1 BEANSプロジェクト成果が出始める
1月22日(木)に東京大学生産技術研究所の竹内昌治准教授らは駒場リサーチキャンパスにて記者会見を行
身長5mmの人型の組織 |
い、Life-BEANSセンターから初の成果発表をしました。その模様は同日夜のNHKニュースで全国に放映され、翌朝の主要な新聞紙上でも大きく取り上げられました。 発表タイトルは 「身長5ミリ!?~階層化された細胞組織の立体形成に成功~」。発表概要は以下のとおりです。
発表概要
東京大学生産技術研究所の竹内昌治准教授らは、異なる種類の細胞を階層的に配置した均一直径のカプセルを作製することに成功しました。また、カプセルを三次元の鋳型に入れ、培養することでカプセル同士をつなぎ、生きたまま立体構造を形成することにも成功しました。デモとして、直径約100ミクロンのカプセルを約10万個用いて、身長5ミリメートルの人型の組織を形成しました。この技術によって、生体のように、様々な種類の細胞が階層的に配置されている組織を形成できることになります。その結果、動物実験を行わなくても薬物に対する反応などを正確に調べることができるようになるし、再生医療への応用も大いに期待できます。
なお、本研究は1月26日から29日までイタリア・ソレントで開催された「MEMS国際会議2009」にて発表されました。本技術は昨年7月から始まったBEANSプロジェクトからの特許出願第一号となりました。
2 第12回MEMS講習会の開催報告(2009年2月6日)
MEMS協議会ファンドリーサービス産業委員会(委員長:オムロン(株) 佐藤文彦氏)主催の第12回MEMS講習会「MEMS設計・加工技術と応用例」を、2月6日(金)東海地方で初めて浜松市(グランドホテル浜松)において、財団法人浜松地域テクノポリス推進機構および静岡大学イノベーション共同研究センターとの共催により開催しました。特に今回は、同日開催された(財)浜松地域テクノポリス推進機構主催の「はままつメッセ2009」と同時開催という形で開催いたしました。
講習会は「MEMSの設計・加工技術と応用例」として「MEMSの集積・融合の進展と新産業創出への期待」(杉山進 立命館大教授)、「電気等価回路によるMEMS設計法」(橋口原 静岡大学教授)のアカデミックなご講演、東海地区のMEMS企業の技術紹介として「MEMS量産工場での普及の進む完全ドライ・レーザダイシング」(浜松ホトニクス株式会社 内山直己氏)の講演、そして委員会メンバー企業によるMEMSプロセス・MEMSデバイスおよびシミュレーションについての講演と、MEMS技術・動向、MEMSファンドリー及びMEMS設計解析支援システムにわたり、幅広くご紹介いたしました。
講演後のメンバー各社による技術相談会では、MEMS製作に関する参加者より熱心な御質問をいただき、時間不足のような状況でした。
講習会の終了後、別室においてファンドリーサービス産業委員会委員、講師の方々と参加者との懇談会を開催しましたが、こちらも大変盛況でした。
厳しい経済状況の中、多数のご参加およびご協力をいただき、ありがとうございました。
青柳専務理事挨拶
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静岡大学イノベーション共同研究センター
木村センター長の挨拶 |
MEMS講習会風景 |
懇談会風景 |
3 MEMS2009報告とBEANS分野主要機関訪問報告
BEAMS分野の研究開発動向調査としてMEMS2009に参加するとともに欧州の主要研究機関を訪問しましたので、以下に報告致します。
◆期 間:2009年1月21日(水)~2月1日(日)
◆目 的:MEMS2009に参加し、BEANS及びMEMSの最新研究開発動向を把握するとともに、欧州の主要研究 機関(LETI-Minatec(仏)、Fraunhofer
IZM(独)、IMEC-Holst(蘭))を訪問し、欧州のBEANS関連の研究開発状 況を調査する。
◆日 程:
MEMS2009ポスター会場風景 |
1/21(水) 日本発 グルノーブル着
1/22(木) LETI-Minatec訪問 ベルリンに移動
1/23(金) Fraunhofer IZM訪問
1/24(土) イタリア ソレント移動
1/25(日)~1/29(木)MEMS2009参加
1/29(木) アムステルダム移動
1/30(金) IMEC-Holst訪問
1/31(土) アムステルダム発
2/1 (日) 日本着
◆参加者:
産総研:伊藤グループ長
MMC BEANS研究所:武田副所長
◆MEMS2009
国際会議MEMS2009(22nd IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)が南イタリアのソレントで2009年1月25日(日)~1月29日(木)に開催されました。国際会議MEMSはマイクロ・ナノテクノロジー分野における主要国際会議で、米国、欧州、アジアの各地域から持ち回りで毎年開催されており、今回は22回目にあたりました。今回の論文投稿数は856件と過去最高であり、その中から口頭発表47件、ポスター発表229件が採択(採択率は32.2%)されました。論文投稿数は過去最高でしたが、参加者数では550名程度(事前登録者数501名)と昨年の事前登録者数の650名を下回っており、最近の不景気を反映した結果となっていました。内容としては下記に示しますように、3名の招待講演と11のオーラルセッション及び11分野のポスターセッションが4日に分けて開催されました。発表の国別でのトップは米国の93件で、日本が第2位の64件、続いて韓国の22件、台湾及びドイツの19件であり、アジア勢が強くなってきていました。BEANS関連の発表も出だしてきており、招待講演でもBEANSプロジェクトにも参画されている東北大の寒川教授が「DAMAGE-FREE PLASMA ETCHING PROCESS FOR FUTURE NANOSCALE DEVICES」と題して中性粒子ビームを用いた超低損傷微細加工技術の紹介をされ、質問も多く出され会場から大きな反響を得ていました。『CELL AND PARTICLES』のオーラルセッションでは4件中3件が東大の発表であり、この分野での日本の活躍が目立っていました。来年のMEMS2010は1月24~28日に香港のThe Hong Kong Convention and Exhibition Centerで開催予定です。
【招待講演】
1 MEMS EPIPHANY (Benedetto Vigna, ST Microelectronics, Italy)【1月26日】
「MEMSによるひらめき」と題して、任天堂のゲーム機「Wii」の開発事例を紹介しながら、ゲーム機の
操作を複雑にしていたボタンを取り払って、ゲーム機を使ったことがない人にも利用できるコントローラ
の実現からMEMSが秘めていることのSTのひらめきが新市場の創出につながったことを紹介していま
した。また、ユーザにとってはMEMS技術自体は関心ごとではなく、如何にユーザ要求に満足した製品
を安く供給するかが大事であることも述べていました。
2 NANOBIOPHOTONICS ANS BIOASICS FOR BIOMEDICAL INNOVATIONS
(Luke P. Lee, University of California, Berkeley, USA) 【1月27日】
BioMEMSの権威であるUC, BerkeleyのLee教授より、nanobiophotonics及びBioASICs(Biological
Application Specific Integrated Circuits)を用いた定量的生物学及び医学への貢献に関する紹介が
ありました。
3 DAMAGE-FREE PLASMA ETCHING PROCESS FOR FUTURE NANOSCALE DEVICES
(寒川教授、東北大学、日本)【1月28日】
中性粒子ビームを用いた超低損傷微細加工技術及びフェリチンマスクを用いたナノ加工例の紹介が
ありました。
【オーラルセッション】
■セッション1(MEMS ACTUATORS):2件
■セッション2(RF MEMS):4件
■セッション3(FUEL CELL POWER MEMS):2件
■セッション4(MEMS IN MICROFLUIDICS):4件
■セッション5(CELL AND PARTICLES):4件
■セッション6(MICRO PROCESSING AND CHARACTERIZATION):5件
■セッション7(PHYSICAL MEMS):5件
■セッション8(NANOPROCESSING AND NEMS):4件
■セッション9(FABRICATION AND PACKAGING):5件
■セッション10(OPTICAL MEMS):6件
■セッション11(BIOMEMS):6件
【ポスターセッション】
■分野1(BIOMEDICAL APPLICATIONS):15件
■分野2(BIOCHEMICAL SENSORS):24件
■分野3(CELL AND PARTICLES):19件
■分野4(MICROFLUIDICS AND FLOW SENSORS):27件
■分野5(NANO DEVICES AND CARBON NANOTUBES):14件
■分野6(MATERIALS AND DEVICE-CHARACTERIZATION):17件
■分野7(FABRICATION PACKAGING ENCAPSULATION):23件
■分野8(PHISICAL SENSORS):24件
■分野9(RF MEMS AND RESONATORS):22件
■分野10(OPTICAL MEMS):22件
■分野11(MEMS ACTUATORS & POWER MEMS):22件
◆欧州研究機関訪問
今回は主に下記の欧州の国立研究機関を訪問し、BEANS関連の技術交流を図るとともに、その研究開発状況を調査しました。その結果を以下に示します。
■訪問先:LETI-Minatec(フランス)
日時:2009年1月22日(木)8:45~14:45
面談者:Ms. Marie-Noelle Semeria (VP Strategy & Business Development)
Dr. Raymond Campagnolo (Medical Devices Program Manager)
Dr. Philippe Laporte (Charge de mission)
Dr. Mark Scannell( (Microelectronics Program Manager)
LETI-MinatecでSemiriaさんと(右) |
LETI全体では15,000人の従業員がおり、年間予算は3B€の元々はフランスの原子力研究所でしたが、現在は原子力関係の研究開発は縮小されています。GrenobleのLETI-MInatecには1,600人の従業員が働いており、Nanotechnology
for CMOS、 Heterogeneous Integration、 Biology and Healthcare、 Photonics,
Design and Wireless、 Technology Operatingの部署があり、年間予算210M€で研究開発を実施しています。前回来日時にも話がありましたが、研究の方向性がBEANSプロジェクトと同じなので、BEANSプロジェクトとの連携を希望していました。当日は、こちらの方からBEANSプロジェクトの紹介をするとともに、Dr.
CampagnaoloからMicro-Technologies for Biology & Health Divisionの紹介、Dr.
Scannellから3D実装技術の紹介を頂きました。また、脳刺激実験室(ラットの脳刺激の実験,脳刺激プローブ)ならびに200mm及び300mmのMEMS前工程クリーンルームの見学をさせて頂きました。Minatec全体としては8000㎡のクリーンルームがあり、4交代制で24時間稼働しているとともに露光装置,エッチング装置,成膜装置,評価装置ともかなり充実した設備でした。また、装置メーカーとのタイアップにより、装置を購入するのではなく、3年程度でプロセスの開発を行い、技術トランスファーをすることで、装置費用を削減しながら、最新装置を使ったプロセス開発を可能としていました。さらに、半導体ラインへのコンタミの評価・管理も進んでおり、MEMSで使う半導体にとっては異種材料に関しても、評価結果で問題ないと判断されれば、半導体のラインに入れていました。
■訪問先:Fraunhofer IZM(ドイツ)
日時:2009年1月23日(木)10:00~14:45
面談者:Dr. M. J. Wolf (Director’s Assistant)
IZMでDr.Wolf(右)とセンサ付衣服のマネキン |
Fraunhofer は59institutesから構成され、総従業員はおよそ12,500人で、総予算€1.2billionのドイツの国立研究機関です。各Instituteは独立性が強く、独自の運営がなされています。IZM は1993年に設立され、マイクロエレクトロニクスとマイクロシステムの分野において企業をサポートすることを目的に研究開発をしており、2007年の予算は€31millionでした。IZMは後行程・実装を担当とする研究所で、材料・信頼性、ウエハレベルパッケージ、システムデザイン、システム統合技術の研究開発をしています。当日はこちらの方からBEANSプロジェクトの紹介をするとともに、Dr.
Wolfから、IZMの研究概要を紹介頂き、クリーンルームの見学をさせて頂きました。クリーンルームは後行程だけのものですが、1000m2あり、後行程のクリーンルームとしては充実したものになっていました。また、写真にあるように、服に配線ならびにセンサを取り付けたフレキシブル実装の研究開発をファッションメーカー(HUGO
BOSS)とともに開発していました。
■訪問先:IMEC-Holst(オランダ)
日時:2009年1月30日(金)10:00~14:45
面談者:Dr. Chris Van Hoof (Program Director SIP System and Smart Implants)
Dr. Bert Gyselinckx (Program Director Wireless Autonomous Transducer
Solutions)
MTEC-Holstはベルギーの国立研究機関であるIMECとオランダの国立研究機関であるTNOが共同で2005年に設立された研究機関です。2008年の研究者の数は129人ですが、予算規模に関しては公表していないとのことでした。MTEC-HolstはオランダのEindhovenにあり、フィリップスの敷地に建てられたものであり、この地区にある元フィリップスの8000m2のクリーンルームを共同で利用しているとのことでした。当日はこちらからBEANSプロジェクトの紹介をするとともに、Dr.
GyselinckxからHolstセンターの概要の紹介、Dr. Hoofからウエアラブル及埋め込みデバイスのための実装技術に関する紹介を受けました。無線通信技術とフレキシブル実装技術を統合して睡眠モニタリングデバイスやフレキシブルパッチデバイス等の研究開発を行っていました。
4 産学連携人材育成パートナーシップ事業試行講座報告
(独)産業技術総合研究所が管理法人となり平成19年度から進められている関東経済産業局委託事業「産学連携人材育成パートナーシップ事業(マイクロナノ量産技術と応用デバイス製造に関する新事業開拓イノベーション人材育成)」の試行講座「先端精密工学の基礎」が、1月29日(木)に企業の若手・中堅技術者約50名の参加を得て、東京大学本郷キャンパスで実施されました。
この産学連携人材育成パートナーシップ事業は、関東地域(実施機関:産総研、東京都立産業技術研究センター、神奈川県産業技術センター、東京大学)、関西地域(実施機関:新産業創造研究機構、兵庫県立工業技術センター、兵庫県立大学)、九州地域(実施機関:北九州産業学術推進機構)で、それぞれの地域の特性に合わせたマイクロナノ量産技術と応用デバイス製造に関する育成人材像とその人材像に即した育成プログラム(教材、教育法など)を開発しています。
今回の東京大学の試行講座はこの一環であり、東京大学大学院精密機械工学専攻 樋口俊郎教授からメカトロニクスの基礎でもあり応用でもある「アクチュエータ技術」、東京大学大学院精密機械工学専攻 高増潔教授からナノメートル領域にも広がる「精密測定技術(ナノメートル計測とトレーサビリティ)」について、大学の講義を踏まえた形で講義が行われ、また、講義の実例として研究室見学が行われました。
平成21年度はこれら人材育成プログラムについて評価・改良を加えるとともに、(財)マイクロマシンセンターも参加し、平成22年度以降の人材育成事業の事業継続に向けての運営体制づくりを行う予定にしています。
5 「マイクロマシン技術プロジェクトの記録」の供用開始
このたび『マイクロマシン技術プロジェクトの記録(MMPJアーカイブ)』の供用を開始しました。URLアドレスは http://www.mmc.or.jp/mmpj/ です。
内容的には、●プロジェクトの概観 ●10年間の技術のまとめ ●プロジェクトアウトカム(成果および波及効果)
●大学研究者への研究助成 ●未来のマイクロマシン絵画展のコンテンツから成っています。
マイクロマシン技術プロジェクトは1991年から10年間、国/NEDOの主導のもとに実施され、将来いろいろな形でマイクロマシンが実用化されることを期待して、マイクロマシン実現に資する技術的なプラットフォームづくりを目指したプロジェクトです。
我が国の産学官が力を結集してマイクロマシン分野の技術基盤を確立し、その後の関連産業発展に大いに貢献したと高く評価されているプロジェクトですが、年数を経ると資料も逸散し、関係者の記憶も薄れてきます。
そこで、先だってNEDOのアウトカム(成果、波及効果)調査報告書が出されたこともあり、この機に本プロジェクトに関する足跡を永く保存すべくプロジェクトの記録を整理し、公開することとしたものです。我が国のマイクロマシン技術・産業の底上げを図ろうとした
先人たちの意気込みが伝わってくる内容になっています。是非ご高覧下さい。
6 ロボット3団体合同賀詞交歓会の開催
1月15日(木)に(社)日本ロボット工業会、(財)製造科学技術センターおよび(財)マイクロマシンセンター合同の新年賀詞交歓会が虎ノ門パストラル新館1階「鳳凰の間」にて、不況の波を吹き飛ばそうと昨年並みの413人出席のもと開催されました。
平成22年の開催場所、開催日は虎ノ門パストラルが今年で閉鎖の為、決まり次第お知らせいたします。
1 マイクロナノ2009の開催案内(2009年7月29日~31日)
来年の「マイクロナノ2009」は、平成21年7月29日(水)~7月31日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催することで準備を進めています。
来年は、MEMS、ナノテク、超精密・微細加工、バイオに関する国際展示会である「マイクロマシン/MEMS展」が第20回目を迎える節目にあたり、マイクロナノ/MEMS分野の最新技術・製品が効果的に一望できる総合イベント「マイクロナノ2009」として、展示会ではマイクロナノ/MEMS分野の産業展開をよりビジュアルに表した特別展示や、展示会場内に設けた特設会場においては、マイクロナノ/MEMS分野の国内外先端技術動向や海外の産業化動向の他、「マイクロマシン/MEMS展」の20周年を記念した特別プログラムなど、多彩なプログラムを計画しています。
マイクロナノ/MEMS分野の技術・製品が効果的に一望できる総合イベント「マイクロナノ2009」をご期待下さい。
なお、「第20回マイクロマシン/MEMS展」の出展募集は、オーガナイザーであるメサゴ・メッセフランクフルト㈱から、近々行われます。(10月下旬ごろ)
○展示会
『第20回マイクロマシン/MEMS展』
(MEMS、ナノテク、超精密・微細加工、バイオに関する国際展示会)
会期:7月29日(水)~7月31日(金)の3日間
会場:東京ビッグサイト 東5&6ホール
○シンポジウム・カンファレンス(予定):
会場はいずれも『第20回マイクロマシン/MEMS展』展示会場内特設会場を予定。
①第15回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
②BEANSプロジェクト中間成果発表会
③MEMSフォーラム(MEMS協議会からの情報発信)
④日独マイクロナノ・ビジネスフォーラム
⑤MEMS the World Workshop (MEMS協議会海外アフィリエート・ワークショップ)
2 第17回先端技術交流会の開催(2009年2月17日)
(財)マイクロマシンセンターでは、MEMS協議会の産学連携事業の一環として、賛助会員企業の専門家を対象に、マイクロナノ技術に関する各産業分野における先端技術への認識と理解を深め、マイクロナノ技術の普及啓発と産学の技術交流を図ることを目的として、「マイクロナノ先端技術交流会」を実施しています。
第17回のマイクロナノ先端技術交流会は、早稲田大学理工学術院 庄子習一教授、東京大学大学院 三田吉郎准教授をお招きし、下記のとおり開催します。
第17回マイクロナノ先端技術交流会
・開催日時:平成21年2月17日(火)
・会場:マイクロマシンセンター「MMCテクノサロン」
・プログラム:
13:25~13:30 主催者挨拶(MMC 青柳専務理事)
13:30~15:10 講演①
講師:早稲田大学理工学術院電子光システム学科ナノ理工学専攻
庄子 習一 教授
講演題目:「細胞機能解析を目的としたMEMSデバイス」
講演概要:特定の細胞の機能解析を目的して、細胞培養、細胞破砕、生体分子
分離・分析を実現するMEMS応用デバイスの研究例を紹介します。
15:10~15:20 休憩
15:20~17:00 講演②
講師:東京大学大学院 工学系研究科電気工学専攻
三田 吉郎 准教授
講演題目:「自律分散マイクロロボットを通じた集積化MEMSの研究」
講演概要:水面を自律走行するMEMSを例題とし、世界最低電圧のEWOD液滴駆動
法と深さ10μm幅150nmの三次元構造光受光素子での実現を通じて、
MEMS技術革新を狙う集積化MEMSの研究を紹介します。
17:00~17:10 休憩
17:10~19:00 技術相談及び交流会(立食形式)
(会場:MMC本部会議室)
開催案内については、MEMS協議会ホームページやマイクロナノExpressにてご案内しますので、皆様のご参加をお願いいたします。
3 MEMS協議会アフィリエート関係のイベント
1.「MEMSパークコンソーシアム公開セミナー」(詳細後述)
テーマ : 人材開発とMEMSビジネスの展望2009
日 時 : 平成21年3月13日(金) 14:30~17:30(懇親会 17:45~19:00)
場 所 : 江陽グランドホテル 4階 「銀河の間」(http://www.koyogh.jp/l_frameset.htm)
仙台市青葉区本町二丁目3-1 TEL:022-267-5111
主 催 : MEMSパークコンソーシアム
定 員 : 100名(定員になり次第締切りとさせていただきます)
参加費 : MEMSパークコンソシアム会員 無料
一般参加 5,000円(資料代、懇親会費含む)
お申込 : こちらから申込用紙をダウンロードし、事務局までE-mailまたはFAXにて送付して下さい。
2.「MEMS Engineering Forum」(今年からはじまるMEMSのコンファレンス&展示会)(詳細後述)
日 時 : 平成21年3月17日(火)~19日(木)
場 所 : TFTホール(東京有明)
主 催 : MEMS Engineering Forum実行委員会(委員長:桑野博喜 東北大学 教授)
共 催 : ㈱インプレスR&D
後 援 : MEMSパークコンソシアム
特別協力:電子ジャーナル
参加費 : 無料
http://mems-forum.jp
1.経済政策動向
■月例経済報告(1月20日)
1月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、急速に悪化している。先行きについては、当面、悪化が続くとみられ、急速な減産の動きなどが雇用の大幅な調整につながることが懸念される。加えて、世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念、株式・為替市場の大幅な変動の影響など、景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。」としています。
この急激な景気悪化に対応するため、政府として、当面は「景気対策」、中期的には「財政再建」、中長期的には「改革による経済成長」という3段階で、経済財政政策を進めるとしています。当面、景気対策を最優先で進めるため、1月5日、「生活対策」及び「生活防衛のための緊急対策」を実施するための平成20年度第2次補正予算を国会に提出。また、1月19日、「経済財政の中長期方針と10年展望」及び「平成21年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を閣議決定し、平成21年度予算を国会に提出。日本銀行が、内外の厳しい経済金融情勢の下、政府とマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し、適切かつ機動的な金融政策により経済を下支えすることを期待するとしています。詳しくは以下の資料をご参照ください。
○ 月例経済報告関係資料
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2009/0120getsurei/main.pdf
■経済産業省の主な経済指標(2008年12月速報 2009年1月30日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査・分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2ヶ月の予測の把握を行うもので、12月速報では、生産は、前月比▲9.6%の低下となりました。また、製造工業生産予測調査によると、1月、2月とも低下を予測しています。総じてみれば、生産は急速に低下しているといえるでしょう。以下は詳細です。
1. 生産
12月の生産は、前月比▲9.6%の低下と3か月連続の低下(前年同月比は▲20.6%の低下)となり、指数水準は84.6(季節調整済)となった。生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業等すべての業種であった。品目別にみると、普通乗用車、アクティブ型液晶素子(大型)、駆動伝導・操縦装置部品の順に低下に寄与している。
2. 出荷
12月の出荷は、前月比▲8.0%の低下と3か月連続の低下(前年同月比は▲20.5%の低下)となり、指数水準は86.0(季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業等であった。
3. 在庫
12月の在庫は、前月比0.1%の上昇と4か月連続の上昇(前年同月比は4.7%の上昇)となり、指数水準は110.5(季節調整済)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、金属製品工業等であった。
12月の在庫率は、前月比6.5%の上昇と3か月連続の上昇(前年同月比は33.5%の上昇)となり、指数水準は135.3(季節調整済)となった。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
鉱工業指数
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-2.html
2.産業技術政策動向
■総合科学会議の動向
総合科学技術会議は、平成20年12月25日に、基本政策推進専門調査会 第9回ナノテクノロジー・材料プロジェクトチーム会合を開催し、議事録が、1月26日に公表になりました。
議事録
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/bunyabetu2006/nano/9kai/giji9.pdf
また、1月9日に分野別推進戦略PTを開催し、その議事要旨と配付資料が2月5日に公表になりました。
議事要旨・配付資料
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/bunyabetu2006/haihu7/haihu-si7.html
■平成20年度産業技術関連予算の概要(2008年3月28日成立)
経済産業省の産業技術予算のうち、「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発」については、一般会計で12億円(要求は16億円)が認められています。
http://www.meti.go.jp/press/20071224001/05_sangi.pdf
■イノベーションを取り巻く関連政策動向
(1)産業活力再生特別措置法等の改正
経済産業省は、2月3日、産業活力再生特別措置法等の改正案を国会に提出することを決めました。
これは、現在の資源価格の不安定化や世界的な金融危機などの経済構造の急激な変化への我が国産業の積極的な対応を支援し、雇用を下支えするとともに、将来に向けた雇用創出を図ることを目的としています。
具体的には、まず、事業者が行う資源生産性の向上支援を行うとしている。例えば、「資源生産性革新計画」及び事業者が資源制約に対応するための新市場開拓を図る「資源制約対応製品生産設備導入計画」の認定制度の創設、そのための課税の特例措置、融資・投資の円滑化等が挙げられます。
また、①他の事業者の経営資源を有効に活用して新たな付加価値を創出する事業活動(オープン・イノベーション)に対し資金供給を行う体制の整備、②地域経済を支える中小企業の事業再生支援のより一層の強化、③知財・技術の活用による研究開発の活性化とその実用化の支援も挙げられています。
参考:http://www.meti.go.jp/press/20090203001/20090203001-1.pdf
http://www.meti.go.jp/press/20090203001/20090203001-2.pdf
(2)資源エネルギー庁に「新エネルギー社会システム推進室」を設置
経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課に、1月13日付けで「新エネルギー社会システム推進室」が設置されました。
エネルギーの分野では、製造業や農林水産等の産業はもとより、公共施設、運輸・流通、観光、住宅、生活インフラにおける活用を通じた社会システムとしての導入・普及や、個々の新エネルギー技術等にとどまらない複合的な相互作用の中での連携に取り組み、新エネルギー・省エネルギー政策を推進することが求められています。
このような状況の下で、新しい室が設けられたものである。この室では、広くアイデアを募りながら、現在検討中の成長戦略における集中的な政策資源の投入分野の具体化や雇用機会の創出にも貢献する取り組みを推進することとしています。
参考:http://www.meti.go.jp/press/20090113002/20090113002-1.pdf
(3)日中商標庁間会合について
1月8日、特許庁は中国商標局と第7回日中商標庁間会合を北京で開催した。日本側からは鈴木特許庁長官等が出席しました。
模倣品対策、商法保護等に関するニーズは依然として高い状況にあり、こうした中で、商標制度における日中両国間の協力は重要なものとなっている中で会合は開催されました。
会合では、①関係企業等を対象とした商標出願手続きシンポジウムの開催②地方の模倣品対策に係る中国全省の地方工商行政管理局担当者セミナーの開催について合意されました。
また、中国において我が国の地名や地域ブランド等が第3者によって出願登録される事例が相次いでおり、これによって我が国の企業等の現地でのビジネス展開に支障が生じるリスクが増加していることから、我が国から中国側に以下の事項に関し公平・適切な診査を行うよう要請を行いました。
①我が国地名、地域ブランドが商標登録・出願されている問題
②我が国の周知商標が商標登録・出願されている問題
③我が国の普通名称が商標登録・出願されている問題
これに対し、中国側からは、これらの問題については法律の基づいて厳格に判断を行い、悪意に基づく出願に対しては厳正に対処する旨の回答がありました。
参考:http://www.meti.go.jp/press/20090109002/20090109002.pdf
(4)「安心ネットづくり」促進プログラムの策定
総務省は、1月16日、「安心で安全なインターネット環境整備のためのプログラム」を取りまとめました。
これは、先の国会で「青少年インターネット環境整備法」及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」の一部改正が成立したことを踏まえ、また、本年1月14日に取りまとめられた「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」最終報告をもとに整備したものです。
プログラムは「安心を実現する基本的枠組みの整備」、「民間における自主的取り組みの促進」及び「利用者を育てる取組の促進」の3つを柱としています。
「安心を実現する基本的枠組みの整備」では、携帯電話フィルタリングの導入促進、フィルタリング推進機関の支援、迷惑メール対策である特定電子メール法の着実な実施等が掲げられています。
「民間における自主的取り組みの促進」では、児童ポルノの効果的な閲覧防止策の検討、インターネット上のコンテンツのセルフレイティングの普及促進、違法・有害情報対策に資する技術開発支援等が掲げられています。
「利用者を育てる枠組みの促進」では、家庭・地域・学校における情報モラル教育等が含まれています。
今後は、プログラムの基づき取り組んでいくとともにフォローアップも行っていくとしています。
参考:http://www.soumu.go.jp/s-news/2009/pdf/090116_2_bs.pdf
■NEDO産業技術政策関連
○NEDO海外レポート
・ 1036号-平成21年 1月14日 ライフサイエンス・バイオテクノロジー特集
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1036/index.html
・ 1037号-平成21年 1月28日 MEMS特集
I.テーマ特集:MEMS特集
・ MEMS分野の研究動向 -NEDO技術開発機構 機械システム技術開発部(478KB)
・ 近年のMEMS産業の動向(世界)(54KB)
・手のひらサイズのMEMS装置で疾病を検出 (EU)(15KB)
・ 米国西海岸におけるMEMS技術を利用したディスプレイ装置開発(23KB)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1037/index.html
1 BEANS研究所の「技術研究組合化」の動き
BEANSプロジェクトについては、平成21年度からプロジェクトの委託元がMETIからNEDOに変更されることに決まったことを受け、この機会に、BEANSプロジェクトをより効果的かつ円滑に進めるべく融合的な技術開発に適した形態である技術研究組合への移行を進めることになりました。
また、技術研究組合化は、予算面でも公益法人への支出削減圧力に対応し、今後4年間にわたり、必要でかつ円滑な事業資金を確保することに寄与するものでもあります。
組合設立及びその事業開始時期に関しては、空白期間を設けることなしにシームレスに事業を進めなければならない必要性から、年度内(3月31日まで)に設立し、BEANSプロジェクトが4月1日から円滑に2年目のスタートを切れるようにしたいと、現在、財団法人マイクロマシンセンター内に「設立準備会」を設け、設立手続を進めています。
今般、以上のような経緯により、技術研究組合BEANS研究所設立の運びとなったことをご参酌頂ければ幸いです。
財団法人マイクロマシンセンターとしましても、技術研究組合BEANS研究所の活動を全面的に支援してまいりますとともに、4月1日以降は、技術研究組合BEANS研究所を加えた形で、わが国MEMS産業の発展のための車の両輪として、更なる活動拡大を目指して参りますので、今後ともご理解・ご支援をよろしくお願いします。
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