財団法人マイクロマシンセンター

[No.2008-02] 2008年2月14日発行


ニ ュ ー ス 目 次  


  1 月尾嘉男先生BEANSを語る(1月17日)
  2 国際会議MEMS2008報告(1月13日~17日)
  3 第10回MEMS講習会の開催(1月21日)
  4 MemsONE本格バージョンリリース開始
  5 ロボット三団体合同賀詞交歓会の開催(1月17日)


  1 第14回マイクロ・ナノ先端技術交流会の開催案内(3月13日)
  2 「ナノテク2008」にMEMS関連プロジェクトを出展予定(2月13日~15日)
  3 第13回国際マイクロマシンサミットの開催案内(4月30日~5月3日)
  4 ハノーバメッセ2008への出展(4月21日~25日)
  5 マイクロナノ2008の開催案内(7月29日~8月1日)


  1 経済政策動向
  2 産業技術政策動向


  1 MMC・テクノサロンの開設
  2 第2回運営政策小委員会および第2回運営委員会の開催案内
  3 第3回評議員会および第2回通常理事会の開催案内
    
  
ニ ュ ー ス 本 文

 

1 月尾嘉男先生BEANSを語る(1月17日)

 東京大学名誉教授である月尾嘉男先生はITやナノテクというハイテクと環境とを融合させわかりやすく紹介することで「ITの伝道師」とも呼ばれています。去る1月17日(木)先生が出演されているTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ」で、月尾先生と森本毅郎さん、アシスタントの遠藤泰子さんのトークの形で約10分間BEANS(Bio Electro-mechanical Autonomous Nano Systems)の紹介がありました。
 ナノとバイオの融合が創る未来のデバイスであるBEANSはマイクロマシン、ナノテクの将来の姿で、人・生活・地球の環境に貢献するデバイスとしてわかりやすく説明されました。例えば、体内に埋め込むデバイスは血糖値を常時モニタし糖尿病治療に活躍する。エネルギーハーベスティングデバイスは超高感度センサの電源となり杉花粉の飛散情報を広い範囲で正確に提供できる。微生物を利用する二酸化炭素回収デバイスは、自動車や、家庭の給湯器から排出されるCO2を微生物の力で有機酸という再利用可能な物質に変換し地球環境に貢献する。というようにわかりやすく紹介されました。
 今年度から開始される予定のBEANSプロジェクトではこれら未来のデバイスを実現するために必要となるプロセス技術を開発するものです。

2 国際会議MEMS2008報告(1月13日~17日)

 MEMSに関する国際会議「21th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems(MEMS 2008)」が2008年1月13日(日)~17日(木)、ツーソン(米国アリゾナ州)JW Marriott Starr Pass Resort & Spaにて開催されました。 本学会は1987年の第1回に始まり、今年で21回目となります。

 会議参加者は事前登録者数650名(米州 321名、欧州/アフリカ 120名、アジア太平洋 209名)、で、690名となりました。併設展示会出展者も含めた総参加者数は、765名でした。米国での開催にも係わらずアジアからの参加者が目立ち、アジアにおけるMEMS市場への期待がうかがわれます。
投稿論文数778件に対して、採択された発表論文件数は266件と、神戸で開催された昨年の20回目(投稿論文数 611件、採択論分数 221件)に比して増えておりますが、採択率は34%と、依然として本学会が論文に対するオリジナリティーを求めているといえます。発表論文の内訳は、口頭発表42件、ポスター224件となっています。論文の地域別内訳では、投稿論文が、アジア 326件、北米 302件、欧州 148件で、発表論文は、アジア 108件、北米 107件、欧州 51件と、アジア勢の健闘が目立ちます。国別の発表論分数内訳は、開催地である米国が最も多く101件、続いて日本 62件、ドイツ 24件、台湾 17件、韓国 11件、中国 9件、スイス 9件、カナダ 5件の順番となっており、日本の研究水準の高さを示していると言えます。日本からの発表の内、東京大学からの発表が24件と突出して多く話題となりました。また、発表論文件数の所属は、大学・研究機関が95%と圧倒的に多く、企業からの発表は 4%に留まっております。企業からの発表は、前回6%、前々回が8%でしたので、この会議が、新規アイデアや基礎的な研究の情報発信の場であるという傾向が益々強くなっていることを示しています。発表スタイルは前回同様にシングルセッションの形式が行われ、午後と一部、午前の部でポスターによる発表がありました。
 会議初日冒頭に行われた招待講演では、Sensirion Inc. (スイス)のFelix Mayer氏が「CMOS BASED SENSORS: FROM A SAMPLE TO REAL PRODUCTS」と題して、同社のCMOS/MEMS集積化技術の実用化経緯について講演されました。この講演は、開発のみならず製品化の観点で示唆に富んだ内容であり、企業からの参加者には極めて興味深い講演でした。
 以下に本会議の地域別、国別発表件数の推移等のデータを示します。

 なお、MEMS 2008での詳細内容については当センターにて実施しています分野別動向調査にてまとめますので、こちらをご参照下さい。
 次回のMEMS 2009は、イタリアのソレントにて開催予定となっています。(開催日:2009年1月26-29日)

3 第10回MEMS講習会の開催(1月21日)

 ファンドリーサービス産業委員会(委員長:松下電工(株)富井和志氏)主催の第10回MEMS講習会「MEMS設計・加工技術と応用例」を、1月21日東北地方・仙台市(仙台市情報・産業プラザ)で、MEMSパークコンソーシアムの共催で開催しました。
 今回の内容は、「MEMSの集積・融合の進展と新産業創出への期待(立命館大学 杉山教授)」、「MEMS技術と応用の最新動向(東北大学 江刺教授)」の講演と委員会メンバーによる「MEMSファンドリー企業の技術と開発事例の紹介」、「ナノインプリントプロセス」、「MemsONEの紹介」の講演を行いました。東北から関西地方までの合計63名参加者で、満席の盛況でした。また、講習会後の技術相談会では皆様熱心に出展企業に質問されていました。
 また、講習会の終了後、別室においてファンドリーサービス産業委員会委員、講師の方々と参加者との懇談会を開催しましたが、こちらも大変盛況でした。ご協力有難う御座いました。

立命館大学・杉山教授の講演

東北大学・江刺教授の講演

会場風景

会員企業の講演

技術相談会

懇親会
   
   
参考:http://fsic.mmc.or.jp/seminar/

 

4 MemsONE本格バージョンリリース開始

 MEMS-ONEプロジェクトの成果であるMemsONEβ版は、平成19年6月中旬より頒布を開始し、同年12月で終了致しました。この間の頒布実績は、当初目標の「300ライセンス以上」を大幅にクリアする453ライセンスを達成することができました。この実績を法人種別で分類すると、企業159社302ライセンス、大学27校136ライセンス、研究機関等10機関15ライセンスとなっています(下図参照)。

 一方、β版をベースにNEDO技術開発機構より委託されたMemsONE普及事業成果の8割以上を反映し機能強化した商用「MemsONE Ver.1.0」を一般企業向けに本年2月よりリリースする運びとなりました。MemsONEには、一般企業向けの「エンタプライズ版」と大学・研究機関向けの「アカデミック版」の2体系が用意されており、エンタプライズ版にはプロフェッショナル版(実務用)とエントリー版(機能評価用)が、アカデミック版には研究版(研究用)と教室版(教育用)があります。なお、アカデミック版につきましては、プレ版を 3月中旬からリリースする予定です。
 今後は当センターとMemsONE開発を担当したみずほ情報総研株式会社、日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社、株式会社 数理システムは一層連携を強化して、MemsONEの更新および普及に努めていくこととしています。
 

5 ロボット三団体合同賀詞交歓会の開催(1月17日)

 1月17日(木)に(社)日本ロボット工業会、(財)製造科学技術センターおよび(財)マイクロマシンセンター合同の新年賀詞交歓会が虎ノ門パストラル新館1階「鳳凰の間」にて、410人出席のもと開催されました。
 平成21年の開催日は1月15日(木)で、同会場で開催する予定です



1 第14回マイクロ・ナノ先端技術交流会の開催案内

 マイクロマシンセンターでは、マイクロ・ナノ技術に関係している賛助会員企業・MEMS協議会企業メンバーの専門家を対象に、マイクロ・ナノ技術に関する各産業分野における先端技術への認識と理解を深めマイクロ・ナノ技術の普及啓発と産学の技術交流を図ることを目的として、年3回、「先端技術交流会」(勉強会)を実施しています。毎回、2名の先生を講師にお願いし、それぞれご講演をいただき、その後、講師の先生方と技術交流会参加者との懇談会を行います。
 第14回マイクロ・ナノ先端技術交流会は、九州大学の安達千波矢教授、東北大学の寒川誠二教授を講師にお迎えし、以下の内容で開催いたします。
  (1)開催日時:平成20年3月13日(木) 
           13:25~17:00 マイクロ・ナノ先端技術交流会
           17:15~19:00 交流会・懇談会
  (2)開催場所:MMCテクノサロン
  (3)内 容:
    ○講演①
      講師:九州大学未来化学創造センター光機能材料部門  安達千波矢 教授
      内容:有機半導体発光デバイスは、有機ELの成功を足がかりに大きな展開を迎えています。このことから「有機半導体発光デバイスの最前線-基礎から最前線まで-」と題して、有機半導体の特長、動作原理、デバイス化、最新デバイスについて解説いたします。
    ○講演②
      講師:東北大学流体科学研究所 流体融合研究センター  寒川誠二 教授
      内容:半導体デバイスの微細化はプラズマエッチング技術の進歩によって実現されてきたといっても過言ではありません。しかし、サブ32nm世代のデバイスにおいてはその損傷が大きな問題となっています。そこで、「プラズマエッチングの最前線とナノ加工」と題して、プラズマエッチング技術における現在の問題点と将来のサブ10nmを目指した技術開発について解説いたします。

 開催案内及び参加申し込み書は、賛助会員、MEMS協議会メンバーにお送りしますので、皆様のご参加をお願いいたします。
         参加費    賛助会員  2,000円/人
                  MEMS協議会メンバー  2,000円/人
                  (正メンバー、アソシエートメンバー、MEMSフェロー)
                  一  般      6,000円/人

2 「ナノテク2008」にMEMS関連プロジェクトを出展(平成20年2月13日~15日)

 ファインMEMSプロジェクト推進連絡会では、普及広報活動の一環として、国際ナノテクノロジー総合展(nano tech 2008)にプロジェクトの最新成果の一部を出展中です。多数のご来場をお待ちいたしております。
  開催日時:2008年2月13日(水)から15日(金)、10:00-17:00
  開催場所:東京ビッグサイト(東5ホール、N-18ブース「高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクト」
  出展者:東京大学下山研究室、(独)産業技術総合研究所バイオニクス研究センター、
       (独)産業技術総合研究所ナノカーボン研究センター、
       (独)産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門、株式会社フジクラ、松下電工株式会社、
       財団法人マイクロマシンセンター

  参考:http://www.ics-inc.co.jp/nanotech/

3 第14回国際マイクロマシンサミットの開催案内(4月30日~5月3日)

 第14回国際マイクロマシンサミットが平成20年4月30日(水)~5月3日(土)に韓国の太田(Daejeon,Korea)にて開催され、日本から代表団を派遣致します。
 マイクロマシンサミットは日本の提案により平成7年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで行われ、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、イスラエル、日本、韓国、シンガポール、インド、スイス、台湾、イギリス、米国、及び、ベネルクス、ノルディク、ラテンアメリカ、地中海沿岸地域の国々が参加し、各国のマイクロマシン/MEMSやナノテクの取組状況と課題、ならびに世界の産・学研究機関での最先端の研究成果等の発表がなされ、討議が行われます。
 第14回国際マイクロマシンサミットのメインテーマは、「 Micromachine towards Technology Convergence Era」で、①各国/地域のレビュー、②各国のMEMS/ナノテクの現状と施策、③MEMS/ナノテクの研究開発最前線、重要分野、マーケット予測、④MEMS/ナノテクの産業化、標準化、ファンダリー、商品化ロードマップ、⑤MEMS/ナノテクの強化、教育、訓練、⑥国際協力、6つのセッション構成です。
 なお、日本代表団は、東京大学大学院情報理工学系研究科長の下山勲教授を団長として、オリンパス㈱唐木幸一執行役員、三菱電機㈱久間和生常務執行役、マイクロマシンセンター青柳桂一専務理事、平野隆之技術顧問(サミット事務局)の他、オブザーバとして、オリンパス㈱、三菱電機㈱、みずほ情報総研㈱、パナソニック電工アジア・パシフィック㈱、MMC事務局から総勢11名です。

 参考:http://www.mmc.or.jp/kokusai/summit/

4 ハノーバメッセ2008への出展

 平成20年4月21日(月)から25日(金)までドイツ、ハノーバー市にて開催されるハノーバーメッセ、マイクロテクノロジーフェアにオムロン(株)、オリンパス(株)、松下電工(株)、及び三菱電機(株)、及び東京大学下山研究室のご協力を得てMEMS協議会として出展する予定です。「ハノーバー・メッセ」は世界最大の産業見本市といわれ、毎年世界65カ国以上から5,000社前後の出展社が参加し、20万人前後のビジター、3,000人の報道関係者が訪れます。今年は日本がメッセのパートナー国であり、日本企業も例年の倍の100社以上が出展し、日本からは政界、財界から多くの関係者が訪問される予定です。
 マイクロテクノロジーフェアはマイクロ・ナノテクノロジーの応用に関するトレードショーでMEMS協議会の海外アフィリエートであるiVAMが主催するもので、MEMS協議会の海外ビジネス交流活動としての一環として出展します。3年目の出展となる今年は、「MEMS協議会の活動」を国プロ推進、産業化支援、市場調査等のテーマ毎に各社様の協力を得紹介いたします。また、7月に開催予定の「マイクロナノ2008」のPRも行います。
 さらに、メッセ期間中にフェアと併せて開催されるフォーラムではJapan Dayが設けられ、出展各社、産総研の前田氏、高橋氏、関係機関、そしてMEMS協議会からプレゼンテーションする予定です。

5 マイクロナノ2008の開催案内

 (財)マイクロマシンセンターでは、毎年、マイクロナノ分野(マイクロマシン、MEMS等)の産業交流をより効果的に推進するため、マイクロナノ分野の最新技術動向、産業動向が一望でき、国内外からのマイクロナノ関連団体・企業の効率の良いビジネス交流の場を提供するために、展示会、カンファレンスを包含した総合イベント「マイクロナノ」を開催しています。
 今年の「マイクロナノ2008」は、平成20年7月29日(火)~8月1日(金)の4日間、東京ビッグサイト、東京ベイ有明ワシントンホテルにおいて、開催することで準備を進めています。
 ○展示会『第19回マイクロマシン/MEMS展』
    会期:7月30日(火)~8月1日(金)の3日間
    会場:東京ビッグサイト 西1~2ホール
    参考:http://www.micromachine.jp/index.html

 ○カンファレンス
   ①第14回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
     開催日:7月29日(火)
     会 場:東京ベイ有明ワシントンホテル「アイリス」
  ②ファインMEMSプロジェクト成果発表会 
     開催日:7月31日(木)
     会 場:マイクロマシン/MEMS展会場内 特設会場
  ③MEMSフォーラム
     開催日:8月1日(金)
     会 場:マイクロマシン/MEMS展会場内 特設会場





1.経済政策動向

■月例経済報告(1月18日)
 平成20年1月の月例経済報告では、景気の基調判断について「景気は、一部に弱さがみられるものの、回復している。」との判断。先行きについては、企業部門が底堅く推移し、景気回復が続くと期待される。一方、サブプライム住宅ローン問題を背景とするアメリカ経済の下振れリスクや金融資本市場の変動、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要がある。としている。
  ○月例経済報告関係資料
      http://www5.cao.go.jp/keizai3/2008/0118getsurei/main.html

■経済産業省の主な経済指標(2007年12月速報 2008年1月30日)
  経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたて統計調査を実施しており、それらの調査・分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。たとえば、12月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報のでは、
「生産は横ばい傾向」として
  ○今月は、生産、出荷が上昇、在庫が低下、在庫率は上昇であった。
  ○製造工業生産予測調査によると、1月、2月とも低下を予測している。
  ○総じてみれば、生産は横ばい傾向で推移している。
  と分析している。
     鉱工業指数: http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
    統計(新着情報): http://www.meti.go.jp/statistics/index.html

■平成20年度経済産業政策の重点
 経済産業省は、平成19年8月24日に平成20年度 経済産業政策の重点(平成20年度経済産業省概算要求の概要)を公表した。その中で平成20年度概算要求については、わが国経済の持続的な成長を図る上で、緊急に取り組むべき、「地域・中小企業の底上げ」、「安全・安心の確保と高信頼性産業群の創出」、「地球環境対策」に重点をおいて一般会計全体として1兆1,938億円を要求。又、エネルギー対策特別会計については、8,241億円を要求。としている。
     http://www.meti.go.jp/topic/data/070824-1.pdf

■平成20年度産業技術関連予算の概算要求概要
 経済産業省産業技術環境局は、上記経済産業政策の重点課題に対応した技術関連予算の要求概要を公表した。その中で、イノベーション創出メカニズムの改革につながるプロジェクトとして、「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発」16億円(一般会計)が新規に要求された。この技術開発は、イノベーション25を実現するための革新的未来デバイスとして期待されている。
     http://www.meti.go.jp/topic/data/070824-8.pdf

■平成20年度産業技術関連予算案の概要(12月24日公表)
経済産業省大臣官房会計課は、12月24日に平成20年度経済産業省予算案の概要について公表した。産業技術関連予算案のうち、「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発」12億円(要求は16億円)一般会計が新規に認められている。当該予算案は、年明けの通常国会に政府予算案として上程され、審議を経て3月末までに成立する予定。
     http://www.meti.go.jp/press/20071224001/20071224001.html

■イノベーション創出を取り巻く関連政策動向
1 総務省が次世代ネットワークの接続ルールの在り方を検討
  総務省は、情報通信審議会接続委員会を1月15日に開催し、「次世代ネットワークに係る接続ルールの在り方」の骨子案を説明した。これはNTTが3月からサービスを始める次世代ネットワーク(NGN)を念頭に置いたものである。
  指針案では、NGNに接続しようとする他の通信会社との関係で総務省が監視を強め、接続料等について総務省の認可制とすることを骨子としている。これは、光通信事業について、競争を促進することにより利用者の利便を確保するという観点から、NTTが不当にNGNの使用料金を他社向けに設定しないことを担保しようとするものである。また、指針案では、NTTが提供する「ひかり電話」網とこれを他の電話会社が利用する際の接続料についても、認可制とするとしている。
  また、同じく15日には、情報通信審議会電気通信作業部会に、NTT東及び西の両会社が光ファイバーを通信会社に貸し出す際の接続料の引き下げについて諮問した。光通信の接続料の改定について諮問するのは初めてである。審議会では3月に答申をする予定としている。

  参考:
    http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/iken/pdf/080115_1_si2.pdf
    http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/denki_bukai/pdf/080115_1_si1.pdf

2 福田総理のダボス会議で気候変動に関する特別講演
  世界経済フォーラム2008年次総会(通称ダボス会議)において、福田総理は1月26日に特別講演を行った。講演では、米国のサブプライム問題や石油価格の高騰などの世界経済の問題を取り上げたほか、気候変動に対する日本の取り組みについて大きく取り上げ、日本からの提案も多く行っている。
  主要な提案としては、
 ①ポスト京都議定書の枠組みに主要国全員が参加する仕組みを作ること
 ②国別総量目標を掲げること。目標設定に当たっては削減負担の公平さを確保すること
 ③エネルギー効率などをセクター別に割り出すこと
 ④公平さの観点から基準年も見直されるべきこと
 ⑤世界全体で2020年までに30%のエネルギー効率の改善を図ること
 ⑥国際環境協力の一環として我が国は100億ドル規模の資金メカニズムを構築すること
 ⑦環境・エネルギー分野の研究開発費として、今後5年間で300億ドル程度の資金を投入することを挙げている。
  福田総理は、今年の洞爺湖サミットに向けてこれらの課題について努力するとしている。

   参考:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/20/efuk_0126b.html

3 迷惑メール規制についての報告書まとまる
  経産省の産業構造審議会消費経済部会・特定商取引小委員会・迷惑メール規制に関する技術的論点WGは、1月18日に中間報告を取りまとめた。
  迷惑メールの規制については、平成14年の法律改正により、いわゆるオプトアウト規制が導入された。オプトアウト規制とは、事前に相手側から承諾・請求を得ずに発信するいわゆる未承諾メールについては、「未承諾メール」を件名の冒頭に付して送信することが義務付けられている。また、「広告メールを送信してほしくない」旨の返信があった場合には、メールを再度送信することが禁止されている。
  しかし、このような規制は守られておらず、実効性にきわめて疑問があるとの指摘がされていることから、今回の規制の強化についての中間報告がなされてものである。中間報告では、今までのオプトアウト規制のみならず、オプトイン規制も行うことが盛り込まれている。オプ トイン規制とは、消費者からの請求又は承諾に応じて広告をする場合のみ、広告メールの送信が認められることにするというものである。
  また、この規制を担保するため、迷惑メールの広告事業者に関する情報を金融機やプロバイダーから報告させる仕組みも新たに講じることとされている。
  今後、迷惑メールに関する特定商取引法の改正が行われた際には、本報告書の内容を実現していくことにしている。

  参考:http://www.meti.go.jp/press/20080118003/meiwaku-hontai.pdf

4 「知的財産分野におけるアフリカ支援」に関する会議が開催
  特許庁は、1月28日に「知的財産分野におけるアフリカ支援に関する会議」を開催した。政府間において、知的財産分野におけるアフリカとの協力について公式会議を開催するのは今回が初めてとなる。
  会議においては、平成20年度より新たにWIPO(世界知的所有権機関)への我が国からの任意拠出金を1.1億円増額し、アフリカに於ける知的財産人材育成のためのファンドを創出する件について議論した。
  会議では、同ファンドの推進に対しアフリカサイドも協力することとし、具体的には今後アフリカ各国からの提案を聴取し、アフリカとの連携によりファンドの具体化を図ることをについて合意をした。
  知的財産分野においては国際協力が不可欠であるが、我が国はこれまでのアジア・太平洋地域との協力に加えアフリカ諸国との協力についても体制を強化したことになる。

  参考:http://www.meti.go.jp/press/20080129001/01_mod.pdf

2.産業技術政策動向

■総合科学技術会議開催(2008/01/30)
 第73回総合科学技術会議が平成20年1月30日に開催され、議事は以下のとおり。
  (1)2008年の科学技術政策の重要課題
  (2)平成20年度科学技術関係予算案の概要
  (3)最近の科学技術の動向
    「民生部門における革新的なエネルギー利用による温暖化対策技術―超高効率ヒートポンプ―」
   なお、配布された資料については、総合科学技術会議(第73回)議事次第参照
     http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu73/haihu-si73.html

■経済産業省の産業技術政策
 ○産業技術政策の概要(パンフレット)
  ―技術革新による強靭な経済発展基盤の構築に向けて―
   http://www.meti.go.jp/policy/innovation_policy/main_01.files/pamphlet.pdf

 ○経済産業省の研究開発 「技術戦略マップ2007」
     http://www.meti.go.jp/policy/kenkyu_kaihatu/
   「技術戦略マップ2007」が平成19年4月に経済産業省から発表になっています。技術戦略マップは、新産業を創造していくために必要な技術目標や製品・サービスの需要を創造するための方策を示したもの。

■NEDO産業技術政策関連  
 ○NEDO海外レポート1015号 テーマ特集「燃料電池・水素」  2008.01.23
  http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1015/index.html

 ○NEDO海外レポート1014号 テーマ特集「ライフサイエンス・バイオテクノロジー」 2008.01.09      
     http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1014/index.html


■お知らせ
 第33回「井上春成(はるしげ)賞」の募集案内
  独立行政法人科学技術振興機構の「井上春成賞委員会」より、第33回井上春成賞の募集について、下記のとおり案内がありましたのでお知らせします。

                     記
 
  対象概要:大学、研究機関等の独創的な研究成果をもとに企業が開発し、企業化した優れた技術で、科
 学技術の発展に寄与し、経済の発展、福祉の向上に貢献したものについて、研究者と開発者を表彰する。
  賞または助成金:原則2件、受賞者に対して表彰状、ゴールドメダル、研究者に対して副賞各100万円(予定)
   ホームページ: http://www.sangakukan.jp/inouesho/
   募集期間:平成20年2月4日から3月31日まで(消印有効)
   応募・問合せ先:井上春成賞委員会
        独立行政法人科学技術振興機構内
        〒332-0012埼玉県川口市本町4-1-8 川口センタービル
        TEL:048-226-5601  FAX:048-226-5651
        事務局担当:大野澤、川島
        E-mail m5ohnosa@jst.go.jp




1 MMC・テクノサロンの開設

 当センターは、新しい事業を展開する上で現在の事務室スペースが手狭となったため、新たに近くの柴田ビル3階(32坪/105.786㎡)を借上げて会議室を確保致しました。この会議室名は、「MMCテクノサロン」と称して、会議専用のスペースとしました。通常は30名程度の会議が可能なようにセットされていますが、スクール形式にテーブルを置き換えれば40名程度の会議が可能となります。会議室の環境は、これまでのセンター内に設置されていた会議室と同等の環境で、コピー機や無線LANも設置されます。その他、喫煙スペースや自販機も設置して、会議に出席された方々が利用しやすい環境を整えることとしました。
 1月30日(水)に第7回BEANS調査研究検討会が、この「MMCテクノサロン」で行われましたが、事実上「MMCテクノサロン」のオープンの日となりました。今後は、この会議室を当センターのメイン会議室として整備し使用してゆく予定です。また、センター内にも20名弱の会議が可能な小会議室を設置しておりますので、小人数の会議はここで開催可能です。
  「MMCテクノサロン」の場所 http://www.mmc.or.jp/gaiyou/map/
    所在地:千代田区神田佐久間河岸71-3
               (MMCから神田川沿い徒歩1分)

2 第2回運営政策小委員会および第2回運営委員会の開催案内

 来年度の事業・研究テーマに関して、下記委員会が3月24日(月)に開催されます。
        記
 第2回運営政策小委員会
   議題 (1)今後のセンターの主な事業活動について
        ・ファインMEMSプロジェクトについて
        ・BEANSプロジェクトについて
        ・MemsONE普及状況について
        ・総合イベント「マイクロナノ2008」について
       (2)センターの組織・体制について
       (3)その他

 第2回運営委員会
   議題 (1) 平成20年度事業計画について
       (2) 平成20年度収支予算について
       (3) 平成20年度借入金限度額について
       (4) 平成20年度委員会構成について
       (5) センターの役員在任年齢規程等の制定及び一部改正について
       (6) 平成19年度事業の実施状況について
       (7) 任期満了に伴う役員及び評議員の改選について
       (8) 賛助会員の入会について
       (9) その他
 

3 第3回評議員会および第2回通常理事会の開催案内

 3月24日(月)に開催されます第2回運営委員会で審議された議題について、3月28日(金)に開催予定の第3回評議員会、第2回通常理事会に諮られ、承認されますと平成20年度の事業が4月1日からスタートいたします。
 
 

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