マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、3月の機械受注、前月比3%増
内閣府は、5月16日、3月の機械受注実績を発表しました。
それによりますと、3月の民需(船舶・電力を除く)の受注額は前月比2.9%増の7,800億円でした。また、1-3月の受注合計は対前期比で3.5%増となり、2四半期ぶりの増となります。
ただ、船舶・電力も含めた民需は対前月比で21%減となります。
また、同時に4-6月の見通しの結果も公表しました。この期間の民需(電力・船舶を除く)の見通しは対前期比で10%増となりました。電力・船舶を含む民需でも7%増となります。
参考:
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/1103gaiyou.pdf
2、22年度の現金給与総額、前年度比増
厚生労働省は、5月18日、平成22年度の「毎月勤労統計調査」の結果(確報)を発表しました。
それによりますと、22年度平均の月間現金給与総額(事業規模5人以上)は31.7万円で前年度に比べて0.6%上昇しました。対前年度で上昇するのは4年ぶりです。
この内、きまって支給される給与は24.5万円で、対前年度比で0.2%減少しましたが、残業などの所定外給与は1.8万円で同8%増、ボーナスなどの特別に支払われた給与は5.4万円で同2.3%の増となっています。
参考:
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3、1~3月期のGDP、年率3.7%減
内閣府は、5月19日、平成23年1~3月期のGDP(1次速報)を発表しました。
この期間の実質成長率は、マイナス0.9%であり、年率に換算すると▲3.7%の減となります。名目では▲1.3%減(年率換算5.2%減)となります。マイナス成長は2四半期連続となりました。
▲0.9%の内訳は、内需が▲1.2%減、公的需要が+0.6%、財貨・サービスの輸出が+0.7%となっており、内需の落ち込みが目立っています。
また、同時に平成22年度の成長率も公表しました。22年度の実質成長率は2.3%となり3年ぶりに前年度増となりました。また、名目成長率も0.4%の増加となりました。これも3年ぶりの増加です。実質成長率2.3%の内訳としては、国内需要の伸びが+1.5%、財貨・サービスの伸びが+17%となりました。総合的な物価の動向を示すGDPデフレーターは▲1.9%となりました。
参考:
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sokuhou/kekka/toukei/jikei_1.pdf
4、22年末の日本の対外純資産、減少
財務省は、5月24日、平成22年末現在の対外資産負債残高について発表しました。
それによりますと、22年末における日本の対外純資産残高は251兆円であり、対前年比で▲15兆円減少しました。率では▲5.5%の減少となります。これは、平成20年末以来2年ぶりの減少となります。
対外資産残高は563兆円(対前年比+9兆円)で、対前年比+1.6%の増です。居住者が保有する外貨建て資産の為替相場変動に伴う円評価額の減少(▲51兆円。ドル相場が9年末の92円から10年末には82円となったことによる。)により、全体としての増加額が微増にとどまったものです。
これに対し、対外負債残高は312兆円(対前年比23兆円)で、同+8.1%の増です。非居住者による本邦資産の取得超(+33兆円)が主な増加要因です。
参考:
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/22_g.htm
5、OECD、日本の11年の成長率はマイナスと見通し
OECD(経済協力開発機構)は、5月25日、経済見通し(エコノミック・アウトルック)を発表しました。今回の発表は、前回4月の見通しを修正したものです。
それによりますと、日本の11年のGDPの成長率は▲0.9%の減と予測しました。前回4月の見通しでは0.8%でしたので大幅な減となります。また、日本の12年の見通しは2.2%の増となっています。
OECD諸国全体のGDPは、今年2.3%増、来年2.8%の見込みです。これは11月の時の予測と同じです。この内、米国については、今年2.6%増、来年は3.1%と見通しています。また、ユーロ圏については、今年、来年とも2%増と見通しています。
参考:
http://www.oecdtokyo.org/theme/macro/2011/20110525eo89.html
6、4月の貿易赤字5千億円
財務省は、5月25日、4月分の貿易統計(速報)の結果を発表しました。
4月は、4,600億円の赤字となっています。輸出が5.2兆円で対前年同月比12.5%の減、輸入が5.6兆円で同8.9%の増となっています。貿易赤字は、中国の春節を前に輸出が伸び悩んだ1月以来3カ月ぶりとなります。
輸出が対前年同月比で減少した主な品目は、自動車(▲67%)、半導体等電子部品(▲19%)等となっています。東日本大震災の影響で、生産が滞っているのが原因とみられますので、この傾向はしばらく続くとみられています。
一方、輸入が増加した主な品目は、石油製品(+62%)、液化天然ガス(+18%)、原粗油(+8%)等となっています。
参考:
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7、4月の消費者物価指数、プラスに
総務省は、5月27日、4月分の消費者物価指数を発表しました。
4月の物価は、生鮮食品を除く総合で対前年同月比0.6%上昇しました。対前年同月比で上昇するのは2年4か月ぶりとなります。
前年同月比で上昇した主な品目は、ガソリン(+13%)、灯油(+26%)、たばこ(+39%)等となっており、エネルギー価格の上昇に伴う項目が多くなっています。
一方、下落した主な品目は、電気冷蔵庫(▲25%)、薄型テレビ(▲40%)等となっており、耐久財の下落傾向は続いています。
生鮮食料を含む総合でも、対前年同月比で0.3%上昇しています。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
8、経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2010年4月速報分 2011年5月31日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。4月分の概要(速報)は以下の通りです。
-停滞している鉱工業生産―
・今月は、生産が上昇、出荷は低下、在庫、在庫率は上昇であった。
・製造工業生産予測調査によると、5月、6月とも上昇を予測している。
・生産は、東日本大震災の影響により依然水準が低く停滞しているものの、先行きについては回復が見込まれる。
4月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
4月の生産は、前月比1.0%の上昇と2カ月ぶりの上昇 (前年同月比は▲14.0%の低下)となり、指数水準は83.5 (季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、一般機械工業、その他工業、電気機械工業等であった。品目別にみると、蒸気タービン部品、半導体製造装置、分析機器の順に上昇に寄与している。
(2) 出荷
4月の出荷は、前月比▲2.7%の低下と2カ月連続の低下 (前年同月比は▲16.2%の低下)となり、指数水準は82.7 (季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業等であった。
(3) 在庫
4月の在庫は、前月比0.5%の上昇と2か月ぶりの上昇(前年同月比は3.3%の上昇)となり、指数水準は98.2(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、石油・石炭製品工業、精密機械工業等であった。
4月の在庫率は、前月比14.5%の上昇と2カ月連続の上昇(前年同月比は18.5%の上昇)となり、指数水準は124.4(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、5月は前月比8.0%の上昇、6月は同7.7%の上昇であった。5月の上昇は、輸送機械工業、一般機械工業、電子部品・デバイス工業等により、6月の上昇は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業等による。4月の実現率は▲5.4%、5月の予測修正率は▲0.6%となった。
参考:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
9、月例経済報告(5月24日)
内閣府は、5月24日、月例経済報告を発表しました。
5月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、東日本大震災の影響により、このところ弱い動きとなっている。また、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」としています。基調判断については、前月に2カ月ぶりに下方修正しましたが、今月は前月の基調判断と同様となっています。
「先行きについては、当面は東日本大震災の影響から弱い動きが続くと見込まれる。その後、生産活動が回復していくに伴い、海外経済の改善や各種の政策の効果などを背景に、景気の持ち直していくことが期待されるが、電力供給の制約やサプライチェーン立て直しの遅れ、原子力災害及び原油価格上昇の影響等により、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。
また、「政府は、5月17日に閣議決定した「政策推進指針」に基づき、大震災がもたらした制約を順次、確実に克服するとともに、日本経済の潜在的な成長力を回復する様に取り組む。このため、平成23年度第1次補正予算の速やかな執行等により、震災からの早期立ち直りを図る。日本銀行に対しては、引き続き政府と緊密な情報交換・連携を保ちつつ、適切かつ機動的な対応によって経済を下支えするよう期待する」としています。
参考:
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2011/0524getsurei/main.pdf
10、4月の失業率0.1ポイント上昇
総務省は、5月31日、4月分の労働力調査(速報)を発表しました。
4月の完全失業率(季節調整値、岩手・宮城・福島県分を除く)は4.7%となり、3月に比べて0.1ポイント上昇しました。上昇は6カ月ぶりです。東日本大震災の影響で、被災地以外でも失業者が増加している傾向が伺われます。主な産業別就業者で見ますと、前年同月に比べて「医療・福祉」、「教育・学習支援業」で増加していますが、「卸売業、小売業」などが減少しています。営業時間短縮や自粛ムードに広がりが影響しているものと思われます。
また、同日、厚生労働省は4月分の「一般職業紹介状況」について発表しました。それによりますと、4月の有効求人倍率は0.61倍で、前月に比べて0.02ポイント低下しました。有効求人倍率が低下するのは2009年11月以来1年半ぶりとなります。
参考:
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11、平成22年度の出生率は微増
厚生労働省は、6月1日、人口動態統計(概数)を発表しました。
それによりますと、平成22年の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供の数)は1.39で、前年に比べて0.02ポイント増加しました。
出生数は107万人、死亡数は120万人であり、人口は12万6千人減少しています。死亡数は、戦後に統計を開始した1947年以来で最多となります。また、人口の減少が10万人を超えたのも初めてとなります。
婚姻件数は70万組で対前年比で8千組減少、離婚件数は25.1万組で前年に比べて2千組減少しています。
参考:
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