1 MemsONE実習講座の開催状況
東京におけるMemsONE実習講座は11月11日の第6回をもって今年度の予定を終了致しましたが、ユーザの要望により、全4コース(基本Aコース、基本Bコース、機構解析コース、プロセス解析コース)の内、基本Aコース、機構解析コース、プロセス解析コースの3コースを追加開催することに致しました。基本Aコースは12月1日に、機構解析コースは12月2日に開催し、計6名の受講者がありました。残りのプロセス解析コースは来年1月26日に開催を予定しております。
一方、大阪においては各コース1回づつの計6回を計画し、12月5日の機構解析コースの開催をもって今年度の全日程を終了致しました。この最終コースには2名の受講者がありました。
本実習講座ではコース毎にアンケートを実施しており、来年度はこのアンケート結果を反映したユーザの方々により効果的な実習講座を実施していきます。また、講座の内容のみならず、受講料等においても、ユーザの方々が受講し易いものとなる様、努力して参りますので、ご期待下さい。
2 最近のセンターホームページの情報提供機能の強化等について
当センターではホームページを通じて各種ご案内、情報提供の強化・充実につとめていますが、最近の状況についてご紹介します。
http://www.mmc.or.jp/
■BEANSプロジェクト(異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト)のホームページサイト(本格版)の運用を開始しました。プロジェクト概要、研究実施体制、推進研究テーマ、研究成果などの情報を迅速に提供していきます。
http://www.beanspj.org/
なお、BEANSプロジェクトのブログ「BEANS成長物語」も用意しています。併せてご覧ください。
http://beanspj.cocolog-nifty.com/blog/
■広報誌「マイクロナノ(旧名マイクロマシン)」のバックナンバーを35号(2001年4月)まで遡って取りそろえました。マイクロマシン技術プロジェクト終了後の当センターの歩みがわかります。Googleカスタム検索もこのページに設定しましたので、自由キーワードでpdf形式の広報誌バックナンバー記事を検索することが出来るようになりました。
http://www.mmc.or.jp/info/magazine/
■MMC-MIFニュースのバックナンバーも平成18年4月号以降取りそろえています。
http://www.mmc.or.jp/info/monthly/
ニュースのバックナンバーに対しても、Googleカスタム検索を設定しましたので、必要なキーワードで適宜検索が出来るようになりました。
■賛助会員のページでは、賛助会員向けにマイクロナノデータベース(文献検索システム、内外技術動向調査レポート、、各種ディレクトリー等)や、MMCニュースバックナンバー、センター各種委員会活動状況などの情報を随時更新して提供しています。ただし具体的なご利用にはユーザーIDおよびパスワードの入力が必要となります。
http://www.mmc.or.jp/member_menu/
■この中で、雑誌、新聞等をソースとして年8回程度発行のマイクロナノ分野の文献抄録(マイクロナノインデックス)は、データベース化され文献検索システムとしてご利用いただいておりますが、このたびマイクロナノインデックスの各号(2005年97号以降最新号まで)を直接ダウンロード出来るようにもいたしました。文献検索システムと併せてご利用下さい。
3 カリフォルニア大学バークレイ校 BSAC 東京シンポジウム報告
―― UC Berkeley Tokyo MEMS/NEMS Symposium ――
MEMS協議会の海外アフィリエートで、世界のMEMS研究開発をリードするカリフォルニア大学バークレイ校BSACのシンポジウムが12月10日(水)天王洲アイル、天王洲セントラルタワーで開催されました。このシンポジウムはBSACが研究開発活動を日本企業向けに紹介するために行っており、先月のニュースで紹介しましたように、MEMS協議会会員企業からの参加者は参加費の割引を受けることができました。参加者は約50名その内約10名が協議会関係の参加者でした。
以下、簡単に講演概要を紹介します。
Prof. Liwei Lin
◆MEMS Microenergy Generation & Storage
エネルギーハーベスティングデバイスの研究動向をバッテリー、燃料電池、マイクロガスタービン、熱電発電、太陽電池、振動発電、人体発電について広範に紹介。BSACでの取り組みとして、ロータリーエンジン、マイクロロボット用太陽電池、使い捨てマイクロバッテリー、MEMS光合成燃料電池、バイオマスパワーハーベスティング、プラスティックエネルギハーベスティングを紹介。
Prof. David A. Horsley
◆Single Crystal PMN-PT: A New Piezoelectric Material for MEMS
新しいMEMS用圧電材料としての単結晶PMN-PTと、そのSOIプロセスへの適用について紹介。
Prof. David A. Horsley
◆MEMS Color Display Technology Based on Nanoimprint Lithography
ナノインプリントリソグラフィーのMEMSカラーディスプレイへの応用研究の紹介。カラーフィルタリングとモジュレーションについてコンセプトモデルを開発。光学特性の改善に効果があることを証明。
Prof. Albert P. Pisano
◆ Harsh Environment Wireless
将来予測される種々の燃料に対応できる内燃機関を実現するために必要となる、エンジン内の温度、圧力、爆発時の炎の速度を計測できるセンサの研究動向。発電用ガスタービンのブレード表面の加速度、温度、酸素センサ、及びワイヤレス伝送向けのSiC、AlNのプロセス開発が重要。
Prof. Ming C. Wu
◆ Optofluidics and _Optoelectronic Tweezers
光流体、及び光電を利用したピンセットによる細胞のマニュピレーション研究の紹介。
◆ MEMS and the "CITRIS" Research Vision.
SACとCITRIS(社会の興味とIT分野の研究の融合をねらう)の協同推進によるプロジェクト紹介。スマートダスト、
Junji Adachi
◆From MEMS to BEANS: Industry-Academia-Government, Tri Helix Development Efforts
産官学が連携して進めるMEMSの産業開発におけるMEMS協議会の役割、及びMEMA技術開発動向をファインMEMS、BEANSの2つのプロジェクトを例に紹介。
Eri Takahashi
◆PowerMEMS in the US: A Survey
DARPAが実施してきたPowerMEMS分野の取り組みを紹介。
Hirotaka Sato
◆BioRobotics: Insect Flight Control by a Neural Stimulator
カブト虫に電極埋込み、その飛翔をコントロールする研究の紹介。飛翔の開始停止、飛翔高度、左右の旋回をコントロールできる。
また、シンポジウムの休憩時間、及びシンポジウム終了後の懇親会ろ利用し、情報交換や人脈作りが積極的に行われました。
MESM協議会では、今後とも海外アフィリエートと協力し、このような情報交換の場を設けていきますのでぜひご活用いただきますようお願いします。
4 「第1回電気等価回路から考えるMEMS設計手法研究会」に多くのMEMS研究者集う
電気等価回路から考えるMEMS設計手法研究会は静岡大学橋口教授、京都大学土屋准教授が、ファインMEMSプロジェクトの研究開発課題の一つファインMEMSシステム化設計プラットフォーム研究開発に従事する中で、このMEMS設計手法の重要性について広く議論する場が必要だろうとして、日本機械学会マイクロナノ専門会議の主催することとなり、2008年10月より発足、さらに電気学会としても電気学会調査専門委員会として取り組むことになりました。先月のMMC/MIFニュースでお知らせしましたが、その第一回が東京大学工学部8号館83講義室で14:00から開催されました。会場には、予想以上に多くの100名近くのMEMS研究者技術者が集い、熱気の中で開会しました。研究会は、次に示すプロクラムで進められました。
<プログラム>
1.ご挨拶 −研究会への思い−
2.VLSI回路設計手法とMEMSモデリング
東京大学 大学院工学研究科 電気系工学専攻 准教授 竹内健
3.等価回路を利用したMEMSセンサの動作解析と流体集積回路への応用
豊橋技術科学大学工学部 電気・電子工学系 准教授 高尾英邦
4.電気等価回路から考えるMEMS設計手法について
静岡大学 電子工学研究所教授 橋口 原
5.ディスカッション
多くのMEMS研究者が集う第一回電気等価回路から考えるMEMS設計手法研究会
最初の橋口教授の発会にあたってのご挨拶のあと、東大竹内准教授のお話は、半導体回路技術者の立場での回路シミュレータやMEMSの取り込みと期待を中心で、その重要性についても提唱されました。豊橋技科大高尾准教授は、集積化MEMSの中での等価回路手法の重要性をお話されました。また、橋口教授は、開発中のMEMS等価回路ジェネレータの概要説明と、それに基づく設計手法について提案されました。
それぞれの講演に対し、多数の質疑、コメントによる活発な議論が行われました。特に、参加者の7割が企業技術者であり、MEMS産業界の関心の高さが示されました。
デスカッションのほかに、参加者へのアンケートの結果では、等価回路モデルをMEMS設計に導入してない人がほとんどであり、その有効性と導入の必要性を感じている人もほとんどを占めていました。また今後の研究会への要望は、導出理論、パラメータ導出方法、実施例の3つで大部分を占め、チュートリアルの必要性を示していました。
研究会の無事終了後、幹事である土屋准教授は、研究会で話題提供が可能である参加者もおられるようなので、今後はそれらを反映して、次回以降の研究会を企画したいと発言されていました。第2回は、来年3月乃至は4月に開催を計画するとのことです。
MemsONE Ver1.0を本年2月にリリースし、10ヶ月が経過致しました。この間、Ver1.1のリリース、実習講座、各種イベント出展などの普及活動を推進して来ました。この活動により、序所にユーザが増えつつあることを踏まえ、ユーザ間およびサポートセンターとの情報交換・交流の場として「MemsONEユーザ会」を開催することに致しました。先ずは、東京にて第1回を下記要領で開催致します。無料ですので、是非ご参加下さい。多くの方のご参加をお待ちしています。
◆開催日時: 平成20年12月17日(水)14:00〜17:00〜18:30
◆開催場所: MMCテクノサロン
◆参加対象: MemsONE導入ユーザおよびコンソーシアムメンバーの推薦者
◆参加費用: 無料
◆開催内容: @MemsONE活用事例など5件(大学:3件、企業:2件)
AVer2.0の機能・商品体系紹介とデモ
BMemsONE活用上のQ&A
C技術相談・交流会
尚、参加は事前登録制です。下記のURLから詳細をご確認の上、登録をお願いします。
→ ../../mems-one/hiroba/seminar_info/