1 マイクロナノ2009の開催報告(2009年7月29日~31日)
総合イベント マイクロナノ2009を、7月29日から31日の3日間、東京ビッグサイト東5ホールにて開催いたしました。30度を越える暑さの中、合計で12,247名もの大勢の方のご来場をいただき、成功裏に閉幕することができました。誠に有難うございました。
マイクロナノ2009は、マイクロマシン/MEMS展と国際シンポ等の同時開催プログラムを同期間・同会場で開催することで、来場者や出展社に最先端情報とビジネスチャンスをOne
Stopで提供することを狙いとしています。
マイクロマシン/MEMS展は、出展社数が昨年から3割減となりましたが、一方でナノインプリントやMEMSファウンドリの出展数増加があり、来場者数も昨年から約1割減に止まるなど、現在の厳しい経済環境下で大健闘したと評価しています。
同時開催プログラムは展示会場内の2つの特設会場にて合計8つのプログラムを用意しました。産業化促進のために最先端情報を提供する国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム、MEMS協議会の情報発信の場としてのMEMS協議会フォーラム、ファインMEMSやBEANSプロジェクトの成果発表会、日独が連携してビジネスチャンスを探る日独マイクロナノ・ビジネスフォーラム、MEMS実装にフォーカスしたMEMS実装・パッケージングフォーラム、出展社プレゼンテーション、MEMS協議会のアフィリエート大学や研究所が成果を発表する産学連携ワークショップ、で、いずれも多くの聴講者を集め、関心の高さを伺わせました。
来年も同時期(7月28日~30日)に開催いたします。同時開催プログラムをさらに充実させ、ロボットMEMSにフォーカスした併設展示会も加えて、最も高い品質の最先端情報とビジネスチャンスを提供する総合イベントとすべく、準備を進める予定です。
マイクロナノ2009 東京ビッグサイト東5ホール 会場 |
(1)『第20回マイクロマシン/MEMS展』
①20周年特別企画ブース
マイクロマシン/MEMS展の20周年を記念して、本展示会が第1回「産業用マイクロマシン展」から世界有数の総合イベント「マイクロナノ2009」にまで成長してきた歴史を振り返る年表を作成し大型パネルでご案内いたしました。総じて好評で、見学の足を止めて、じっと見入ってくださる方が多数おられました。また、今回初めて試験的に実施した「MMCコンシェルジュ」も、展示会場内で目的の製品・技術を見つけるナビゲーションマップとして、実際にご活用いただくことができました。
マイクロマシンセンターブース |
20周年特別企画MM展年表 |
②MemsONEブース
本ブースでは、昨年の展示会よりも規模を倍増して、ビデオ放映、パネル展示、パソコンデモ、パンフレット配布、MemsONEの無償貸出し等のサービスを行うとともに、商談コーナーを設置して大々的にPRを展開しました。おかげさまで来場の方々の関心は高く、現在、無償貸出ししたMemsONEのライセンス発行手続きが進んでおります。本サービスが非常に好評ですので、8月いっぱい継続することに致しました。ご希望の方はマイクロマシンセンターのホームページの「MemsONEひろば」にお越しいただき、「お申し込み」リンクから、貸出し条件をご確認のうえ、お申し込み下さい。貸出しはもちろん機能制限無しのフルセットでのご提供です。「MemsONEひろば」へは、次のURLからお入りください。http://www.mmc.or.jp/mems-one/ |
MemsONEブース |
③MEMSモールブース
MEMSに関する製品や技術をWeb上で紹介する「MEMSモール」に関する展示を行いました。MEMSモールの内容や参加企業、参加方法についてパネルでご説明するとともに、パソコンを設置してモールを体験していただきました。来場者のうち、特にビジネスチャンスを求めて来られた方々に、「MEMSマーケットの全体像を把握できた。」と好評で、MEMSモールへの出店を希望される方もおられました。なお、「MEMSモール」へは、次のURLからお入りください。http://www.mmc.or.jp/mall/ |
MEMSモールブース |
④MEMSPedia/ファンドリーブース
ファインMEMSプロジェクトの成果をMEMS知識の百科事典にまとめた「MEMSPedia」とMEMS協議会メンバで構成される「MEMSファンドリーネットワーク」について、パネル展示とパソコン体験コーナーを設けてご紹介しました。
それぞれのホームページへは、次のURLからお入りください。
「MEMSPedia」URL:http://www.mmc.or.jp/memspedia/
「MEMSファンドリーネットワーク」URL:http://www.mmc.or.jp/fsic/
MEMSPediaのご説明 |
MEMSファンドリーブース |
⑤MEMS国際標準化ブース
マイクロマシンセンターがリーダーシップを発揮してこれまでに提案・成立したMEMSの用語と定義、MEMS薄膜材料の引張試験法、引張試験のための標準試験片、MEMS薄膜材料疲労試験法のほか、現在審議中の国際規格案、現在開発中の国際規格案についてパネルとサンプル品を用いて内容をご紹介しました。なお、マイクロマシンセンターの標準化活動を紹介するホームページもご用意していますので、次の URLからぜひお越しください。http://www.mmc.or.jp/standard/ |
MEMS国際標準化ブース |
⑥BEANSブース
今回BEANS研究所が総力を挙げて研究成果の展示を行いました。テレビや新聞で最近発表されたホットな研究成果や説明の難しい開発技術の原理・法則を模型を作って「見える化」して分かりやすくご説明しました。また、通路に面する側にはBEANS本部の全体紹介、内側にはプロジェクトに参画する研究員全員のプロフィールを中心に九州、滋賀、つくば、駒場にある各センターの位置づけを紹介しました。シンボルの豆とグリーンの色調でゾーニングされたブースは連日超満員で、熱心な質疑応答が行われました。来場された方々に「BEANS」というキーワードを深く印象付けることができた大成功の展示でした。なお、BEANSプロジェクトのホームページにも、次のURLからご訪問ください。http://www.beanspj.org/ |
BEANSブース |
(2)第15回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム~MEMS World~
第15回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムを、2009年7月29日(10:30-16:45)に、総合イベント マイクロナノ2009の下、マイクロマシン/MEMS展の同時開催プログラムのひとつとして、東京ビッグサイト東5ホール、マイクロマシン展特設会場Aにて開催しました。
第15回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム |
今年度は、研究開発拠点の集約化とMEMSアプリケーションをテーマとして内外から10の講演を集めました。基調講演においては、LETI/MINATECやFraunhofer ENAS、米国のMIGから研究開発拠点の集約化に関する動向を知り、セッション1では、センサーネットワークや光MEMS、エネルギー関連などMEMSアプリケーションの最新動向を紹介しました。セッション2では実現技術としての製造プロセスに着目し、ウエハーベンダー、製造装置ベンダー(接合装置)、材料ベンダーからの講演を集めました。
昨年度までとは異なり、聴講無料、展示会の期間内開催、講演会の場所も別会場から展示会内としました。従来、国際シンポが維持してきたステータスが低下して参加者数が減少するのではとの懸念もありましたが、会場に設置した230の席は満席となり、活発な質疑応答がなされました。また、今回、MEMS協議会非会員には有料(¥2,000)で講演資料集を配布しましたが、有料にも拘わらず全配布部数の半数以上を占め、参加者の広がりと関心の高さが伺われました。国際シンポの価値は、形式的な変更には影響されなかったと捉えています。
来年度に向けては、マイクロナノ2010全体の中での位置づけや国際シンポに参加して欲しいターゲット(マネジメント層なのか現場技術者なのかなど)を明確にして、さらに質の高い、ニーズにマッチしたプログラムとすべく準備したいと考えています。
(3)MEMS協議会フォーラム
7月31日(金)には、第20回マイクロマシン/MEMS展特設会場Aにおいて、MEMS協議会の諸活動の情報発信・意見交換の場であるMEMS協議会フォーラムを開催しました。
今年のMEMS協議会フォーラムは、“MEMS産業の発展と裾野拡大に向けて:MEMS協議会からの情報発信”のサブタイトルのもとに、次のセッションを構成しました。
今仲副会長の開会ご挨拶
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セッション1では『拡大するMEMS産業をデータで見る!』としてマイクロマシンセンター・MEMS協議会の委員会調査報告としてMEMS国際会議における技術動向、MEMSアプリケーションとMEMS分野に参入している関連企業の動向をまとめた産業動向、およびMEMS分野の国際標準化活動について紹介しました。
セッション2では『国際競争に勝つ研究開発・製造インフラの充実』として、ナノテクアリーナを活用するMEMS版「知と経験の集積拠点」構想の提案、MEMS開発のためのインフラ整備活動であるMEMSファンドリーネットワーク、MemsONE、 MEMSPediaの紹介、さらには、MEMS産業拡大の原動力となるマイクロナノ人材育成への取組みを紹介しました。
セッション3では『MEMS産業・研究開発拠点の形成への期待』として、東北地域、関西地域、九州地域のMEMS産業基盤強化に繋がる活動状況について紹介しました。
このフォーラムの参加者は総数286名(用意した席数230)で、MEMS・半導体・電子部品企業、MEMS関連製造・計測装置企業の方々が約30%、MEMS応用製品である電気・電子機器、精密機器、医療機器、自動車等の企業の方々が約35%、そのほか通信、エネルギー、建築などの企業の方々が約15%と、MEMS産業への関心の高さが伺われました。
なお、MEMS協議会フォーラムの講演内容の資料は、マイクロマシンセンターのホームページ、またはWeb(第20回マイクロマシン/MEMS展2009年同時開催プログラム)からダウンロードできます。
講演資料のPDF (容量が25MBあります)
(4)産学連携ワークショップ
特設会場Bにおいて、7月29日(水)午前、30日(木)午前の2日間にわたり、MEMS協議会のアカデミア・公設試アフィリエートメンバーから、第20回マイクロマシン/MEMS展での出展内容を中心とした最新の研究内容・
産学連携ワークショップ会場 |
活動状況をご紹介する産学連携ワークショップが開催されました。
講演内容は次のとおりでした。
1 |
神奈川県産業技術センター:企業が取組むMEMS等の微細加工技術の開発研究の支援事例の紹介 |
2 |
九州工業大学:生命体工学研究科安田研究室:血液や培養細胞、生体分子などを扱うバイオMEMSデバイスによる微量生体試料の操作・刺激・計測の紹介 |
3 |
MEMSパークコンソーシアム:東北各県公設試験研究機関におけるMEMS分野を含む、多彩な微細加工に関する取組みについての紹介 |
4 |
SRI インターナショナル先端自動制御技術センター:全世界で1億8000万人の推定患者がいる糖尿病の合併症の症状緩和に皮下ダイヤモンド探針を用いた長期連続グルコース測定の新技術・システムの紹介 |
5 |
東北大学 工学研究科 江刺・田中研究室:MEMSとLSIを一体化した新しい集積化マイクロシステムの研究開発と、これらをイノベーションに繋げるためのシステムとして、東北大学を中心とする「マイクロシステム融合研究開発拠点」プロジェクトの紹介 |
6 |
名古屋大学大学院 生田研究室:光駆動ナノマシンと化学ICチップが拓く未来医療についての研究紹介 |
7 |
立命館大学 ナノマシンシステム技術研究センター:ナノマシンシステム技術研究センターの研究活動紹介 |
この産学連携ワークショップにより、MEMS分野への参入をご検討されている方々の産学連携が促進されることを期待いたします。
なお、産学連携ワークショップの講演内容の資料は、Web(第20回マイクロマシン/MEMS展2009年同時開催プログラム)からダウンロードできます。
http://www.micromachine.jp/workshop.html
(5)MEMS実装・パッケージングフォーラム
MEMS技術の中でも現在注目を浴びている「実装・パッケージング」に特化したセミナーが7月29日(水)に、特設会場Bにおいて開催され、会場が満席となる200名以上の方々が参加されました。 |
このフォーラムでは、電子デバイス・MEMSデバイスの実装技術の進展とMEMS産業化を加速するうえでの重要課題であるMEMSデバイスの高機能・高集積化を実現するための将来技術の研究状況の紹介や、企業における実装・パッケージングの事例が紹介されました。
講演内容と講演者は次のとおりです。
|
MEMS実装・パッケージングフォーラム会場 |
1 |
MEMS の集積・融合の進展と新産業創出への期待
立命館大学 立命館グローバル・イノベーション研究機構 教授 杉山 進 氏 |
2 |
電子デバイス実装の展開と今後の動向
大阪大学大学院 工学研究科 マテリアル生産科学専攻 教授 藤本 公三 氏 |
3 |
ウエハレベルパッケージングによる機能集積MEMS の創出
パナソニック電工(株) 微細プロセス開発センター 久保 雅男 氏 |
4 |
異種材料多層MEMS 集積化技術開発
オリンパス(株) 研究開発センター精密技術開発本部 清水 悦朗 氏 |
5 |
In-Line WLP(Wafer Level Package)技術を用いた低コストRF-MEMS バリアブルキャパシタの開発
(株)東芝 生産技術センター 実装技術研究センター 小幡 進 氏 |
6 |
非線形リソグラフィを用いた立体基板上へのパターニング技術
大阪大学大学院 工学研究科 マテリアル生産科学専攻 助教 西山 宏昭 氏 |
なお、MEMS実装・パッケージングフォーラム講演内容の資料は、マイクロマシンセンターのホームページ、又はWeb(第20回マイクロマシン/MEMS展2009年同時開催プログラム)からダウンロードできます。
講演資料のPDF(容量が15MBあります)
(6)BEANSプロジェクトセミナー
第3回BEANSプロジェクトセミナーは7月30日(木)13:10-17:00に特設会場Bにて開催されました。実質的にプロジェクト発足後はじめてBEANSの研究内容の全貌を紹介する機会となりました。
NEDOの上原明理事、PLの遊佐厚所長の挨拶に続き、招待講演は東北大学江刺正喜教授と日経マイクロデバイスの三宅常之氏のお二人にしていただきました。、続いて各センター長など主要研究員(藤田博之教授、竹内昌治准教授、安達千波矢教授、杉山正和准教授、寒川誠二教授、木股雅章教授、伊藤寿浩氏)がそれぞれ中心課題に絞り込んでかつ分かりやすいプレゼンテーションをしました。休憩時間のない長時間の連続講演でしたが、200人収容の会場は超満員で立ち見での聴講者も多くおられました。
開会の挨拶:遊佐 厚PL |
プレゼンテーション:竹内昌治准教授 |
(7)日独マイクロナノ・ビジネスフォーラム
日独マイクロナノ・ビジネスフォーラムは、7月30日(木)10:30-14:15、展示会内特設会場Aにて開催されました。このプログラムは、MEMS協議会の海外アフィリエートであるドイツiVAMが主催するもので、今年は昨年から引き続き2回目となります。日独の企業が連携してビジネスチャンスを探ることを狙いとしています。
日独マイクロナノ・ビジネスフォーラム |
今回は5つの講演が集められました。3次元構造の評価・解析についてNanoFocusから、光MEMSの開発状況についてFraunhofer IPMSから、日欧の特許を含む技術移転について24IP
LAW GROUPから、超精密研磨技術について日本のTDCから講演があり、最後にiVAMのDirectorであるKleinkes氏から欧州、特にドイツのデバイス企業が現在の厳しい経済環境下、どのように対応しているか、解説がありました。ドイツは自動車産業がデバイス産業にとってマーケットを牽引する構造にあり、その不況はデバイス産業も苦しくしてしまう、現在は医療やエネルギーなど、自動車以外への展開が模索されている、というものでした。
来春のマイクロマシンサミットはドイツのドルトムントでの開催であり、ハノーバーメッセと連続した日程になっています。ドイツの企業や研究所との連携を探るイベントを企画する予定ですので、その際は皆様の参加検討をお願い致します。
(8)ファインMEMSプロジェクト成果発表会
マイクロナノ2009イベントの一環としてNEDO委託・助成「高集積・複合MEMS製造技術開発事業(ファインMEMSプロジェクト)」の成果発表会(主催:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、後援:経済産業省)が7月31日(金)に東京ビックサイト東5ホール内特設会場にて開催されました。オープニングでは、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 機械システム技術開発部岡野部長から主催者挨拶、続いて経済産業省製造産業局産業機械課 是永基樹課長補佐から来賓挨拶が行われました。また、本プロジェクトのプロジェクトリーダである東京大学大学院情報理工学系研究科長の下山勲教授からは「ファインMEMSプロジェクトの概要」と題して、プロジェクト成果の概要が紹介されました。引き続いて、委託事業の全9テーマ、助成事業の全8テーマの研究開発成果について各テーマの開発担当者から詳細に報告され、活発な討論が行われました。
昨年の中間成果発表会と同様に、200人ほどが入る会場がほぼ満席となり、さらに発表会予稿集も準備した400部が無くなるほどの盛況ぶりでした。同様に、展示会場内の「NEDOファインMEMSプロジェクト」ブースへの来訪者も多く、成果発表会の成果詳細等を議論する場として、こちらも大いに盛り上がりを見せていました。マイクロマシンセンターからは、一般向けに無償提供を開始した知識データベースとMEMS等価回路ジェネレータについて、それぞれパネルとPCによるデモンストレーションを行い、多くの来訪者から好評と更なる内容の充実・拡張を期待するご意見を頂きました。発表会及び展示の終始熱気に包まれた会場の雰囲気からは、本プロジェクトの成果の対する関心が極めて高く、成果を製品化に活用した事例、新たな協力関係が多く生み出されることが期待されます。
成果発表会予稿集、パンフレットは、NEDOのプレスリリース「MEMS製造技術の最新成果と展望を展示会で発表」からダウンロードできます(PDFファイル)。下記URLよりご覧ください。
https://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/press/EP/nedopress.2009-07-17.9976326814/
ファインMEMS成果発表会場 |
ファインMEMSパネル会場 |
2 国際光学学会(SPIE Optics+Photonics2009)報告(2009年8月2日~6日)
宇宙適用3次元Nano構造研究開発の一環として、米国サンディエゴで行われた国際学会へ参加し、Nano関連技術の動向や、宇宙適用に関する最新状況などを調査してきました。学会は4つの分科会(NanoScience+Engineering,
Solar Energy+Application , Photonic Devices+Applications, Optical Engineering+Application)から構成され、5日間にわたり基調講演やカンファレンスが行われました。
NanoScience+ Engineering分科会を中心に出席し、概要は以下の通りです。
1、Nano技術:太陽電池の高製造効率化を目的としたボトムアップ製法や、太陽電池の酸化亜鉛コーティングの高面積対応を目指したインクジェット技術適用例の報告など。また、ファイバ製造技術を応用したNanoワイヤ製作技術の紹介や、光部品を全面的に取り入れた光PCの試作や課題などの報告もあり。実際の適用 用途を念頭においての研究が進んでいるとの印象である。
2、プラズモニクス技術:金属Nano構造と光学分野を融合したプラズモニクス技術について、金属表面に局在化するプラズモンの特性は、表面に形成したナノ構造形状に依存してさまざまな特徴を示すこと等が多数報告された。その他、シミュレーションと実験的検証結果との比較報告や理論発表などの多くのセッションが開催され、急速な進展が期待される技術と感じとれた。
3、宇宙分野技術:宇宙分野へのNano技術応用の一つには、高度計測用や追尾用の宇宙レーザー発振装置の小型軽量化・省電力化への貢献があった。過去から現在までの仕様の推移や、今後に求められる姿などが紹介された。
また、今年が望遠鏡400周年かつ宇宙望遠鏡50周年の年にあたることから、天体観測のこれまでの成果や今後の展望などが講演されました。観測時の大気の揺らぎ補正にNano技術が使われていることなど、巨大な宇宙と微細なNanoとの両方に一度に触れることができ、とても興味深く聞くことができました。
学会会場(San Diego Convention Center) |
会場ロビー(San Diego Convention Center) |
1 第13回MEMS講習会の開催(2009年10月9日)
前回、本講習会を8月28日とお知らせしておりましたが、都合により開催日を以下のとおり延期させていただきたく存じます。
(財)マイクロマシンセンターでは、MEMS開発者(ニーズ)とMEMSファンドリー(シーズ)の技術交流を目的としてMEMS講習会を年2回開催してまいりました。今回は第13回MEMS講習会「ロボットを身近にするセンサ・MEMS技術」を下記のとおり開催いたします。
マイクロマシン/MEMS技術の応用分野としてロボットが注目されています。なかでも、介護・案内・娯楽サービス用ロボットは、今後ニーズが急速に伸びていくものと予想されます。
基調講演として、MEMS及びロボット研究の第一人者である、立命館大学杉山先生、並びに、東京大学下山先生をお招きしてMEMS、ロボット開発の現状とMEMSへの期待についてお話しいただき、そのあとに、センサ開発事例とMEMSファンドリー活動をご紹介したく準備を進めております。本会をロボット開発者、センサメーカー、ファンドリーメーカー、さらにはMEMS技術者相互の交流の場にしたいと考えております。
プログラム内容が決定次第、受講者募集についてマイクロマシンセンターのホームページ上でご案内いたします。皆様の積極的なご参加をお願い致します。
第13回MEMS講習会「ロボットを身近にするセンサ・MEMS技術」
開催日時:2009年10月9日(金)13:00~18:20~19:30
開催場所:アルカディア市ヶ谷(東京・私学会館)
〒102-0073 東京都千代田区九段北4丁目2番25号
TEL:03-3261-9921(代表)
地図URL http://www.arcadia-jp.org/
参 加 費:一般 10,000円/MEMS協議会メンバー 8,000円
問合せ先:〒101-0026 東京都千代田区神田佐久間河岸67 MBR99ビル 6階
財団法人マイクロマシンセンター 普及促進部(原田)
TEL 03-5835-1870, FAX 03-5835-1873
プログラム:
13:00~13:10 主催者挨拶(マイクロマシンセンター:青柳専務理事)
13:10~13:55 MEMSの集積・融合の進展と新産業創出への期待(仮題)
(立命館大学 ナノマシンシステム技術研究センター長 : 杉山 進 教授)
13:55~14:40 ロボットに必要なMEMS技術(仮題)
(東京大学 情報理工学系研究科長:下山 勲 教授)
14:40~15:20 (調整中)
15:20~15:50 MEMS用設計・解析支援システム「MemsONE」紹介
15:50~16:20 <休憩及び技術相談会>
(ナノインプリント実演、MemsONEによる標準レシピ活用デモ等)
16:20~16:50 振動型センサの自励振動シミュレーション
16:50~17:50 (調整中)
17:50~18:20 ファンドリーサービス産業委員会活動紹介
(ファンドリーサービス産業委員会委員長:佐藤文彦)
18:30~19:30 懇談会
2 MEMSアフィリエート関係のイベント
1.産業技術総合研究所
マイクロナノ量産技術と応用デバイス製造に関する新事業開拓イノベーション人材育成
地域連携ワークショップin信州
期日:平成21年9月28日(月)13:30-17:30
主催:産業技術総合研究所、信州大学、長野県テクノ財団、経済産業省関東経済産業局
共済:岡谷市、NPO諏訪圏ものづくり推進機構、精密工学会「MEMS商業化技術専門委員会」、
NPO-PEN「MEMS商業化プロジェクト」、産業技術連携推進会議「MEMSものづくりネットワーク研究会」
会場:テクノプラザおかや(〒394-0028 長野県岡谷市本町1丁目1番1号)
参加費:無料
【内容】講演
・デバイス集積化領域-マイクロ流体デバイスの応用展開-細胞から深海まで
(福場 辰洋・東京大学特任准教授)
・光MEMSの基礎-マイクロミラー等の開発を通して学ぶ光デバイス技術
(伊藤 高廣・九州工業大学教授)
・転写によるマイクロ・ナノ製造拠点―環境エネルギー分野への展望―
(服部 正・兵庫県立大学教授)
・信州大学が取り組んでいるMEMS事業の内容と柔軟接触荷重センサー
(中山 昇・信州大学 准教授)
・人材育成の自立化に向けて(マイクロマシンセンター)
・MEMS用設計・解析支援システム「MemsONE」ご紹介(マイクロマシンセンター、ビデオ上映)
【お申込】 mems-seminar@m.aist.go.jp
必要事項 氏名(ふりがな)、会社名・所属、e-mailアドレス (申込締切9月24日(木))
【お問い合わせ】
(独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 高橋正春 TEL:029-861-7849
信州大学工学部機械システム工学科 中山昇 nobo@shinetsu-u.ac.jp
1 経済政策動向
■月例経済報告(8月11日)
8月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、厳しい状況にあるものの、
このところ持ち直しの動きがみられる。先行きについては、当面、雇用情勢が悪化するなかで、厳しい状況が続くとみられるものの、在庫調整の一巡や経済対策の効果に加え、対外経済環境の改善により、景気は持ち直しに向かうことが期待される。一方、生産活動が極めて低い水準にあることなどから、雇用情勢の一層の悪化が懸念される。加えて、世界的な金融危機の影響や世界景気の下振れ懸念など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。」としています。
政府は、当面、景気対策を最優先で進めるため、「経済危機対策」等を着実に実施する。また、「安心・活力・責任」の3つの目標を同時に達成するための道筋を示す「経済財政改革の基本方針2009~安心・活力・責任~」に基づき経済財政運営を進めるとしています。また、日本銀行に対しては、我が国経済が、物価安定の下での持続的成長経路に復帰するため、引き続き政府との緊密な連携の下で、適切かつ機動的な金融政策運営を期待するとしています。
詳しくは以下の資料をご参照ください。
○ 月例経済報告関係資料
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2009/0811getsurei/main.pdf
■経済産業省の主な経済指標(鉱工業指数調査 2009年6月分 2009年8月12日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査・分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2ヶ月の予測の把握を行うものです。最新版の概要は以下の通りです。
○ 生産は持ち直しの動きで推移
• 今月は、生産、出荷が上昇、在庫、在庫率は低下
• 製造工業生産予測調査によると、7月、8月とも上昇を予測。
• 総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移。
6月の生産指数の確報値は、前月比2.3%の上昇となり、指数水準は80.9(季節調整済)となりました。生産の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業、電気機械工業等でした。
また、出荷指数の確報値は、前月比3.5%の上昇となり、指数水準は81.7(季節調整済)。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業等でした。
在庫指数の確報値は、前月比▲1.1%の低下となり、指数水準は95.3(季節調整済)。 在庫の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、石油・石炭製品工業、窯業・土石製品工業等でした。
在庫率指数の確報値は、前月比▲10.0%の低下となりました。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
鉱工業指数
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-2.html
2 産業技術政策動向
■総合科学会議の動向
総合科学技術会議は、平成21年8月11日(火)に、平成22年度科学技術振興調整費概算要求方針を公表しました。
詳細はこちらをご覧ください。
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyoutyou/h22gaisanyokyuhoshin.pdf
■平成21年度産業技術関連予算の概要
経済産業省の産業技術予算のうち、「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発」については、NEDO運営交付金472億円の内数として認められています。
http://www.meti.go.jp/press/20081224001/20081224001-5.pdf
■イノベーション創出を取り巻く関連政策動向
1.G8における温暖化対策についての宣言
7月8日の主要先進国8カ国による首脳会議で、「先進国が地球温暖化ガスを、2050年までに80%以上削減する」との宣言を採択しました。
ことしのG8は、イタリアのラクイラで7月8日から10日まで行われ、8日にはG8主要国会議、9-10日はG8以外のメンバーも参加した拡大会合が行われました。
8日のG8会合を受けての宣言では、先進国の80%削減という新たな長期目標が初めて採択されたものであり、昨年の洞爺湖サミットの「50年までに世界で50%削減する」との目標を上回るものとなっています。
ただ、G8以外の中国、インド等の途上国は、依然として数値目標についての合意に慎重な姿勢を崩していない。今回鍵を握ると目されていた中国の胡主席は、急遽会議を欠席して中国に帰国するなど、今年の12月にコペンハーゲンで行われるCOP15での合意について、まだまだ高いハードルがあるとの見方が一般的です。
我が国の麻生総理より、2020年までに2005年比15%削減という中期目標達成のため、低炭素革命を成し遂げていくとの我が国の決意を説明しました。首脳宣言においては、中期・長期双方の目標につき、基準年を1990年に限定せず、柔軟性を確保した文言となったことは(宣言では50%、80%の基準年を、「1990年または最近の年」という表現になっている)、我が国の主張が一部受け入れられたととらえられています。
参考:
http://www.g8italia2009.it/static/G8_Allegato/G8_Declaration_08_07_09_final,2.pdf
2.サミットの拡大会合でWTOの交渉を来年に妥結することを確認
主要国首脳会議(ラクイラ)は9日、主要8カ国に中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、EU、エジプト、スウェーデンを加えた拡大会合を開き、初の共同宣言を採択しました。
この中で、停滞が続く世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハラウンド)を2010年中に妥結させることを確認しました。
ドーハラウンドでは、米国とインド等の間で特に農業問題で溝が埋まらない状況が続いており、交渉は難航しています。
このような中で、宣言では、あらためて開放的な市場を維持・促進することへの強いメッセージが出されたことになる。宣言では、9月に米国のピッツバーグで開催される20カ国・地域首脳会合(G20,、金融サミット)の前に貿易担当大臣会合を開催することについても合意されています。
参考:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/italy09/pdfs/kyoudou_k.pdf
3.国際通貨基金(IMF)が日本の潜在成長率を発表
国際通貨基金(IMF)は、7月15日、2009年の対日審査報告を発表。
報告では、日本経済について、「2010年中に持続的な経済の回復が実現するものと思われる」としているものの、「潜在成長率は2007年の1.75%から中期的に1%に近づきうる」としています。
IMFの見通しでは日本のGDPの伸びは09年に6.0%のマイナス成長に落ち込んだ後、10年には1.75%の伸びに回復する。ただ、報告書では急速に悪化している労働市場、タイトな国内金融状況、海外景気の不確実性により、なお下振れリスクが強いと指摘しています。
金融政策面では、当局の緩和的なスタンスが金融市場の安定化と企業金融の円滑化に寄与しているとしています。
また、構造改革では、農業やサービス部門の規制緩和対日直接投資の促進等が必要とも指摘しています。
参考:
http://www.imf.org/external/japanese/np/sec/pn/2009/pn0982j.pdf
4.内閣府が21年度の経済動向試算を発表
内閣府は、7月1日平成21年度の経済見通しについて公表した。
平成21年度の経済見通しについては、4月に暫定試算を公表しているが、最新の経済指標等を踏まえ改めて試算したものです。
4月の暫定試算の際には、21年度の実質国内総生産は3.3%のマイナスとなっていたが、今回の改定でも同程度の数字となっている。これは、外需の寄与度は暫定試算を上回るものの、民需が下回る結果、実質GDP成長率は暫定試算と同じとなったものである。
試算では、雇用の大幅な調整、物価の下押し圧力によるデフレ懸念、世界の経済後退長期化の恐れ等の経済を下振れされるリスクが存在することに留意する必要があるとしています。
参考:
http://www5.cao.go.jp/keizai1/2009/0701shisan.pdf
5.中国経済4-6月期のGDP7.9%アップに
中国国家統計局は、7月16日、09年上半期の統計を公表しました。
まず、国内総生産(GDP)の伸びは上半期(1-6月)で対前年比7.1%のプラスとなりました。今年第1四半期(1-3月)の伸び率は、統計のさかのぼれる92年以降最低の6.1%でしたが、第2四半期(4-6月)には7.1%と回復しました。
上半期の固定資産投資の対前年比伸びは33.5%と大幅なものでした。このうち、インフラ投資の伸びは57.4%。特に、鉄道投資が126.5%の伸び、道路が54.7%の伸びと大きく、政府の景気刺激策が功を奏しているものと思われます。
上半期の消費財の小売売上高の対前年比伸びは15%と高い水準で、特に、家具の伸びが28.3%、自動車の伸びが18.1%と高くなっています。
しかし、貿易は依然として低調であり、上半期の輸出の伸びが21.8%ダウン、輸入の伸びが25.4%のダウンとなっています。この結果、貿易収支は約970億ドルのプラスとなっているが、この値は対前年比21億ドルのダウンとなりました。
今後の中国経済については、中国政府の公共投資がどこまで続くのか不透明な要素もあることが懸念されています。
参考:
http://www.stats.gov.cn/english/newsandcomingevents/t20090716_402572483.htm
6.6月の貿易黒字20カ月ぶりに増加
平成21年6月分の貿易黒字は5080億円となり、対前年同月比で20カ月ぶりに増加しました。財務省は、23日に6月分の貿易統計の速報値を発表。輸出は対前年比35.7%減少の4.6兆円、輸入は41.9%減の4.1兆円となり、差し引き約5千億円の黒字となりました。輸出額、輸入額とも8-9カ月連続して減少したものの、黒字額は20カ月ぶりの増加となっています。
輸出額の減少は、2月には対前年同月比で49%のマイナスでしたが、マイナス幅は徐々に減少し6月は約36%の減少率となったものです。一方、輸入額の減少率は2月以降40%の水準が続いています。地域別では、アジア向けの輸出額の減少幅が縮小しており、6月のアジア向けの輸出額の減少幅は対前年同月比マイナス30%であり、特に中国向けの減少幅が24%のマイナスと減少幅が縮小しています。
対前年同月比で輸出額の減少が大きいものは、自動車がマイナス51%、鉄鋼がマイナス39%である。また、輸入額では、原粗油がマイナス64%、石炭がマイナス59%、非鉄金属がマイナス71%となっています。
参考:
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2009_06.pdf
7.「総合物流施策大綱(2009-2013)」の決定
政府は、7月14日の閣議で「「総合物流施策大綱(2009-2013)」を決定しました。
同大綱は、平成17年11月に策定されているが、今般その後の状況も踏まえて、新たな大綱を策定しました。
日中韓物流大臣会合等の政府間対話等によりアジアにおける広域的な物流環境の改善を図ることや、我が国の通関制度の必要な見直しを継続的に行うことにより、我が国の産業競争力の強化に必要な物流施策を大綱に盛り込んでいます。
今後の物流施策の基本的方向性として次の3つが挙げられています。
① グローバル・サプライチェーンを支える効率的物流の実現
・アジアにおける広域的な物流環境の改善
・貿易手続きや物流管理のIT化
・セキュリティー確保と物流効率化の両立
② 環境負荷の少ない物流の実現
③ 安全・確実な物流の確保
参考:
http://www.meti.go.jp/press/20090714001/20090714001-4.pdf
8.特許審査ハイウエイ、世界10カ国に拡大
6月30日、ハンガリーで開催された日ハンガリー特許庁長官会合において、両庁は特許審査ハイウエイ(PPH)の試行を8月3日から開始することで合意しました。
特許審査ハイウエイとは、一方の国で特許となった出願について、他方の国でその審査結果を参照しながら、早期審査を行う枠組みである。
2006年、我が国は米国と初めてPPHを開始し、その9カ国(米、韓、英、独、デンマーク、フィンランド、ロシア、オーストリア、シンガポール)との間でPPHを締結しています。
今回のハンガリーとの締結は、東欧地域ではロシアに次ぎ2カ国目で、我が国とこれら10カ国を合計した特許出願件数は、世界の出願件数の65%を占めることになります。
現在も、欧州特許庁(EPO)やカナダ特許庁等とPPH締結に向けた交渉を行っているとしています。
参考:
http://www.meti.go.jp/press/20090630012/20090630012.pdf
9、モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果
総務省は、7月17日、モバイルビジネス市場の動向に関する調査結果を発表しました。
それによると、2008年のモバイルビジネス市場規模は1.35兆円であり、前年比で17%増となっています。
このうち、モバイルコンテンツ事業(音楽、ゲームなどのコンテンツを販売する事業と定義。携帯電話端末を利用したものに限定して調査を行った。)の売上高は約4800億円である。また、モバイルコマース事業(携帯電話を利用した通信販売市場。①純粋な物販系市場②航空チケット、映画チケットなどのサービス系市場③株取引などによる手数料収入のトランザクション系市場の3分野で構成されている。)の売上高は約8700億円となっています。
モバイルビジネス事業は、近年の厳しい経済状況の中にありながらも、力強い成長を見せているとしています。
参考:
http://www.soumu.go.jp/main_content/000031544.pdf
10.「電波新産業創出戦略」の公表
総務省は、7月13日、「電波新産業創出戦略~電波政策懇談会報告書」を公表しました。
総務省では、我が国における2010年代の電波利用の将来像とそれを実現するための課題を明らかにするとともに、その利用方策について検討することを目的として、平成20年10月から「電波懇談会」を開催してきましたが、このほどその報告書が取りまとめられたものです。
報告書によると、提言されている新産業創出プロジェクトの実現により、2020年には50兆円規模の新たな電波関連市場が創出され、これらの直接効果に加え70兆円規模の波及効果を創出するとしています。
このため、2015年までに5つの新産業創出プロジェクトを創設することを提言しています。5つのプロジェクトとは①インテリジェント端末プロジェクト②ブロードバンドワイヤレスプロジェクト③家庭内ワイヤレスプロジェクト④医療・少子高齢化対応プロジェクト⑤安心・安全ワイヤレスプロジェクトです。
さらに、これらのプロジェクトの環境を整備するため、①新たな周波数再編アクションプランの策定②アプリケーション開発や社会実証の推進③ブロードバンドワイヤレスフォーラムの設置④電波利用制度の抜本的見直し⑤電波利用環境の整備についても併せて提言しています。
総務省では、本報告書の提言を踏まえ、今後速やかに所要の施策を講じていくとしています。
参考:
http://www.soumu.go.jp/main_content/000030537.pdf
11.「レアメタル確保戦略」の策定について
経済産業省は、7月28日、総合資源エネルギー調査会工業分科会における検討結果を踏まえ、「レアメタル確保戦略」を取りまとめました。
レアメタルは、自動車、IT製品等の製造に不可欠な素材であり、その安定供給は我が国製造業の維持・強化の観点から極めて重要との観点から本戦略が取りまとめられたものです。
この中では、レアメタル確保に向けた4つの柱として次の事項が提言されています。
① 鉱山等の周辺インフラ整備についてODAツールとの一体的な支援を図るとともにJOGMEC(石油天然ガス ・金属鉱物資源機構)等の機能の活用を行い海外資源確保に積極的に取り組む。
② 携帯電話、デジタルカメラ等の製品について、リサイクル・システムの構築に着手
③ ナノテクノロジーを活用した代替材料開発の実用化につながる研究開発の促進
④ 備蓄対象鉱種(マンガン、モリブデン、バナジウム、クロム等)について積み増し等に機動的に取り組むとと もに、対象外の鉱種についても備蓄対象とするかの評価を継続して行う。
参考:
http://www.meti.go.jp/press/20090728004/20090728004-3.pdf
12.4~6月の鉱工業生産指数5期ぶり上昇
経済産業省は、7月30日に今年4~6月の鉱工業生産指数を発表しました。
それによると、今年4~6月の鉱工業生産指数(速報値、2005年100)は78.3となり、前の期に比べて8.3%上昇しました。上昇は5期ぶりです。
生産の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業、化学工業(除く医薬品)等でした。品目別にみると、モス型半導体集積回路、普通乗用車の上昇が大きくなっています。
また、生産者出荷は、対前期比6.4%の上昇となっています。在庫についても、対前期比4.4%の減少となりました。在庫の減少に寄与した業種は、輸送機械工業、石油・石炭製品工業、窯業・土石製品工業等です。
製造工業生産予測調査では、7月は前月比1.6%の上昇、8月は同3.3%の上昇となりました。総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移しています。
参考:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/h2a1906j.pdf
13.6月の失業率さらに悪化
総務省・統計局は7月31日、6月分の有効求人倍率及び完全失業率を発表しました。
それによると、6月の完全失業率(季節調整値)は5.4%であり、前月に比べさらに0.2%悪化、5カ月連続で悪化したことになります。
主な産業別就業者数を前年同月で比べると、「製造業」、「建設業」、「農業」などで減少が大きいものの、「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」、「教育、学習支援業」などで増加しています。
また、厚生労働省も同日に有効求人倍率を発表しているが、6月の有効求人倍率0.43であり、この数字も悪化しています。
生産の持ち直しの兆しが見えているものの、雇用情勢は依然として厳しい状況にあるといえます。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf
■NEDO産業技術政策関連
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1049号 - 平成21年8月5日 電子・情報通信技術特集
• 1 フォトマスクの技術開発動向 NEDO電子・情報技術開発部
• 2 ナノ技術の半導体電磁波デバイスへの適用 NEDO電子・情報技術開発部
• 3 数層グラフェンの昇華で連結ナノ構造の形成と自己被覆を発見(米国)
• 4 二層グラフェンでバンドギャップ0~250meVの制御に成功(米国)
• 5 集積回路の配線材料でグラフェンの性能が銅を凌ぐ可能性(米国)
• 6 柔軟なメモリ:NISTはフレキシブル記憶抵抗を開発(米国)
• 7 数学的な進歩によるITセキュリティーの強化(欧州)
• 8 自然からのインスピレーションを受けて、より良いラジオを作製する(米国)
• 9 FP7における情報通信技術ワークプログラム (EU)
詳細は以下を参照してください。
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1049/index.html
1 COOL BIZの実施
財団法人マイクロマシンセンター及び技術研究組合BEANS研究所では、9月末の間、COOLBIZを実施致しておりますので、気楽な服装でお越し下さい。
(当財団はCOOL BIZ賛同団体です。)
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