1 「高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクト」(事後評価)分科会を開催
ファインMEMSプロジェクトの締めくくりとして、事業を実施した3年間の研究開発の評価を行う“NEDO研究評価委員会 第1回「高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクト」(事後評価)分科会が、10月5日(月)WTCコンファレンスセンターで開催されました。
評価分科会は帝京大学理工学部情報科学科の大和田邦樹教授を会長とする7名の委員の方々で構成され、当日はプロジェクトの位置づけ・必要性及び研究開発マネジメントについてNEDOプロジェクト担当部である機械システム技術開発部の犬塚主査が説明し、さらに研究開発の成果・実用化見通し概要をプロジェクトリーダーの東京大学下山勲教授から説明が行われました。
引き続いて、非公開セッションで助成事業の全8テーマの研究開発成果について各企業の開発担当者が発表し、公開セッションでは委託事業(ファインMEMS知識データベースとシステム化設計プラットフォームを除く)全7テーマの研究開発成果について、サブプロジェクトリーダーの立命館大学杉山進教授より報告が行われました。またファイン知識データベースの整備とシステム化設計プラットフォームの開発成果については、公開セッションの最後に、マイクロマシンセンターMEMSシステム開発センターの逆水企画管理部長と小池センター長がそれぞれ発表を行いました。
分科会では、研究開発の実施者、プロジェクトリーダー、サブプロジェクトリーダー、NEDO機械システム技術開発部と評価委員の間で活発に質疑応答が行われました。評価委員の方々には、本プロジェクトによって世界をリードできる独創的・先端的な研究成果が生み出されていることをご理解頂き、総じて優れた成果が得られた研究開発であったと総評がありました。
今回の分科会による評価は、NEDO研究評価委員会の審議を経て平成22年1月末に確定する予定です。
2 第13回MEMS講習会の開催(2009年10月9日)
マイクロマシンセンター・ファンドリーサービス産業委員会(委員長:オムロン(株)佐藤文彦氏)主催の第13回MEMS講習会「ロボットを身近にするセンサ・MEMS技術」を、10月9日(金)に、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で開催しました。
今回は、MEMS技術の新しい応用分野として期待が高まっているロボットに焦点を絞り、センサを始めとするMEMS技術に関して、以下のプログラムにて講演会を行いました。
プログラム
1、開会挨拶 マイクロマシンセンター 青柳専務
2、講演
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(1)MEMSの集積・融合の進展と新産業創出への期待 |
立命館大学、杉山教授 |
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(2)ロボットのコア技術としてのMEMS |
東京大学、下山教授 |
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(3)レーザレンジファインダを利用した実世界計測の原理と応用 ~文化遺産アーカイブ、ITSを例に~ |
東京大学、小野特任助教 |
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(4)家庭用サービスロボットと触覚センサ技術 |
パナソニック(株)、水野主任技師 |
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(5)ムラタセイサク君、セイコちゃんへのMEMSセンサの応用 |
(株)村田製作所、辻主任 |
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(6)オムロンのMEMSセンサ技術 |
オムロン(株)、佐々木技術専門職 |
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(7)MEMS回路シミュレータMEMSpiceによる振動型デバイスの解析 |
(株)数理システム、水田常務取締役 |
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(8)MEMS等価回路ジェネレータ |
静岡大学、橋口教授 |
3、ファンドリーサービス産業委員会活動紹介 佐藤委員長(オムロン(株))
冒頭、青柳専務御挨拶に続いて、基調講演として杉山先生からMEMS応用システム・デバイスの最新動向についてお話しいただきました。そのあと、下山先生からテーマ講演「ロボットのコア技術としてのMEMS」があり、サービスロボットは近い将来「あれば嬉しいもの」から「ないと困るもの」になり、MEMSセンサ・アクチュエータがコアデバイス・技術になるという動向予測と研究開発状況についてご説明いただきました。
テーマ講演のあと、ロボット制御に欠かせない視覚・触覚・角速度・人と環境などを計測するセンサ技術に関して、4件ご紹介いただき、学術講演会ではなかなか聞けない開発秘話もご披露いただきました。さらにセンサ設計に必須のMEMS/LSI統合解析技術を2件、途中の休憩時間を利用したファンドリーサービス産業委員会の全委員による技術相談会をはさんで、最後に委員長による同委員会の活動紹介で講演会を締めくくりました。
産業界を取り巻く厳しい経済環境を吹き飛ばすかのように、会場は聴講に来られた参加者の皆さまで満席になり、盛況の講演会となりました。また、講習会の終了後、別会場でファンドリーサービス産業委員会委員、講師の方々と参加者の皆さまとの懇談会を開催しました。和やかな雰囲気の中にも熱い議論が繰り広げられ、大いに交流が図られました。本講演会を盛り上げていただいたご関係各位に厚く御礼申し上げます。
講演会風景 |
杉山 進教授(立命館大学) |
下山 勲教授(東京大学) |
懇親会風景 |
3 MEMS分野の人材育成ワークショップ報告(2009年9月 28日)
関東経済産業局の産業技術人材育成支援事業(産学人材育成パートナーシップ等プログラム開発・実証事業)として(独)産業技術総合研究所が進めている「マイクロナノ量産技術と応用デバイス製造に関する新事業開拓イノベーション人材育成」の一環として、9月28日の午後、長野県岡谷市の「テクノプラザおかや」で、「地域連携ワークショップin信州」が、地元製造業の経営者、担当者の方々、本人材育成事業の関係者など67名が参加し、開催されました。このワークショップは、長野県諏訪地域が精密化工業が盛んであること、信州大学が22年度から総合工学研究科博士課程専門職コースの中でMEMSの研究室を開設することになっていることから、産総研、信州大学、長野県テクノ財団の主催・連携のもとで行なわれたものです。
ワークショップでは、産業技術総合研究所の前田龍太郎上席研究員が、「マイクロナノ量産技術と応用デバイス製造に関する新事業開拓イノベーション人材育成」の事業全体を説明した後、関東地域、関西地域、九州地域で進めている同事業の講座の例を紹介されました。
マイクロマシンセンターからは、本人材育成事業について、各地域コンソーシアム・公設試・大学と連携して各地域の特色を活かしたカリキュラムを体系化して一体的な講座運営を行なう計画を紹介するとともに、休憩時には会場でMEMS用設計・解析支援システム「MemsONE」についてビデオ紹介もいたしました。
ワークショップ風景 |
実証講座のポスター展示 |
ワークショップの内容は以下のとおりです。
1 |
「マイクロナノ量産技術と応用デバイス製造に関する新事業開拓イノベーション人材育成」事業について (産業技術総合研究所 前田龍太郎上席研究員)
マイクロナノ微細加工技術は我が国の製造業の活性化に重要な分野。この微細加工については実際に体で感じる(体験)ことによる育成が必要であり、体験するには産総研などの公的機関での設備を活用する(企業の設備は生産用で教育用でない)ことがベスト。この人材育成事業は全国展開・連携を図る |
2 |
デバイス集積化領域 マイクロ流体デバイスの応用展開 細胞から深海まで
(東京大学 木下晴之特任教授)
マイクロ流体の計測と制御、分子エンジニアリング、セルエンジニアリングについて、化学、生化学、医療、バイオ、環境分野への応用例を紹介。チップサイズの実験室・化学工場であるμTAS、シリコンゴムの一種 であるPDMSを使ったマイクロ流体デバイスの作製(ソフトリソグラフィー法)の紹介、及びマイクロ流体デバイスを応用した現場分析例(深海などの海洋環境調査での微生物遺伝子解析装置(IISA-Gene)など)が紹介された |
3 |
光MEMS基礎 マイクロミラー等の開発を通して学ぶ光デバイス技術(九州工業大学 伊藤高廣教授)
九州地域の実証講座「光MEMS基礎 マイクロミラー等の開発を通して学ぶ光デバイス技術」の紹介。マイクロミラー、マイクロ光センサーなどの光MEMSの設計とプロセスについて、基板製造から応用デバイスまでの設計演習と製造実習の内容など、これまでに整備した各講義項目とスケジュール(全体の流れ)について紹介された。 |
4 |
転写によるマイクロ・ナノ製造拠点 環境エネルギー分野への展開(兵庫県立大学 服部正教授)
微細金型による転写をベースとしたナノマイクロファブリケーション技術は、中小企業が参入できて、価格競争に勝てる技術を備えた人材の育成が必要。導光板や静電容量型センサ(傾斜角センサ)の技術開発例の紹介。 |
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<休憩:MEMS用設計・解析支援システム「MemsONE」についてビデオ紹介、関東・関西・九州地域の実証 講座のポスター展示> |
5 |
信州大学が取り組んでいるMEMS事業の内容と柔軟接触荷重センサー(信州大学 中山昇准教授)
知的クラスター創生事業、第2期「長野・上田地域知的クラスター創生事業」の紹介。信州大学が取り組んでいるMEMS事業として、経済産業省産学連携中核人材育成事業「諏訪圏における超微細加工活用人材育成コースの構築」で信州大学大学院の博士課程専門職コースの紹介。 |
6 |
人材育成事業の開講に向けて(マイクロマシンセンター 阿出川俊一部長)
MEMS市場規模の拡大への対応として人材確保が急務であることを受け、効果的な人材育成のための施策として、産学連携による実践的な人材育成や、社会人を対象にしたMEMS技術講座、研修コースの充実が必要であると述べた。「マイクロナノ量産技術と応用デバイス製造に関する新事業開拓イノベーション人材育成」の今後の運営については、連携を生かした運営体制と目標人物像に対応したカリキュラムの体系化(基礎から応用イノベーション)し、本事業を進めている関東、関西、九州の各地域に東北地域も加えた全国展開を進めることを紹介 |
4 マイクロナノ2010の基本計画を策定
来年度開催する総合イベント マイクロナノ2010の基本計画を策定いたしました。
9月10日、主催者であるマイクロマシンセンターおよびオーガナイザーのメサゴメッセフランクフルトとミーティングを行い、マイクロナノ2010の基本コンセプト、目標等について合意をしました。今後、この基本計画に沿って具体的な検討を進めることになります。
マイクロナノ2009は、景気の影響を強く受けて、ここ数年で初めて出展社数および来場者数の減少を経験しました。来年度は、不透明な先行きではありますが、何とか挽回して、元の成長基調に戻したいと考えています。
基本計画の概要としては以下のことを考えております。
1、 日時・場所:2010年7月28~30日 10時~17時 東京ビッグサイト
2、コンセプト:名実ともに世界最大のMEMS/マイクロテクノロジーの国際展示会へ
3、目標値:出展社数を指標とし、2008年並みに戻す。
4、目標値達成の手段:新規にMEMSセンサーなどを含むロボットの製造技術に焦点を当てた「ROBOTECH」を同時開催(加えて、表面技術に関する「SURTECH」も併催。)また、ナノインプリントや海外アフィリエートとのワークショップなど、同時開催のセミナーを充実させる、等。
事前プロモーション活動や展示会におけるコンシュルジュの充実なども合わせて、出展社、来場者にとって最も価値のある技術情報、ビジネス情報、ビジネス機会をワンストップで提供できるように企画を進めて参ります。ぜひご期待いただき、ご出展、ご来場の検討をお願い致します。
5 MEMSにおける形状計測法に関する標準化事業の開始
マイクロマシンセンターではMEMSに関する標準化を進めていますが、今年度、経済産業省より受託(神戸大学と共同)して新たな研究開発を開始しました。MEMSの形状計測法に関する標準化です。
MEMSに限らず物を作るには設計者と製作者の意思疎通が重要です。MEMSの場合、長時間のウェットエッチングや深堀ドライエッチングにより製作する3次元の構造物ですので、その形状(高さ、深さ、幅、テーパー角度、表面粗さ等)の表示・指定が必要ですがその標準はありません。マイクロスケール寸法であるがゆえに、MEMS構造に適した幾何形状の計測法や表示法が確立されていないのです。
現在予定している実施手順は、まずマイクロスケールの基準試験片を作り、これを各種測定法で計測します。測定法は様々な方法がありますが、操作性や精度等から評価します。この結果の比較より、MEMSに適した形状の表示法と、構造やスケールに適した計測法を選定します。
本事業は21年度より3年間の研究開発を行い、IEC国際標準の提案を予定しています。本事業の成果は、MEMS製作に携わる関係者、発注者(設計者)と製造者の意思疎通向上等に活用され、デバイス開発期間の短縮や歩留まり向上に寄与すると期待されています。
6 台湾工業技術研究院(ITRI)と海外アフィリエート関係に(2009年10月~8日)
MEMS協議会(MIF)の海外アフィリエートとして良好な関係を台湾工業技術研究院(ITRI)と結ぶべく、10月7日、台湾新竹にある同研究所を訪問し、ミーティングを行ないました。
現在、MIFとしては18の国際的な研究機関や組織と海外アフィリエート関係を結んでいます。EU域内では、フィンランドのVTT、ベルギーのIMEC、ドイツのFraunhofer、フランスのLETIなど、米国ではBSACやMEMS
Industry Group(MIG)など、アジアでは中国やシンガポールを網羅しています。ところが、先進的で常に注目すべき台湾ITRIとは関係ができていませんでした。MEMS協議会メンバー企業との協業の可能性に加えて、つくばにおける今後の研究開発拠点の整備を実効性のあるものにするためにもOpen
Innovationは重要な方針であり、国際的な交流を含む多様な共同研究が革新を生むはずです。台湾、さらにはアジアを代表する研究機関であるITRIとはぜひとも良好な関係を構築しておくべきと考えておりました。
ITRIからはMEMSの中心である、Microsystems Technology Center(MSTC)のトップであるT.C.Ho氏を始め6人が参加し、当方からは青柳MMC専務理事、産総研の高木氏、MIFメンバー企業の住友精密から竹迫氏、そして片白(MMC)が参加しました。ITRIから研究所の概要と関連テーマの紹介を受け、当方からはMIFの活動紹介およびコラボレーションの可能性について考えを述べました。相互の理解を深め、議論をした後、双方、海外アフィリエート関係を結ぶことに基本合意しました。今後、双方にとってメリットのあるコラボレーションのあり方を具体的に検討していくことになります。
ミーティング参加者 |
台湾工業技術研究院外観 |
7 MNE2009(ベルギー)報告(2009年9月27日~10月2日)
35th International Conference on Micro and Nano Engineering (MNE2009)が9月27日(月)~10月1日(木)までの4日間の日程でベルギーのゲント(大学が多く集まる学園都市:Ghent、Belgium)のICC(International
Conference Center) GhentにてIMECのK. Ronse博士をチェアマンとして開催されました (http://www。mne09。org/)。
「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト(BEANSプロジェクト)」における知識データベース整備に係る最新MEMS関連製造技術知識情報収集調査を行うことを目的として本会議へ参加しました。
MNEはマイクロ/ナノ・ファブリケーションに関する国際会議であり、特にリソグラフィおよびナノ・マイクロ・パターニング技術とその応用技術として、ナノエレクトロニクス、MEMS、BioMEMS等を中心に議論されます。また、MNEは米国のEIPBN(the International Conference on Electron-、 Ion- and Photon- Beam Technology and Nanofabrication)と日本の応用物理学会が主催するMNC(the International Conference on Microprocesses and Nanotechnology)の両会議と強く連携する国際会議でもあります。
講演はPlenary 6件、Invited 11件、Oralが88 件、Poster 367件が採択されました。地域別では欧州が61%、アジアが33%、北米が8%、他が1%であり、欧州が多いのは当然としても、アジアからの投稿が昨年度に引き続き多い結果となっています。分野別ではLife関連が22%、リソグラフィ関連が31%、MEMS関連が11%、Nano関連が30%と主催者発表がありました。対して参加者の地域別割合はオープニング時点全体で、EU圏内68%、アジアが25%、北米が5%です。また、併せて24の企業、機関が出展する展示会も併設開催されていました。講演数、出展者数について、昨年度MNE08@Athensの80%-70%に減少している原因は経済状況の問題もあるのかと感じます。
実際の講演についてはPlenary講演以外、Life分野、リソグラフィ分野、MEMS分野、Nano分野について3つのパラレル・セッション形式で行われました。Oralの講演内容では、BEANSプロジェクトに関連するセッションとして、Life分野4セッション(23件)、MEMS
3セッション14件あり、応用技術の講演として多くの割合を占めています。
Plenary講演ではIMECのCEOの話で高齢化社会に向けた無線Sensorの集積化が重要だとの意見で、無線センサの集積化では体調管理や高齢者の健康監視等で目的は世界共通であるとの話がありました。その後のOral
セッションでも高齢化社会というKeywordが多く出てきたことを考えると時代を感じます。
本会議ではマイクロ・ナノ構造写真のコンテストが行われており、Webサイト(http://www。mne09。org/)からいろいろな構造のSEM写真を見ることができます。尚、来年度はItalyのGenoaで9/19-22に開催される予定です。
会場内風景 |
ポスターセッション |
1 第19回マイクロナノ先端技術交流会の開催(2009年10月28日)
(財)マイクロマシンセンターでは、MEMS協議会の産学連携事業の一環として、賛助会員・MEMS協議会の専門家を対象に、マイクロナノ技術に関する各産業分野における先端技術への認識と理解を深め、マイクロナノ技術の普及啓発と産学の技術交流を図ることを目的として、「マイクロナノ先端技術交流会」を実施しています。
第19回のマイクロナノ先端技術交流会は、北九州市立大学国際環境工学部環境生命工学科の礒田隆聡先生、豊橋技術科学大学生産システム工学系の柴田隆行先生をお招きし、下記のとおり開催します。
◇◇◇◇ 第19回マイクロナノ先端技術交流会 ◇◇◇◇
◇開催日時:平成21年10月28日(水) 13:30~18:30
◇会場:マイクロマシンセンター「MMCテクノサロン」
◇プログラム:
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13:30~13:35 |
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主催者挨拶(MMC 青柳専務理事) |
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13:35~15:05 |
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講演① |
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講師: |
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北九州市立大学国際環境工学部環境生命工学科 礒田隆聡 先生 |
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講演題目: |
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「バイオセンサのチップ化とモバイルセンサネットワーク技術による新しい予防医学の可能性」 |
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講演概要: |
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近年、医療現場では治療技術から予防医学への転換期を迎えています。これを実現するためには、新しい生体計測方法が求められています。本講演では、抗体免疫反応を検出するためのバイオセンサの集積化と、センサネットワークによる新しい予防医学の可能性について紹介します。 |
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15:05~15:15 |
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休憩 |
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15:15~16:45 |
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講演② |
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講師: |
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豊橋技術科学大学 生産システム工学系 教授 柴田隆行 先生 |
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講演題目: |
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「マスクレス微細加工技術と細胞操作用MEMS」 |
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講演概要: |
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フォトリソグラフィの手法を用いずに,マイクロ・ナノ構造を創成するための新規な微細加工技術ならびに将来の医療・医薬分野の発展に不可欠な細胞機能解明のための種々の細胞操作用MEMSデバイスについて紹介します。 |
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16:45~17:00 |
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休憩・交流会会場に移動 |
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17:00~18:3 |
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技術相談及び講師の先生を囲む交流会(立食形式)(会場:MMC本部会議室) |
◇参加費:一般 6,000円 /MEMS協議会メンバー 2,000円
◇定 員:30名(定員になり次第、締切らせていただきます。)
◇問合せ先:〒101-0026東京都千代田区神田佐久間河岸67 MBR99ビル 6階
財団法人マイクロマシンセンター
マイクロナノ先端技術交流会担当(阿出川、酒向)
TEL 03-5835-1870, FAX 03-5835-1873
開催案内については、MEMS協議会ホームページやマイクロナノExpressでもご案内しますので、皆様のご参加をお願いいたします。
2 2009国際ロボット展への出展
(財)マイクロマシンセンターでは、2009年11月25日から東京ビッグサイトで開催される2009国際ロボット展に出展いたします。
今回は、介護、案内、娯楽などのサービス用ロボットの開発に役立つ要素部品とその製造技術をテーマとして、次のようなマイクロマシン/MEMS技術をご紹介する予定です。
(1)マイクロマシンセンターのご紹介
(2)センター活動:MEMSモール、設計・解析シミュレータ「MemsONE」
(3)サービス用小型ロボット要素部品としてのセンサMEMS
(4)マイクロマシンプロジェクト成果「マイクロファクトリ」要素技術
◇◇◇◇◇◇ 開 催 概 要 ◇◇◇◇◇◇
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◇会 期 |
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2009年11月25日(水)~11月28日(土) |
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◇会 場 |
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東京ビッグサイト 東ホール |
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◇名 称 |
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2009国際ロボット展 [ INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2009 ] |
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◇開催趣旨 |
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国内外における産業用・民生用ロボットおよび関連機器を一堂に集めて展示公開し、技術の交流、利用技術の向上と市場の開拓などに貢献し、産業技術の振興に寄与する。 |
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◇テ ー マ |
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「 RT 次代への挑戦 - Challenge for the next - 」 |
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◇主 催 |
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社団法人 日本ロボット工業会、日刊工業新聞社(マイクロマシンセンター協賛) |
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◇前回来場者数 |
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104,211名 |
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◇HP URL |
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http://www.nikkan.co.jp/eve/irex/index.html |
3 日仏ホットトピックミーティングの開催
フランスの国際的な研究機関であり、MEMS協議会の海外アフィリエートでもあるLETI/MINATECと共同のワークショップを開催いたします。
日仏ホットトピックミーティング
◇主催:経産省(予定)、産総研、東北大学
◇協力:マイクロマシンセンター、マクロBEANS センター
◇日時: 10月27日(火) 10:30 開始
◇場所: 産総研 つくば東事業所
◇プログラム概要(検討中):
10:30開始
・午前の部:ロボットMEMS
東京大 下山先生の基調講演、日本側企業からのMEMSへのニーズ紹介、議論とりまとめ、など。
・午後の部I:ウエハーレベルパッケージおよび3D集積化
東北大 江刺先生のご発表とフランス側からのコメント等 議論とりまとめ、など。
・Beans実験室見学
・午後の部II:ワイヤレスネットワーク/エネルギー消費監視モニターと最適化
データセンターの省エネ用センサネット、産総研 前田上席研究員 議論とりまとめ、など。
・午後の部III:大面積MEMS/マクロBEANS
Beans研究者によるショートプリゼンテーション 議論とりまとめ、など。
4 MEMSアフィリエート関係のイベント
1、IMEC Executive Seminar
MEMS協議会 海外アフィリエートのひとつであるIMEC(ベルギー)の日本でのIMEC Executive Seminarが開催されますので、お知らせいたします。
◇期 日 : 2009年11月9日(月) 12:45~18:00(18:15-懇親会)
◇会 場 : ホテルニューオータニ(東京 紀尾井町)
◇名 称 : IMEC Executive Seminar in Japan
◇開催趣旨:日本の企業や研究機関を対象に、 IMECの幹部が来日して、IMECの概要や研究テーマなどを説明し、協業の可能性を探る。
◇HP URL : http://www.IMECjapanseminar.be
2、第5回 LETI Day in Tokyo
◇日時:2009年10月26日(月)9~18時
◇場所:京王プラザホテル東京 43階 (8:30開場)
◇主催:LETI
◇協賛:在日フランス大使館
◇主要テーマ:
オプティクスを含む、ヘテロ集積化、センサー、3D集積化、パッケージングなど、また、Green IT、ワイヤレス、エネルギー、ライティングのためのナノ技術の進展など。
詳しくは、下記、LETIのホームページをご参照ください。
http://www-leti.cea.fr/scripts/home/publigen/content/templates/show.asp?P=1106&L=EN
《経済・政策動向のトピック》
本項は、マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点から捉えて発信しています。
1.09年第2四半期の実質GDP、年率2.3%増に下方修正
内閣府は、9月11日、09年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)の改定値を発表しました。
それによると、物価変動を除いた実質GDPは前期比0.6%増となり、8月に発表した速報値0.9%増から下方修正しています。これを年率に換算すると2.3%増となり、速報値の3.7%増を下回っていることになります。
実質GDPを寄与度でみると、内需がマイナス1.1%(速報値はマイナス0.7%)、外需が1.6%の増(速報値と同じ)です。
また、内需を項目別にみると、個人消費が0.7%増(同0.8%増)、住宅投資がマイナス9.5%(速報値と同じ)、民間設備投資がマイナス4.8%(同マイナス4.3%)、公共投資が1.1%増(同1.2%増)です。
8月の速報から今回の2次速報の違いは、推計に用いる基礎統計の追加などで改定されています。今回の修正は、民間設備投資、民間在庫品についての新たな数値の入手等により改定されているものです。
参考:http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe092-2/main1.pdf
2.企業の景気予測は上昇傾向
内閣府と財務省は、9月17日、法人企業景気予測調査の結果を発表しました。
それによりますと、7~9月期の大企業全産業の景況判断指数(上昇と答えた企業と下降と答えた企業の割合の差)は+0.3で、4~6月の-22.4から上昇に転じています。また、10~12月期の見通しでは+4.9、22年1~3月期の見通しも+4.4となっており景気が上昇すると答えた企業の方が多いという結果となっています。
しかし、中堅企業や中小企業の景況判断指数はいずれの数値もマイナスとなっており、下降すると答えた企業が多いという結果となっています。大企業と中堅・中小企業では景況に対する見方に若干乖離がみられます。ただ、中堅・中小企業においても景況指数は先に行くに従ってマイナス幅が減少しており、これらの企業においても先行きの景気は徐々に回復していくのではないかとの期待が高まっているといえます。
参考:http://www.mof.go.jp/bos/1c2102.pdf
3.8月の企業向けサービス価格、前年同月比3.5%低下
日銀は、9月25日、8月分の企業向けサービス価格指数(速報)を発表しました。
それによりますと、8月の企業向けサービス価格指数は前年同月比3.5%の下落となり、1985年の調査開始以来過去最大の下げ幅となりました。
下げ幅が大きいのは、運輸で前年同月比マイナス11.8%となっています。そのほか、公告がマイナス4.7%、情報サービスがマイナス1.8%となっています。逆に、プラスとなったものとしては、事務所賃貸が+0.3%、産業廃棄物処理が+0.7%、自動車修理が+0.6%などとなっています。
参考:http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/cspi/cspi0908.pdf
4.カナダとの特許審査ハイウエイ、10月から開始
特許庁は、9月21日、日本とカナダとの間で特許審査ハイウエイ(PPH)の試行を10月1日から開始することで合意したことを発表しました。
特許審査ハイウエイとは、一方の国で特許となった出願について、他方の国でその審査結果を参照しながら早期審査を行う枠組みです。
日本は既に米国、韓国、英国等世界10カ国との間でPPHを締結していますが、今回のカナダの間の合意は11カ国目となります。また、特許庁は更なるPPHの拡大のために欧州特許庁(EPO)等とPPH締結に向けた交渉を行っています。
参考:http://www.meti.go.jp/press/20090921001/20090921001.pdf
5.8月の全国消費者物価、過去最大の2.4%の下落
総務省は、9月29日、8月分の消費者物価指数を発表しました。
それによりますと、8月の全国の消費者物価指数(CPI:平成17年を100とする)は、生鮮食品を除く総合指数は100.1となり、前年同月比2.4%下落しました。下落は6カ月連続となり、比較可能な1971年以降で最大の下げ幅となっています。
生鮮食品を含む総合指数でも100.4となり前年同月比で2.2%の下落となっています。なお、前月比では0.3%の上昇となっています。総合指数が、2.2%の下落となった内訳としては、交通・通信(ガソリン等)、光熱・水道、教養娯楽(外国パック旅行等)の下落が主な要因となっています。
食品(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.5となり、前月比で0.1%の上昇、前年同月比では0.9%の下落となっています。
参考:http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
6.経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2009年8月速報分 2009年9月30日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。概要は以下の通りです。
-生産は持ち直しの動きで推移―
・今月は、生産、出荷が上昇、在庫は横ばい、在庫率は低下であった。
・製造工業生産予測調査によると、9月10月とも上昇を予測している。
・総じて見れば、生産は持ち直しの動きで推移している。
<8月の生産・出荷・在庫動向>
1)生産
8月の生産は、前月比1.8%の上昇と6か月連続の上昇(前年同月比は▲18.7%の低下)となり、指数水準は84.1(季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、鉄鋼業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等であった。品目別にみると、携帯電話、半導体製造装置、小型乗用車の順に上昇に寄与している。
2)出荷
8月の出荷は、前月比1.0%の上昇と6か月連続の上昇(前年同月比は▲18.6%の低下)となり、指数水準は84.5(季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、鉄鋼業、一般機械工業、石油・石炭製品工業等であった。
3)在庫
8月の在庫は、前月比0.0%の横ばい(前年同月比は▲10.4%の低下)となり、指数水準は95.0(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、輸送機械工業等、低下に寄与した業種は、一般機械工業、石油・石炭製品工業、精密機械工業等であった。8月の在庫率は、前月比▲0.8%の低下と3カ月連続の低下(前年同月比は11,4%の上昇)となり、指数水準は122.6( 季節調整済み)となった。
<製造工業予測調査>
製造工業生産予測調査によると、9月は前月比1.1%の上昇、10月は同2.2%の上昇であった。9月の上昇は、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業等により、10月の上昇は、情報通信機械工業、一般機械工業、鉄鋼業等による。8月の実現率は0.5%、9月の予測修正率は▲1.5%となった。
参考:http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/h2a1908j.pdf
7.IMF、世界経済成長の見通しを上方修正
国際通貨基金(IMF)は、10月1日、世界の経済見通しを発表しました。
それによりますと、2009年の世界全体の実質成長率の予想はマイナス1.1%と予想しており前回の7月の予想から0.3%上方に修正しています。また、2010年の成長率は3.1%と予想しており前回7月の予想より0.6%上方修正しています。
日本の予想は2009年がマイナス5.4%で前回7月より0.6%上方に予想しています。なお、2010年の日本の成長予測は1.7%であり前回と同じとなっています。
中国の2009年の成長予測は8.5%であり1.0%上方修正、2010年は9.0%と0.5%上方修正しています。
米国の2009年の成長予測はマイナス2.7%、2010年は1.5%と予想されています。また、EUの2009年予測はマイナス4.2%、2010年は0.3%成長の予測となっています。
参考:http://www.imf.org/external/pubs/ft/survey/so/2009/RES100109A.htm
8.8月の失業率は低下
総務省は、10月2日、8月の完全失業率を発表しました。
それによりますと、8月の完全失業率(季節調整済み)は、5.5%であり、7月より0.2%低下しました。失業率の低下は7カ月ぶりです。医療福祉分野の就業者数が40万人の増加となっていますが、製造業の就業者数は112万人の減とマイナスが続いています。
ひとまず、失業率の低下に歯止めがかかったといえそうですが、失業率の水準は依然として高く、過去最高水準が続いています。
また、厚生労働省は、同日に発表しました8月の有効求人倍率は0.42倍であり、2カ月連続で過去最悪の数字を更新しています。
参考:http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf
9.光通信の契約者がブロードバンドの契約者のうちで過半数を超える
総務省は、9月25日、ブロードバンドの契約者数等に関する最新の数字を公表しました。
それによりますと、平成21年6月末におけるブロードバンドサービスの契約数は3,093万となり、3月末から60万増加しました。
そのうち、FTTH(光通信)サービスの契約数は1,589万となり、ブロードバンドサービス合計数に占める割合が、初めて50%を超えました。
参考:http://www.soumu.go.jp/main_content/000039345.pdf
10.CO2の排出量、中国が1位
IEA(国際エネルギー機関)は、10月6日、2007年の世界のエネルギー統計を発表しました。
それによりますと、2007年のCO2の排出量は、中国は世界全体の20.8%となり米国の19.9%を抜いて初めて世界1のCO2排出量国となりました。
ちなみに、日本は4.3%、ロシアは5.5%です。
GDPあたりのCO2排出量で比べますと、日本は非常に少なくなっています。日本を1としますと、米国が2.1倍、ドイツが1.6倍、ロシアが16.3倍、中国が10.5倍となっています。
ただ、人口1人当たりのCO2排出量では日本を1としますと、中国は0.26倍、ロシアが1.16倍、米国が1.97倍、ドイツが1.0倍となっています。
参考:http://www.iea.org/textbase/nppdf/free/2009/key_stats_2009.pdf
11.世界の携帯電話の普及率が67%になる
国連の機関であるITU(国際電気通信連合)は、10月6日、2009年の通信の数表を発表しました。
それによりますと、2009年末の世界の携帯電話の契約数は46億人となり、人口で割った普及率が67%になると予想しています。2009年における家でテレビが見れる人口は49億人(普及率は71%)と予測されていますので、テレビの普及率と携帯電話の普及率はほぼ同じになることになります。
10年前の99年の普及率は10%を割っていましたので、10年で10倍近く増えたことになります。
また、2009年末のインターネットの世界人口における普及率は26%と予測され、これも10年で約10倍に増えると予想しています。
参考:http://www.itu.int/ITU-D/ict/material/Telecom09_flyer.pdf
12.8月の機械受注額は減少
内閣府は、10月9日、8月の機械受注統計を公表しました。受注した機械は6カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となっています。
それによりますと、8月の機械受注総額(季節調整値)は、対前月比1.9%減の1.63兆円となっています。7月は、対前月比7.5%の増となっていました。
需要者別に見ますと、民需は9.2%の増、官公需は7.2%の減、外需は15.7%減となっています。
民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の動向を見ますと、8月は0.5%増となっています。
内閣府は基調判断を「減少のテンポが緩やかになってきている」に据え置きました。
参考:http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/0908gaiyou.pdf
1 お知らせ
このたび、財団法人マイクロマシンセンター及び技術研究組合BEANS研究所の理事長につきましては、「野間口 有」(三菱電機株式会社取締役)から、「作田 久男」(オムロン株式会社代表取締役社長)に交代いたしました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
なお、新任挨拶は、新年の挨拶と併せまして、新年号において掲載させて頂きますのでよろしくお願い致します。
2 技術研究組合BEANS研究所の人事異動
平成21年10月1日付
(氏名) (新) (旧)
高野 隆好 交流研究員(パナソニック電工株式会社) 3DBEANS研究員
美濃 卓哉 3DBEANS研究員 パナソニック電工株式会社
大友 明宏 Macro BEANS主任研究員 東芝機械株式会社
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