マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、2009年の世界のCO2排出量、中国が1位
IEA(国際エネルギー機関)は、10月上旬、2009年の世界のエネルギーバランスの結果を公表しました。
それによりますと、2009年の世界のCO2排出量の1位は中国で全世界の23.7%のCO2を排出しました。2位は米国で17.9%、3位がインドで5.5%、4位がロシアで5.3%、日本は5位で3.8%となっています。中国の排出量は2008年に初めて世界1となりましたが、2009年も引き続き1位となりました。
GDP(国内総生産)当たりのCO2排出量でみますと、日本を1とすれば、中国が9.9、米国が2.1、インドが8.2、ロシアが17.5となっています。
また、人口当たりのCO2排出量で見ますと、日本を1とすれば、中国が0.60、米国が1.97、インドが0.16、ロシアが1.26となります。
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2、月例経済報告(10月17日)
内閣府は、10月17日、月例経済報告を発表しました。
10月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、引き続き持ち直しているものの、そのテンポは穏やかになっている。」としています。基調判断については、6カ月ぶりに下方修正しました。
「先行きについては、サプライチェーンの立て直しや各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。ただし、電力供給の制約や原子力災害の影響に加え、回復力の弱まっている海外経済が下振れた場合や為替レート・株価の変動等によっては、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。この表現は、前月を踏襲したものです。
また、「政府は、震災からの復興に全力で取り組むとともに、急激な円高の進行等による景気下振れリスクや産業空洞化のリスクに対応し、また、円高メリットを最大限活用するため、円高への総合的対応策のとりまとめ及び平成23年度第3次補正予算の編成を早急に行う。日本銀行に対しては、引き続き、政府と緊密な情報交換・連携を保ちつつ、適切かつ機動的な対応によって経済を下支えするよう期待する」としています。
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3、上半期の貿易収支、1.7兆円の赤字
財務省は、10月24日、平成23年度上半期分の貿易統計(速報分)の結果を発表しました。
上半期の貿易赤字は1.67兆円となりました。半期ベースの赤字は5期ぶりとなります。このうち、輸出は32.8兆円となり対前年比で▲3.8%の減少となりました。一方、輸入は34.5兆円となり、同12.1%の増加となりました。
輸出の減少した主な品目は、自動車(対前年同期比▲18%減)、半導体等電子部品(同▲16%減)等です。逆に増加した主な品目は、金属加工機械(+34%)等です。
一方、輸入の増加した主な品目は、原粗油(対前期比+25%)、液化天然ガス(+40%)、石油製品(+48%)等となっています。
また、同日、9月分の統計(速報)も発表しました。9月は3千億円の黒字となりました。黒字は2カ月ぶりです。この内、輸出は6.0兆円で対前年同月比+2.4%、輸入は5.7兆円で同+12%となりました。輸出の増加した主な品目は、自動車(対前年同月比+5%)、自動車用部品(同+12%)、化学光学機器(同+15%)等です。輸入が増加した主な品目は、原粗油(同+26%)、液化天然ガス(同+50%)、石油製品(同+60%)等となっています。
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4、平成22年の日本の人口は1億2,805万人
総務省は、10月26日、平成22年10月1日現在の国勢調査の結果を発表しました。この国勢調査は前回平成17年以来5年ぶりの国勢調査となるものです。
それによりますと、平成22年10月1日現在の日本の人口は1億2,805万7,352人でした。これは5年前の平成17年から0.2%の上昇となるものです。(年平均は0.05%増)
この内、男性は48.7%、女性は51.3%です。
また、この内日本人の人口は1億2,535万人で平成17年から0.3%減少しています。外国人の人口は165万人で前回の調査から1.16%増加しました。
人口増加率は東京都が4.6%増と最も高く、次いで神奈川県(2.9%増)、千葉県(2.6%増)の順に9都道府県で増加しています。人口減少率が最も高かったのは秋田県で5.2%減、次いで青森県(▲4.4%減)、高知県(▲4.0%減)など38道府県で減少しました。
65歳以上の人口は13.9%増加し、総人口に占める割合は23.0%となり前回20.2%から上昇しました。総人口に占める65歳以上の人口割合を諸外国と比較しますと、我が国はドイツ、イタリア(ともに20.4%)を上回り、世界で最も高い水準となっています。
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5、2011年の世界人口、約70億人
世界人口基金(UNFPA)は、10月下旬、2011年版「世界人口白書」を公表しました。
それによりますと、2011年10月現在の世界人口は69.7億人であると推計しています。
1位は中国で13.5億人、2位がインドで12.4億人、3位アメリカ3.1億人4位インドネシア2.4億人としています。日本は10位で1.3億人です。
地域別では、アジア・太平洋地域が39億人と世界人口の56%を占めることとなりました。1999年は60億人でしたので、10年余りの間に10億人増加したことになります。
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6、経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2010年9速報分 2011年10月28日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。9月分の概要(速報)は以下の通りです。
-生産は横ばい傾向―
・今月は、生産、出荷が低下、在庫は横ばい、在庫率は上昇であった。
・製造工業生産予測調査によると、10月、11月とも上昇を予測している。
・総じて見れば、生産は横ばい傾向にある。
9月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
9月の生産は、前月比▲4.0%の低下と6カ月ぶりの低下 (前年同月比は▲4.0%の低下)となり、指数水準は89.9 (季節調整済)となった。生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、電機械工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、半導体製造装置、携帯電話の順に低下に寄与している。
(2) 出荷
9月の出荷は、前月比▲2.6%の低下と5カ月ぶりの低下(前年同月比は▲3.6%の低下)となり、指数水準は92.1 (季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、一般機械工業、情報通信機械工業、輸送機械工業等であった。
(3) 在庫
9月の在庫は、前月比0.0%の横ばい(前年同月比は5.6%の上昇)となり、指数水準は102.8(季節調整済み)となった。情報通信機械工業、鉄鋼業、一般機械工業等が上昇し、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業(除、医薬品)等が低下した。
9月の在庫率は、前月比4.2%の上昇と2カ月ぶりの上昇(前年同月比は9.6%の上昇)となり、指数水準は119.6(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、10月は前月比2.3%の上昇、11月は同1.8の上昇であった。10月の上昇は、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業等により、11月の上昇は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業等による。9月の実現率は▲1.1%、10月の予測修正率は▲2.6
%となった。
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7、9月の失業率、4.1%
総務省は、10月28日、9月の労働力調査(速報)を発表しました。
9月の完全失業率(季節調整値)は4.1%となり前月より0.2%低下しました。なお、今回の調査から前回まで調査から除かれていた、岩手県、宮城県、福島県も含めています。また、上記3県を除く失業率も同じく4.1%です。
また、同日、厚生労働省は9月分の一般職業紹介状況を公表しました。9月の有効求人倍率(季節調整値)は0.67倍となり、前月を0.01ポイント上回りました(好転)。
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8、9月の消費者物価、0.2%上昇
総務省は、10月28日、9月分の消費者物価指数を公表しました。
9月の消費者物価(除、生鮮食料品)は対前年同月比で0.2%上昇しました。これで3カ月連続して対前年同月比でプラスとなりました。対前月比では同じとなります。
対前年同月比で上昇した主な品目は、たばこ(対前年同月比+38%)、ガソリン(+10%)等となっています。10月の統計からは昨年のたばこ増税の影響がなくなり再び物価が下落する可能性があります。
生鮮食料品も含む総合では、対前年同月比0.0%、食料・エネルギーを除く物価は同▲0.4%の低下となりました。
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9、23年度上期の経常収支は4.5兆円
財務省は、11月9日、平成23年度上期(4月~9月)の国際収支状況(速報)を発表しました。
それによりますと、同期間中の経常黒字は4.5兆円となり前年同期比で▲47%減となりました。
この内、貿易収支は▲1.3兆円の赤字でした。前年同期は4兆円の黒字でしたので前年同期比▲5.3兆円の減少したことになります。これは大震災の影響で自動車を中心に輸出が減少した影響によるものです。また、サービス収支(「輸送収支(貨物運賃の受け取り)」、「旅行収支」等)も1.1兆円の赤字でした(対前年同期比▲0.3兆円の赤字拡大)。
一方、所得収支(「直接投資収益」、「証券投資収益」等)は7.3兆円の黒字となり、対前年同期で+26%増となりました。
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10、2010年の建設業の従業員数3年連続減少
国土交通省は、10月31日、平成22年の建設業活動実態調査の結果を公表しました。
それによりますと、平成22年の建設業の常時従業者数は16.5万人であり、対前年比で0.5%減少しました。これで3年連続して減少したことになります。平成6年の調査開始時の従業員数は26.5万人でしたのでこの間に▲38%減少したことになります。
また、平成22年の建設業の国内売上高は13.0兆円であり、前年比▲13%減少しました。これも3年連続で減少したことになります。調査開始時の平成6年の売上高は24.5兆円でしたので、この間に▲47%減少したことになります。
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