マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、1月の企業物価指数、対前年比1.6%上昇
日銀は、2月10日、11年1月分の企業物価指数(速報)を発表しました。
それによりますと、1月の企業物価は対前月(2010年12月)比で0.5%上昇、対前年同月比では1.6%の上昇となりました。
対前年同月比で上昇するのは4カ月連続です。また上昇幅も前月(1.2%上昇)よりアップしています。
対前年同月比でアップした主な製品は、スクラップ類(+27%)、鉄鋼(+12%)、石油・石炭製品(+11%)、非鉄金属(+8%)等となっています。また、対前年同月比でマイナスとなった主な製品は、情報通信機械(▲5%)、電子部品・デバイス(▲4%)、電気機械(▲3%)等となっています。
参考:
http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi1101.pdf
2、2010年の機械受注、対前年比4.6%増
内閣府は、2月10日、2010年12月及び10年全体の機械受注統計調査の結果を発表しました。
それによりますと、2010年全体の「船舶・電力を除く民需」の受注額は対前年比4.6%増の8.9兆円でした。対前年比でプラスとなるのは4年ぶりであり、前年の▲27%減から大幅に回復しています。また、受注総額では対前年比+20%増の23.9兆円となり、3年ぶりのプラスとなりました。
同日、併せて22年12月の実績も発表されました。民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済)は前月比1.7%増の7,353億円で、4か月ぶりの増加となっています。
参考:
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/1012juchu-1.pdf
3、2010年10~12月の実質成長率はマイナス
内閣府は、2月14日、2010年10~12月期のGDP(国内総生産)の速報値(1次速報値)を発表しました。
それによりますと、同期間の実質成長率は前期比でマイナス0.3%(年換算マイナス1.1%)となり5四半期ぶりにマイナスとなりました。
民間消費が前期比▲0.7%マイナスと大きく減少したことが主たる要因となっています。エコカー補助金の終了や10月のタバコ税引き上げ前の駆け込み需要が原因と考えられます。この他、公的需要が▲0.7%減少したことも要因となっています。一方、プラスとなった項目としては、民間設備投資(+0.9%)、民間住宅(+3%)等が挙げられます。
あわせて、同日、2010年全体の成長率も発表しました。10年の実質成長率は3.9%となり、3年ぶりのプラスとなりました。また、同年の名目成長率も1.8%となり、これも3年ぶりのプラスとなります。
参考:
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe104/main_1.pdf
4、10年の消費支出実質で対前年比で増
総務省は、2月15日、2010年の家計調査の結果を発表しました。
それによりますと、2010年の2人以上の世帯の消費支出は1カ月平均で29万円であり、前年に比べて0.5%の減少となりました。ただ実質では0.3%の増加となりました。実質で増加するのは3年ぶりとなります。
2人以上の世帯で実質増加率が大きいものは、家庭用耐久財(対前年比+25%)、教養娯楽用耐久財(+49%)、住居(+7%)等となっています。これは、家電エコポイント制度によりテレビの購入が増加したこと等による効果が大きいことが寄与したものです。
また、同年の2人以上の世帯の実収入は月平均で52万円であり、対前年比で0.5%の増、実質では1.3%の増となりました。実質で増加するのは3年ぶりです。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk01.pdf
5、月例経済報告(2月21日)
内閣府は、2月21日、月例経済報告を発表しました。
2月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、持ち直しに向けた動きが見られ、足踏み状態を脱しつつある。ただし失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」としています。基調判断については、前月に引き続き上方修正しました。
「先行きについては、海外経済の改善や各種の政策の効果などを背景に、景気が持ち直していくことが期待される。
一方、海外景気や為替レート、原油価格の動向等によっては、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。
また、「政府は、「新成長戦略」に基づき、日本経済を本格的な回復軌道に乗せるとともにデフレを終結させるよう政策運営を行う。政府はデフレからの脱却を喫緊の課題と位置づけ、日本銀行と一体となって、強力かつ総合的な政策努力を行う。」としています。
参考:
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2011/0221getsurei/main.pdf
6、1月の貿易収支は赤字
財務省は、2月23日、1月分の貿易統計(速報)を発表しました。
それによりますと、1月の貿易収支は4,700億円の赤字となりました。貿易収支が赤字となるのは1年10カ月ぶりです。
1月の輸出は5.0兆円であり前年同月比1.4%増です。また、輸入は5.4兆円で前年同月比12%増となりました。
輸出を地域別に見ますと、中国向けが9,300億円で対前年同月比1.0%増と増加幅が大きくなかったことが全体の輸出額の増加を抑えています。中国の2月上旬の春節を控えて、輸出が鈍化したものと思われます。
一方、輸入額で対前年同月比で増加したものは、鉄鉱石(+69%)、石油製品(+39%)、原粗油(+11%)等となっています。
参考:
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2011_01.pdf
7、日本の人口、1億2,806万人
総務省は、2月25日、2010年国勢調査に基づく人口の速報集計結果を発表しました。
それによりますと、2010年10月1日現在の日本の人口は1億2,805万6千人で、5年前の調査から0.2%増(年平均0.05%増)となりました。
人口増加件は、東京都、神奈川県、千葉県など9都府県に留まっています。
また、世帯数は5,195万世帯で前回の5年前の調査から4.8%増となり、これに伴い1世帯当たりの人員は2.46人と縮小傾向にあります。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/jinsoku/pdf/youyaku.pdf
8、経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2010年1月速報分 2011年2月28日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。1月分の概要(速報)は以下の通りです。
-持ち直しの動きがみられる鉱工業生産―
・今月は、生産、出荷、在庫、在庫率とも上昇であった。
・製造工業生産予測調査によると、2月、3月とも上昇を予測している。
・総じて見れば、生産は持ち直しの動きで推移している。
1月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
1月の生産は、前月比2.4%の上昇と3カ月連続の上昇 (前年同月比は4.7%の上昇)となり、指数水準は97.1 (季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、鉄鋼業等であった。品目別にみると、普通乗用車、半導体製造装置、駆動伝導・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。
(2) 出荷
1月の出荷は、前月比1.1%の上昇と3カ月連続の上昇(前年同月比は3.2%の上昇)となり、指数水準は96.9 (季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、鉄鋼業、金属製品工業等であった。
(3) 在庫
1月の在庫は、前月比4.7%の上昇と2カ月連続の上昇(前年同月比は7.3%の上昇)となり、指数水準は100.9(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、情報通信機械工業、輸送機械工業、一般機械工業等であった。
1月の在庫率は、前月比0.7%の上昇(前年同月比は1.2%の上昇)となり、指数水準は109.3(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、2月は前月比0.1%の上昇、3月は同1.9%の上昇であった。2月の上昇は、一般機械工業、鉄鋼業、紙・パルプ工業等により、3月の上昇は、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、その他等による。1月の実現率は▲0.3%、2月の予測修正率は1.0 %となった。
参考:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
9、1月の失業率は横ばい
総務省は、3月1日、1月分の労働力調査を発表しました。
それによりますと、1月の失業率(速報、季節調整値)は4.9%であり前月比で横ばいでした。主な産業別就業者数を見ますと、「製造業」、建設業」などが減少、「宿泊業、飲食サービス業」などが増加しています。
また、同日、厚生労働省は1月分の一般職業紹介状況について発表しました。1月の有効求人倍率は0.61倍となり、前月を0.03ポイント上回りました。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000137pd-img/2r985200000137un.pdf
10、1月の貿易収支、2年ぶり赤字
財務省は、3月8日、1月分の国際収支状況(速報)を発表しました。
それによりますと、1月分の貿易収支は、▲3,900億円の赤字でした。輸出は対前年同月比2.9%増の4.8兆円でしたが、輸入は同16%増の5.2兆円でした。
その一方で、投資等による所得収支は1兆円の黒字となりました。この結果、1月の経常収支は4,600億円の黒字となりました。
参考:
http://www.mof.go.jp/bpoffice/bpdata/pdf/bp1101.pdf