員数は200名です。2007年台湾の材料系企業Walsinの100%子会社としてグループ入りし、事業の拡大をねらっています。ファンドリーでの主な取り扱いデバイスは以下の通りです。
  ・センサ:圧力、ガス、マイク
  ・Printing:インクジェットヘッド、Laser Printer
  ・Imaging:スキャニングミラー、自動車用HUD、Personal Display(DLP)
 apm社はITRIからのスピンアウト企業として2001年に設立されました。2002年に6インチのMEMSラインを稼働させ、デバイス開発とファンドリーの両事業を推進。2006年CMOSファンドリーであるUMC社と資本提携したのを契機に、ファンドリー専業となり、2007年には同じ台湾のMEMSファンドリーChip Sense社を吸収合併。2006年度の売り上げは17MUS$、従業員は300名。2008年度にはChip Senseとの合併効果を生かし大量生産に対応できるとして、日本のMEMSデバイスメーカーとの取引を拡大させたいとの意向を持っている。
 上記台湾のファンドリー2社はCMOSファンドリーと連携し、CMOS/MEMSの集積化を推進する戦略をとっており、今後台湾ではTSMC、UMC等のCMOSファンドリーのMEMSへの展開、あるいはCMOS、MEMSの2つのファンドリー間の連携などが積極化しそうな状況にある。
 最後に、シンガポールでの調査に全面的に協力いただいた松下電工(株)のシンガポール法人アジア・太平洋松下電工(株)の荒川様、および多忙な中、今回の調査に参加いただいた東大下山先生、産総研高橋様に感謝いたします。

tMt社

apm社


1 MemsONEβ版講習会の開催案内

  MEMS用設計・解析支援システム開発プロジェクトが生み出したソフトウェア「MemsONEβ版」の頒布を6月初旬より開始致しました。MemsONEを日本国内に広く普及させるためには、操作手順や解析の技術的なユーザ支援が不可欠です。このため、複数のPCにMemsONEβ版をインストールした環境を用意し、実際にPC上でMemsONEβ版を使ってGUI操作や解析手順を中心に指導を行います。この講習会を実習講座と称し、基本コースと応用コースの2コースを用意しています。開催期間は7月から来年1月迄で、期間の前半は基本コースを、後半は応用コースを予定しています。
 ○基本コース: フレームワーク操作と解析ソフトの利用方法を指導
 ○応用コース: 一通り使いこなせる人を対象に解析ソフトの設計・研究に有用な活用方法を指導
 この実習講座は、東京大学および京都大学のご協力により実施しています。開催は、関東(東京大学本郷キャンパス)で6回、関西(京都大学吉田キャンパス)で3回を予定しています。
                          <実習講座の開催月>
   7月  8月  9月 10月 11月 12月  1月
 関東(東京大学)      8/22  
基本
 9/14  
基本
 10/19 
応用
 11/16 
基本
 12/12 
応用
 1/18  
応用
関西(京都大学)   7/19  
基本
  9/20
基本
  11/9
応用
   
  
 この実習講座の他に、β版を使った解析事例発表セミナーや他の機関で開催される講習会内でも積極的に開催していく予定です。なお、実習講座は有料ですが、他のセミナーや講習会は無料です。
 ユーザの方々には、MemsONEひろば「http://www.mmc.or.jp/mems-one/」の“講習会案内”から、講習会に関する情報を逐次ご案内致します。多くの方々の参加をお待ち致すと共に、この講習会の実施により、MemsONEユーザが拡大することを期待しています。

2 第10回MEMS講習会の開催(2008年1月21日)

 (財)マイクロマシンセンター・ファンドリーサービス産業委員会では、MEMS産業の裾野を広げ、その発展を促進するために現在まで9回のMEMS講習会を開催してきましたが、第10回MEMS講習会「MEMSの設計・加工技術と応用例」をMEMSパークコンソーシアムと共催で、初めて東北地方で開催いたします。
 今回は、初心者・中級者向けとして、MEMS技術・動向、MEMSファンドリー及びMEMS設計解析支援ソフト「MemsONE」について紹介いたしますので、御参加の申込みをお待ち申し上げます。
 ■日 時:2008年1月21日(月)13:00~18:00 (~19:00懇談会)
 ■場 所:仙台市 情報・産業プラザ(宮城県仙台市)セミナールーム(2)B
        〒980 仙台市青葉区中央1丁目3番1号(AER6階)
        TEL:022-724-1200
             ホームページ: http://www.siip.city.sendai.jp/netu/
 ■参加費: 3,000円
 ■プログラム
    13:00-13:05  主催者挨拶
                青柳 桂一 (財団法人マイクロマシンセンター 専務理事)
    13:05-13:10  共催者挨拶
               竹井 裕  (MEMSパークコンソーシアム 事務局長)
    13:10-14:00  MEMSの概要 (予定)
                杉山 進  (立命館大学COE推進機構 教授)
    14:00-14:50  MEMS技術と応用の最新動向 (予定)
                江刺 正喜 (東北大学大学院工学研究科 教授)
    14:50-15:00     ( 休憩 )
    15:00-16:10  MEMSファンドリー企業の技術と開発事例の紹介
              ・株式会社アルバック(MEMSプロジェクト、部長、不破耕)
              ・沖電気工業株式会社(MEMS・センサー部、課長、小澤信男)
              ・オムロン株式会社
               (マイクロデバイス事業部 MEMS開発部、主事、西尾英俊)
              ・オリンパス株式会社
               (MEMS開発本部プロセス技術部、グループリーダー、網倉正明)
              ・株式会社フジクラ
               (電子デバイス研究所シリコン技術開発部、グループ長、末益龍夫)
              ・松下電工株式会社
               (EMITデバイス開発部、副参事、野毛 宏)
    16:10-16:40  最新ナノインプリント技術の紹介
               高橋 正春
               (産業総合研究所 インプリント製造技術研究グループ グループ長)
    16:40-17:20  MEMS設計解析支援ソフトウェア「MemsONE」の紹介
              ・みずほ情報総研株式会社
               (サイエンスソリューション部、チーフコンサルタント、岩崎拓也)
    17:20-18:00  技術相談会
    18:00-19:00  懇談会/名刺交換会

 

3 第14回マイクロ・ナノ先端技術交流会の開催案内

 マイクロマシンセンターでは、マイクロ・ナノ技術に関係している賛助会員企業・MEMS協議会企業メンバーの専門家を対象に、マイクロ・ナノ技術に関する各産業分野における先端技術への認識と理解を深めマイクロ・ナノ技術の普及啓発と産学の技術交流を図ることを目的として、年3回、「先端技術交流会」(勉強会)を実施しています。毎回、2名の先生を講師にお願いし、それぞれご講演をいただき、その後、講師の先生方と技術交流会参加者との懇談会を行います。
 第14回マイクロ・ナノ先端技術交流会は、九州大学の安達千波矢教授、東北大学の寒川誠二教授を講師にお迎えし、以下の内容で開催いたします。
  (1)開催日時:平成20年3月13日(木) 
           13:25~17:00 マイクロ・ナノ先端技術交流会
           17:15~19:00 交流会・懇談会
  (2)開催場所:マイクロマシンセンター会議室
  (3)内 容:
    ○講演①
         講師:九州大学未来化学創造センター光機能材料部門  安達千波矢 教授
         内容:有機半導体発光デバイスは、有機ELの成功を足がかりに大きな展開を迎えています。このことから「有機半導体発光デバイスの最前線-基礎から最前線まで-」と題して、有機半導体の特長、動作原理、デバイス化、最新デバイスについて解説いたします。
    ○講演②
         講師:東北大学流体科学研究所 流体融合研究センター  寒川誠二 教授
         内容:半導体デバイスの微細化はプラズマエッチング技術の進歩によって実現されてきたといっても過言ではありません。しかし、サブ32nm世代のデバイスにおいてはその損傷が大きな問題となっています。そこで、「プラズマエッチングの最前線とナノ加工」と題して、プラズマエッチング技術における現在の問題点と将来のサブ10nmを目指した技術開発について解説いたします。

 開催案内及び参加申し込み書は、賛助会員、MEMS協議会メンバーにお送りしますので、皆様のご参加をお願いいたします。
     参加費    賛助会員  2,000円/人
             MEMS協議会メンバー  2,000円/人
                (正メンバー、アソシエートメンバー、MEMSフェロー)
             一  般      6,000円/人

4 「ナノテク2008」にMEMS関連プロジェクトを出展予定(平成20年2月13日~15日)

 ファインMEMSプロジェクト推進連絡会では、普及広報活動の一環として、国際ナノテクノロジー総合展(nano tech 2008)にプロジェクトの最新成果の一部を出展する予定です。
 多数のご来場をお待ちいたしております。
   開催日時 : 2008年2月13日(水)から15日(金)、10:00-17:00
   開催場所 : 東京ビッグサイト
           (東5ホール、N-18ブース「高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクト」
   出 展 者 : 東京大学下山研究室
            (独)産業技術総合研究所バイオニクス研究センター
            (独)産業技術総合研究所ナノカーボン研究センター
            (独)産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門
            株式会社フジクラ
            松下電工株式会社
            財団法人マイクロマシンセンター




1.経済政策動向

■月例経済報告(12月18日)
 12月の月例経済報告では、景気の基調判断について「景気は、一部に弱さがみられるものの、回復している。」との判断。先行きについては、企業部門が底堅く推移し、景気回復が続くと期待される。
一方、サブプライム住宅ローン問題を背景とする金融資本市場の変動や原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要がある。としている。
  ○月例経済報告関係資料
      http://www5.cao.go.jp/keizai3/2007/1218getsurei/main.html

■経済産業省の主な経済指標(2007年10月確報 12月13日)
  経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたて統計調査を実施しており、それらの調査・分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。たとえば、10月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報のでは、
「生産は緩やかながら上昇傾向」として
  ○今月は、生産、出荷、在庫が上昇、在庫率は低下であった。
  ○製造工業生産予測調査によると、11月低下の後、12月は上昇を予測している。
  ○総じてみれば、生産は緩やかながら上昇傾向にある。
 と分析している。
   (注)上記速報に関し、2007年12月13日 10月分の確報を公表しました。
     鉱工業指数: http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
     統計(新着情報):  http://www.meti.go.jp/statistics/index.html

■平成20年度経済産業政策の重点
 経済産業省は、8月24日に平成20年度 経済産業政策の重点(平成20年度経済産業省概算要求の概要)を公表した。その中で平成20年度概算要求については、わが国経済の持続的な成長を図る上で、緊急に取り組むべき、「地域・中小企業の底上げ」、「安全・安心の確保と高信頼性産業群の創出」、「地球環境対策」に重点をおいて一般会計全体として1兆1,938億円を要求。又、エネルギー対策特別会計については、8,241億円を要求。としている。
     http://www.meti.go.jp/topic/data/070824-1.pdf

■平成20年度産業技術関連予算の概算要求概要
 経済産業省産業技術環境局は、上記経済産業政策の重点課題に対応した技術関連予算の要求概要を公表した。その中で、イノベーション創出メカニズムの改革につながるプロジェクトとして、「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発」16億円(一般会計)が新規に要求された。この技術開発は、イノベーション25を実現するための革新的未来デバイスとして期待されている。
     http://www.meti.go.jp/topic/data/070824-8.pdf

■平成20年度産業技術関連予算案の概要(12月24日公表)
経済産業省大臣官房会計課は、12月24日に平成20年度経済産業省予算案の概要について公表した。産業技術関連予算案のうち、「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発」12億円(要求は16億円)一般会計が新規に認められている。当該予算案は、年明けの通常国会に政府予算案として上程され、審議を経て3月末までに成立する予定。
     http://www.meti.go.jp/press/20071224001/20071224001.html

■イノベーション創出を取り巻く関連政策動向
1、金融取引所での温暖化ガスの排出権取引
  取引所の機能強化を議論している金融審議会・金融分科会第1部会で12月18日報告書が出された。
  同報告書では、温暖化ガスの排出権取引のための取引所について踏み込んだ検討を行っている。現在、温暖化ガスの排出権取引については、金融商品としての規定がなく、取引所では扱われていない。このような状況を踏まえ、報告書では、排出権取引について、証券取引所での関連業務として認めていくことが考えられる と記述している。
  この報告書を踏まえ、取引所での排出権取引は、早ければ08年にも実現するのではないかとみられている 。
  この他、報告書では、金融商品取引所と商品取引所の相互乗り入れについても言及している。具体的には 、現行の金融商品取引法と商品取引所法を維持しつつ、資本提携等を通じた相互参入を可能とすることが課題だとしており、このための法制度の整備を講じることが適当と記述されている。
  また、新たに、プロ向けの取引所市場制度を創設することについても報告書に記載されている。この場合、一般投資家はこの市場に参加できず、プロの投資家を通じてこれに参加することになる。

   参考:http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20071218-1.html

2、新・情報通信法に関する最終報告書まとまる
 総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」は、12月6日最終報告書をまとめた。
 最終報告書は、現行の通信や放送を規制する9つの法律を一つにまとめることを目的とし、情報通信審議会の諮問・答申を経て、2010年の通常国会への法律提出を目指している。
 新法では、現行の通信・放送などの縦割り法制から、コンテンツ・プラットフォーム・伝送インフラなどのレイヤー構造に転換することとしている。
 コンテンツについては、現行の地上テレビ放送に対応するものは、これまで通りの規制を維持することとするが、それ以外の衛星放送・インターネット等については現行規制を緩和することとしている。現行の地上デジタル放送に関しこれまでの規制を維持すること及び、それ以外のものとの線引きがはっきりしていないことに関しては、今後議論がなされていくものと考えられている。
 伝送インフラについては、規律を一元化し、柔軟かつ自由な事業展開を加速することとしている。この関連で、無線局免許制度の見直しも行うこととしている。
 コンテンツと伝送インフラをつなぐ、プラットフォームについては、独立した規制として立法化する必要はないとしつつ、不当な差別的取り扱いの禁止などオープン性の確保については必要性を検討することとしている。
 また、事業者が、これらのレイヤーを超えて事業展開を進めることは原則自由となる。
 
   参考:http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/071206_2.html

3、グリーンITイニシャティブ会議の開催
 経済産業省は、12月6日甘利大臣主催により、電子、情報分野の産業界のトップを招いて、第1回「グリーンITイニシャティブ会議」を開催した。
 この会議は、地球温暖化問題対策を進める上で、ITの占める役割の大きさに鑑み開催されたものである。
 会議では、環境保護と経済成長が両立する社会を目指して、「ITの省エネ化」と「ITを利用した省エネ化」を進めるための枠組みについて議論した。
この会議では、産業界主導で「グリーンIT推進協議会」の設立が表明された。また、来年5月には国際シンポジウムの開催が予定されている。
 「グリーンIT推進協議会」は(社)電子技術産業協会(JEITA:会長は、町田シャープ会長)に設置され、来年1~2月に設立される予定である。協議会では、ロードマップの作成、IT・エレクトロニクス活用によるCO2削減の長期予想、新技術の導入等について議論することを予定している。

   参考:http://www.meti.go.jp/press/20071207005/20071207005.html

4、COP13・地球温暖化会議の結果
 気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)は、12月3日~15日の日程で、インドネシアのバリ島で開催された。
 この会議の成果としては、まず、2013年以降のポスト京都について、「バリ・ロードマップ」が採択されたことが挙げられる。バリ・ロードマップでは、2013年以降の枠組み等を議論する新たな検討の場が立ちあげられ、2009年までに作業を終えることが合意されたことが挙げられる。
 このロードマップの合意により、米国、中国、インドを含むすべての主要排出国が参加する交渉の場がもたれたことになる。これまで、京都議定書の削減義務のない米国、中国等も含めた議論の場が設けられたことは、今後の地球温暖化防止に向けて一歩踏み出したことになる。
 ただ、この会議での数値目標の合意には至らなかったこともあり、今後ポスト京都議定書に向けての作業は困難を極めることになるものと予想されている。

   参考:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kiko/cop13_gh.html

2.産業技術政策動向

■総合科学技術会議開催(12/25)
 第72回総合科学技術会議が12月25日に開催され、議事は以下のとおり。
  (1)平成20年度科学技術関係予算案について
  (2)科学技術振興調整費の配分の基本的考え方、iPS細胞等について
  (3)最近の科学技術の動向「最新発光ダイオードが照らす明るい未来」
    なお、配布された資料については、総合科学技術会議(第72回)議事次第参照
       http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu72/haihu-si72.html

■経済産業省の産業技術政策
 ○産業技術政策の概要(パンフレット)
  ―技術革新による強靭な経済発展基盤の構築に向けて―
http://www.meti.go.jp/policy/innovation_policy/main_01.files/pamphlet.pdf

 ○経済産業省の研究開発 「技術戦略マップ2007」
     http://www.meti.go.jp/policy/kenkyu_kaihatu/
  「技術戦略マップ2007」が平成19年4月に経済産業省から発表になっています。技術戦略マップは、新産業 を創造していくために必要な技術目標や製品・サービスの需要を創造するための方策を示したもの。

■NEDO産業技術政策関連
 ○NEDO海外レポート1013号 テーマ特集「省エネルギー特集」      2007.12.12
    http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1013/index.html

■第33回「井上春成(はるしげ)賞」の募集案内
 独立行政法人科学技術振興機構の「井上春成賞委員会」より、第33回井上春成賞の募集について、下記のとおり案内がありましたのでお知らせします。
                          記
  対象概要:大学、研究機関等の独創的な研究成果をもとに企業が開発し、企業化した優れた技術で、科学技術の発展に寄与し、経済の発展、福祉の向上に貢献したものについて、研究者と開発者を表彰する。
  賞または助成金:原則2件、受賞者に対して表彰状、ゴールドメダル、研究者に対して副賞各100万円(予定)
  ホームページ: http://www.sangakukan.jp/inouesho/
  募集期間:平成20年2月4日から3月31日まで(消印有効)
  応募・問合せ先:井上春成賞委員会
        独立行政法人科学技術振興機構内
        〒332-0012埼玉県川口市本町4-1-8 川口センタービル
        TEL:048-226-5601  FAX:048-226-5651
        事務局担当:大野澤、川島
        E-mail m5ohnosa@jst.go.jp




 

1 ロボット3団体賀詞交歓会のご案内

 (社)日本ロボット工業会、(財)製造科学技術センターおよび当センター合同の平成20年・新年賀詞交歓会が以下のとおり開催されます。
 連絡窓口担当者、運営委員会委員の方々には、既に出席予定者の調査依頼をお願いしております。また、賛助会員の代表者、理事、評議員の方々には個別にご案内申し上げてあります。
  年初ご多忙のことと存じますが、万障お繰り合わせの上ご来臨賜りますようご案内申し上げます。
     日 時 : 平成20年1月17日(木)
                 12:00~13:30
     場 所 : 虎ノ門パストラル 
                 新館1階 鳳凰の間 
                 Tel:03-3432-7261
     開催場所:http://www.pastoral.or.jp/access/index.php

2 MMC OB近況便り

 井上正巳(元:国際交流部長)氏の近況
 三菱電機の定年直前の2年間、マイクロマシンセンターに勤務していましたが、昨年から大阪工業大学情報科学部の嘱託となり、技術英語を週6コマ教えています。
 英語が専門でないので何を教えてよいのか迷いましたが、教材としてIEEEのWebページでのマイクロマシンやナノテクノロジーの記事、国際学会の発表論文、さらにIECのMEMS専門用語規格などを用い、実社会での技術英語の重要性を教えようと試みており、マイクロマシンセンターでの経験を大いに活用しています。学生には少し難しいようで、解り易い講義を目指し、授業の準備に追われる毎日を送っています。
 
 

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