1 MEMSモールの開設
マイクロマシンセンターでは、2008年10月1日より、ホームページ上に種々企業のMEMS技術、製品を紹介するMEMSモールを開設いたしました。(http://www.mmc.or.jp/mall/)
MEMS分野の活動紹介や新商品・新技術紹介を行うものであり、MEMSデバイス、ファンドリー、製造装置等の新商品や新技術カタログを紹介するもので、MEMSビジネス活性化を支援することを目的とし、将来的にはMEMSビジネスポータルサイト化を目指します。
従来、MEMS製品の情報を収集するには、各企業のホームページを個別にアクセスする必要がありました。MEMSモールの開設により、MEMS製品情報を全体的に収集する方法として、当センターが主催するマイクロマシン/MEMS展への来場とともに、インターネットに利用する方法が利用できることとなります。
MEMSモールの開設により、ユーザーがいつでも必要なときに、何処からでもMEMS関連製品・サービスの情報入手が容易に可能となり、マイクロマシン・MEMS関連産業の振興推進に役立つと期待しています。
当面、当センターのMEMS協議会に参加するメンバー企業のMEMS事業、技術、
製品を紹介しますが、将来的には参加企業の範囲を拡大し、MEMS製品全体の情報収集
が可能なバーチャルモールとして展開も検討しています。
2 LifeBEANS九州センターオープン
BEANSプロジェクト拠点の一つで、バイオ・有機材料融合プロセス技術の開発の中で有機材料を主に担当するLife BEANSセンター九州(センター長、安達千波矢九州大学教授)にて、9月29日(月)プロジェクトのキックオフの会合が開催されました。当日はキックオフの前半に、遊佐プロジェクトリーダーはじめ、BEANS研究所本部関係者とLife BEANSセンター九州関係者が参加し、東京大学駒場リサーチキャンパスを拠点とするLife BEANSセンター、及び3D BEANSセンターのメンバーとの合同会議を、TV会議により実施し、各拠点の研究開発の状況報告を行いました。また、後半には経済産業省、NEDO技術開発機構からの来賓をお招きし、野間口有MMC理事長の他、松下電工(株)(10月よりパナソニック電工(株))、リンテック(株)、三菱電機(株)からのプロジェクト関係者も加え、拠点の母体でもある未来化学創造センター(センター長、山田淳九州大学教授)の紹介、及びLife BEANSセンター九州の紹介、並びに実験室の見学を行いました。
Life BEANセンター九州には、現在パナソニック電工(株)、及びリンテック(株)から出向研究員、交流研究員、及び九州大学、九州工業大学からの研究員、インターンシップを含め総勢14名が有機半導体材料による、ナノ界面融合プロセス、バイオ・有機高次構造形成プロセスを担当し、将来の革新的エネルギーハーベスティングデバイス等に応用できるプロセス技術開発を推進しています。
Life BEANSセンター九州実験設備
3 第1回BEANSセミナーの開催
フィンランドの国立研究機関であるVTT(フィンランド技術研究センター)のMEMSプロセス研究のリーダーであるHannu
Kattelus博士の来日を期に、去る9月26日(金)に拠点である東京大学駒場リサーチキャンパス内Life
BEANS/3D BEANSセンターで第1回のBEANSセミナーを開催しました。
Hannu Kattelus博士からはVTTの概要の後、ヘルシンキ工科大学との共用ファブ“MICRONOVA”におけるのMEMS開発と、以下のVTTのMEMS研究開発の紹介がありました。
・SOI、サーフェスマイクロマシニング
・ALD(アトミック・レイア・デポジション)、及び電子線リソグラフィー
BEANSセミナーの様子 |
・超薄膜によるナノデバイス
・センサ、及びトランスデューサ
・MEMS・半導体集積
・MEMS磁気センサ
・ボンディング、及びソルダーバンプ
・RF MEMS、レゾネーター
・ウェハレベルパッケージング
さらに、欧州の研究機関CEA-LETI、CSEM、Fraunhoferと連携して進めている“Heterogeneous
Technology Alliance(異分野技術連携体)”による異分野融合による次世代デバイス開発への取り組みの概要紹介がありました。
一方、BEANS研究所からは、BEANSプロジェクトの概要について、安達が紹介し、その後活発な技術ディスカッションが行われました。
最後に、東京大学生産技術研究所に拠点を置く、Life BEANSセンター、3D BEANSセンターの見学を実施しました。
今後も、海外を中心にBEANSに関連する著名な研究者の来日を活用し、セミナーを継続的に行う予定です。
4 MNE2008報告
34th International Conference on Micro and Nano Engineering (MNE2008)が2008年9月15日(月)~18日(木)までの4日間の日程でギリシャ・アテネのアテネ・ヒルトン・ホテルで開催されました
(http://www.mne08.org/).「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト(BEANSプロジェクト)」における知識データベース整備に係る最新MEMS関連製造技術知識情報収集調査を行うことを目的として本会議へ参加しました.
MNEはマイクロ/ナノ・ファブリケーションに関する国際会議であり,特にリソグラフィおよびナノ・マイクロ・パターニング技術とその応用技術として,ナノエレクトロニクス,MEMS,BioMEMS等を中心に議論されます.また,MNEは米国のEIPBN(the International Conference on Electron-, Ion- and Photon- Beam Technology and Nanofabrication)と日本の応用物理学会が主催するMNC(the International Conference on Microprocesses and Nanotechnology)の両会議と強く連携する国際会議でもあります.
アブストラクト投稿数は41カ国674件であり,講演はPlenary7件,Invited13件,Oralが92件,Poster451件が採択されました.地域別では欧州が397件,アジアが242件,アメリカが47件,オセアニアが6件であり,欧州が多いのは当然としても,アジアからの投稿が全体の36%を占めていました.対して参加者数はオープニング時点全体で631名,その内日本からの参加者が一番多く75名,ドイツ71名,米国52名の順でした.併せて36の企業,機関が出展する展示会が催されました.
Oralの講演内容では,BEANSプロジェクトに関連するセッションとして,Protein
Patterning(5件),MEMS 3セッション15件,Microfluidics 3セッション15件あり,応用技術の講演として多くの割合を占めていることが判ります.大面積加工関連ではTechnical
University of DenmarkのProf. A. Vig LarsenらとフィンランドのVTTとの共著でRoll
to Roll熱ナノインプリントによるマイクロ・フルイディクス構造作製についての報告の他にも多くの大面積パターニング技術報告があり,大面積化技術の実用化が期待されます.
ポスター発表を含めた講演全体では昨年度の同会議よりナノインプリント・リソグラフィ技術およびその応用によるMEMS,デバイス構造作製に関する講演が非常に増加したことが印象に残りました.
本会議への参加により,最新のマイクロ・ナノ・パターニング技術を中心としたデバイス製造技術情報の収集を行うことができました.最後に本会議ではマイクロ・ナノ構造写真のコンテスト(Micro
& Nano Graph Contest:http://www.mne08.org/?page=micro1)があることも付け加えておきます.来年度はベルギーのGhentで9/29-10/1に開催される予定です.
会議会場(アテネ・ヒルトンホテル) |
会場内風景 |
5 ファインMEMSシステム化設計プラットフォームに研究会が発足
ファインMEMSプロジェクトも今年度最終年度となりその成果が出始めておりますが、マイクロマシンセンターでは研究課題の一つとして「MEMSファインMEMSシステム化設計プラットフォーム研究開発」を進めています。その中ではMEMSを完全な電気回路として表現し周辺回路を含めてシステム全体として取り組むことを視点とした新たな設計手法が確立されつつあり、開発リーダである静岡大学橋口教授、開発メンバの京都大学土屋准教授の発案で、この考え方をベースとした設計手法を議論する場を作ろうということで、「電気等価回路から考えるMEMS設計手法研究会」(仮称)を日本機械学会マイクロナノ専門委員会で発足することとなりました。
MEMSと電気回路の集積化や多種類のMEMSの組合せによる集積化に関する研究開発が活発化し、そのような製品に関する成功事例も出現してきておりますが、これらはMEMSを構成する機械要素に主眼においた前述の設計手法によるものが大部分です。そのような中で、MEMSと電気回路や多種のMEMSの組合せなどはその集積度が増すにつれ、機械要素の積み上げとしてだけではなく、システム全体として電気等価回路を用いたアプローチなどの新しい設計手法が、開発の精緻化、効率化を考えた上で大変重要になっており、一部の研究者のなかで研究されてはじめています。MEMSを機械要素としてだけでなく、電気回路技術者から積極的な取り組みが可能になる効果も期待できます。本研究会はこのような状況を踏まえ、特に電気回路からみたシステムとしての設計手法について関心を持つ研究者・技術者の方々が一堂に集結し議論する場として開催するものです。
第一回は、11月下旬東大本郷キャンパスで開催を予定しております。詳しくは、別途発表される予定ですので、ご期待下さい。
6 第25回センサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウムへの展示
電気学会センサ・マイクロマシン部門主催の第25回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムが10/22(水)~24(金)に沖縄コンベンションセンターにて開催されます。本シンポジウムはセンサ、マイクロマシンおよび応用システムの分野に輪を広げ、学際的な領域にあるセンサ・マイクロマシン技術のさらなる発展を目標に毎年開催されております。本年は25回を記念し、日本機械学会マイクロナノ工学専門会議との合同セッションや海外の研究者を招いての国際セッションなど新しい試みも計画されています。さらに、現在MMCで精力的に研究開発を実施しているBEANS(Bio
Electromechanical Autonomous Nano Systems)も2セッション設けられています。また、併設される技術展示会にMMCのBEANS研究所およびMemsONEサポートセンターより出展し、BEANSプロジェクトならびにMemsONEソフトの普及、啓蒙を図ります。
1 MEMS協議会・交流会の開催案内(10月29日)
MEMS協議会は、(財)マイクロマシンセンターの特別事業委員会として、MEMS関連企業の構成メンバーを中心に、マイクロナノ・MEMSに係わる大学研究室、地域拠点、海外機関等と連携しつつ、行政、関係機関への政策提言活動や、産業交流・活性化のための諸々の活動を推進しています。
来る10月29日(水)、平成20年度第2回MEMS協議会推進委員会が、行政、関係機関との意見交換を行う「MEMS懇話会」を兼ねて開催されることになっており、この機会に、推進委員会終了後、MEMS協議会の諸活動の理解を深め、併せてMEMS協議会メンバーの相互交流が出来る場として、『MEMS協議会メンバー交流会』を開催いたします。
MEMS協議会メンバー交流会(立食形式)
・開催日時:平成20年10月29日(水) 17:15~19:00
・場 所:商工会館7階 B・C会議室)
東京都千代田区霞ヶ関3-4-2
Tel:03-3581-1634
・参加予定:MEMS協議会企業メンバー(正メンバー、アソシエートメンバー)
MEMS協議会フェロー
MEMS協議会アドバイザー
経済産業省
NEDO技術開発機構
開催については改めてご案内いたしますが、是非ともご参加いただきたく、よろしくお願いいたします。
2 第16回マイクロナノ先端技術交流会の開催案内(11月7日)
(財)マイクロマシンセンターでは、MEMS協議会の産学連携事業の一環として、賛助会員企業の専門家を対象に、マイクロナノ技術に関する各産業分野における先端技術への認識と理解を深め、マイクロナノ技術の普及啓発と産学の技術交流を図ることを目的として、「マイクロナノ先端技術交流会」を実施しています。
第16回のマイクロナノ先端技術交流会は、東京大学生産技術研究所 年吉洋准教授、東北大学大学院医工学研究科 芳賀洋一教授をお招きし、下記のとおり開催します。
○開催日時:平成20年11月7日(金)
○会場:マイクロマシンセンター「MMCテクノサロン」
○プログラム:
13:25~13:30 主催者挨拶(MMC 青柳専務理事)
13:30~15:10 講演①
講師:東京大学 生産技術研究所 マイクロメカトロニクス国際研究センター
准教授 年吉 洋 先生
講演題目:「光MEMS技術の通信・ディスプレィ・医療応用」
講演概要:MEMS光スキャナの光ファイバ内視鏡応用や、レーザー画像ディスプレィ応用、また、ロール・ツー・ロール印刷技術による電子サイネージへの取り組みについて報告する。
15:10~15:20 休憩
15:20~17:00 講演②
講師:東北大学大学院 医工学研究科
教授 芳賀洋一 先生
講演題目:「マイクロシステムを用いた低侵襲医療機器開発」
講演概要:内視鏡やカテーテルなどを用い患者に負担をかけない検査・治療が行われている。MEMSをはじめとした微細加工技術を活用し、小さくとも高機能な新しい低侵襲医療機器の開発について報告する。
17:00~17:10 休憩
17:10~19:00 技術相談及び交流会(立食形式)
(会場:MMC本部会議室)
開催案内については、MEMS協議会ホームページやマイクロナノExpressにてご案内しますので、皆様のご参加をお願いいたします。
3 マイクロナノ2009の開催案内(2009年7月29日~31日)
来年の「マイクロナノ2009」は、平成21年7月29日(水)~7月31日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催することで準備を進めています。
来年は、MEMS、ナノテク、超精密・微細加工、バイオに関する国際展示会である「マイクロマシン/MEMS展」が第20回目を迎える節目にあたり、マイクロナノ/MEMS分野の最新技術・製品が効果的に一望できる総合イベント「マイクロナノ2009」として、展示会ではマイクロナノ/MEMS分野の産業展開をよりビジュアルに表した特別展示や、展示会場内に設けた特設会場においては、マイクロナノ/MEMS分野の国内外先端技術動向や海外の産業化動向の他、「マイクロマシン/MEMS展」の20周年を記念した特別プログラムなど、多彩なプログラムを計画しています。
マイクロナノ/MEMS分野の技術・製品が効果的に一望できる総合イベント「マイクロナノ2009」をご期待下さい。
なお、「第20回マイクロマシン/MEMS展」の出展募集は、オーガナイザーであるメサゴ・メッセフランクフルト㈱から、近々行われます。(10月下旬ごろ)
○展示会
『第20回マイクロマシン/MEMS展』
(MEMS、ナノテク、超精密・微細加工、バイオに関する国際展示会)
会期:7月29日(水)~7月31日(金)の3日間
会場:東京ビッグサイト 東5&6ホール
○シンポジウム・カンファレンス(予定):
会場はいずれも『第20回マイクロマシン/MEMS展』展示会場内特設会場を予定。
①第15回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
②BEANSプロジェクト中間成果発表会
③MEMSフォーラム(MEMS協議会からの情報発信)
④日独マイクロナノ・ビジネスフォーラム
⑤MEMS the World Workshop (MEMS協議会海外アフィリエート・ワークショップ)
1.経済政策動向
■月例経済報告(9月19日)
9月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、このところ弱含んでいる。先行きについては、当面、弱い動きが続くとみられる。ただし、アメリカにおける金融不安の高まりや株式・為替市場の変動などから、景気がさらに下振れするリスクが存在することに留意する必要がある。」としています。
○ 月例経済報告関係資料
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2008/0919getsurei/main.pdf
■経済産業省の主な経済指標(2008年8月速報 2008年9月30日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査・分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。8月の鉱工業生産・出荷・在庫指数速報では、生産は前月比▲3.5%の低下と2か月ぶりの低下(前年同月比は▲6.9%の低下)となり、指数水準は104.5(季節調整済)。生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、電気機械工業等。品目別にみると、普通乗用車、駆動伝導・操縦装置部品、半導体製造装置の順に低下に寄与しているとしています。また、出荷は、前月比▲3.8の低下と2か月ぶりの低下(前年同月比は▲6.9%の低下)、指数水準は104.8(季節調整済)。出荷の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業(除.医薬品)等であったとしています。在庫については、前月比▲0.2%の低下と2か月連続の低下(前年同月比は1.8%の上昇)となり、指数水準は105.6(季節調整済)。在庫の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業等であったとしています。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/h2a1080j.html
鉱工業指数
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-2.html
2.産業技術政策動向
■総合科学会議の動向
総合科学技術会議は、基本政策推進専門調査会 分野別推進総合PT ナノテクノロジー・材料分野PTを8月19日に開催しました。配付資料と議事録は以下の通りです。
配付資料
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/bunyabetu2006/nano/8kai/haihu8.html
議事録
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/bunyabetu2006/nano/8kai/giji8.pdf
■平成20年度産業技術関連予算の概要(3月28日成立)
経済産業省の産業技術予算のうち、「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発」については、一般会計で12億円(要求は16億円)が認められています。
http://www.meti.go.jp/press/20071224001/05_sangi.pdf
■イノベーションを取り巻く関連政策動向
1 「カーボンフットプリント」制度の指針案がまとまる
8月20日、経済産業省の「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」の検討会において、カーボンフットプリント制度の仕組みに関する指針案が提示されました。
カーボンフットプリント(炭素の足跡)とは、商品のライフサイクル全般(資源採掘から廃棄まで)で排出された温室効果ガスをCO2量で表示したものである。この量をスーパーなどの商品に表示することにより、消費者が排出量を見比べながら商品を選べるようになります。
経済産業省は、カーボンフットプリント制度の実用化・普及のための研究会を本年6月に立ち上げ、年度末に制度の在り方に関する報告書をまとめることとしています。
8月2日に開催された研究会の下の第2回のルール検討会では、制度の仕組みに関する指針案が提示され、9月26日に開催される次回の検討会において指針案を取りまとめることになっています。
指針案によると、商品の原材料調達、生産、流通・販売、使用・維持管理、廃棄・リサイクルの5段階においてCO2の排出量を算定し、この値を商品に明記することになっている。また、この値の表示についても共通のマークを使用することとしています。
参考:http://www.meti.go.jp/press/20080617007/20080617007.pdf
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g80911a07j.pdf
2 「新経済成長戦略のフォローアップと改定」を閣議決定
9月19日に、2006年に策定した「新経済成長戦略」の改定が閣議決定されました。今回の改定とフォローアップは、2006年に決定された戦略についてこれまでの取り組みを検証し、また、現在の資源価格の高騰等の構造変化を踏まえ新たな成長への道筋を示したものです。
2006年の戦略の策定時からの最大の環境変化は、資源高に伴う交易条件の悪化で、このような状況を踏まえ、①「資源生産性」の抜本的向上に集中投資する②製品・サービスの高付加価値化に向けてイノベーションの仕組みを強化し、世界市場を獲得するという2つの基本戦略が定められました。
以上の2つの基本戦略をベースとして、①「資源生産性競争」時代における経済産業構造の構築②世界市場獲得のための戦略の再構築③地域・中小企業・農林水産業・サービスの未来志向の活性化の3つの柱で戦略を強化するとしています。
具体的な政策としては、省エネ対策としての設備投資減税、太陽光発電の設置支援、コンテナターミナルの24時間対応、輸出促進等が挙げられています。
参考:http://www.meti.go.jp/press/20080919003/20080919003-2-1.pdf
3 日・ベトナム間、日・スイス間のEPAの大筋合意
9月下旬に日ベトナム経済連携協定及び日スイス自由貿易・経済連携協定が大筋において合意されました。特に日ベトナム経済連携協定は、ベトナムにとって初のEPA(経済連携協定 :Economic Partnership Agreement)となります。
ベトナムとの交渉妥結によって、ASEANとのEPA交渉は一応の区切りがついたことになり、今後は、本年中にも発効する日アセアン包括経済連携等をもとにいわゆる東アジアEPA(CEPEA:Comprehensive Economic Partnership in East Asia)の実現に向けて取り組むことになります。CEPEAはアセアン+3(日本、中国、韓国)のほかにインド、オーストラリア、ニュージーランドを加えた16カ国の経済権を目指す我が国が提案しているEPAです。
また、日スイスEPAは我が国にとって初の欧米先進国とのEPAであり、日本とEUとの経済統合協定の実現の足がかりになるものとして期待されています。
参考:http://www.meti.go.jp/press/20080929007/20080929007-1.pdf
http://www.meti.go.jp/press/20080929006/20080929006-1.pdf
4 特許庁、スーパー早期審査の試行開始
特許庁は、現行の早期審査よりも更に早期に審査を行うスーパー早期審査制度を創設し、この10月から試行を開始しました。
審査期間については、早期の実用化を目指す発明やライフサイクルが短い発明のように早期の審査を望むものもあれば、事業化までに長い時間を要する発明や国際標準の策定に密接に関係する発明など早期の審査を望まないものなどニーズは様々である。このような状況の下においては出願人のニーズに柔軟に対応することが求められているが、今回の試行は一層の迅速化に対応するものです。
今回のスーパー早期審査は、実施関連出願に該当するもので、かつ外国関連出願にも該当するものを対象とし、特定の技術分野に限定はしていません。現行の早期審査では、申し立てから2次審査までの期間は平均5.9か月であるが、スーパー早期審査ではこれを3か月に短縮することを目指しています。なお、審査手続きの一部に書面による手続きが存在する場合やPCT国内移行案件については、この制度の開始時点ではスーパー早期審査の対象外とされています。
参考:http://www.meti.go.jp/press/20080924002/20080924002.pdf
■NEDO産業技術政策関連
○NEDO海外レポート
1030号 - 平成20年10月15日 地球温暖化特集
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1030/index.html
1029号 - 平成20年9月17日 燃料電池・水素特集
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1029/index.html
1028号 - 平成20年9月3日 環境特集(化学物質管理・水処理・廃棄物処理など)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1028/index.html
1027号 - 平成20年8月13日 電子・情報通信技術特集
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/index.html
1 BEANSブログの開設
BEANS研究所では、「BEANS成長ものがたり」
http://beanspj.cocolog-nifty.com/blog/
というブログを開設しました。皆様の投稿をお待ちしています。このブログは皆様の投稿によって、読んでおもしろく、かつ、仕事で疲れた時のオアシス的な存在のブログになればと期待しています。特にBEANSプロジェクト関係者の皆様には積極的な投稿をお願いします。まずは、「BEANS成長ものがたり」をご覧ください。
2 NEDOの人事異動(関係先)
平成20年9月30日付
(氏名) (新) (旧)
浅海 一志 株式会社デンソー 機械システム技術開発部主査
平成20年10月1日付
犬塚 肇 機械システム技術開発部主査 株式会社デンソー
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