マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、 本年7‐9月期のGDPを下方修正
内閣府は、12月9日、2011年7‐9月期の国内総生産(GDP)改定値(2次速報)を公表しました。
それによりますと、同期間におけるGDP成長率を実質でみますと前期比1.4%(年換算率5.6%)の成長となりました。11月14日公表の速報値から0.1ポイント(年換算で▲0.4%)下方修正しています。
速報値でプラスであった民間設備投資がマイナスに転じています(速報値では+1.1%、今回修正では▲0.4%の減少)。
前期比1.4%増の寄与度を見ますと、内需が0.8%、外需(純輸出)が0.6%でした。
なお、内閣府は今回の改定値よりGDP統計の基準年を2000年から2005年に変更しています。
参考:
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2、11月の貿易赤字は7千億円
財務省は、12月21日、11月分の貿易統計(速報)を発表しました。
11月の貿易赤字は6,847億円です。この内、輸出は5.2兆円となり、対前年同月比で▲4.5%減少しました。また、輸入は5.9兆円で、同+11.4%増となっています。
輸出の増加した主な品目は、船舶(対前年同月比+27%)です。一方、減少した主な品目は、半導体等電子部品(▲15%減)、映像機器(同▲49%減)、鉄鋼(同▲9%減)等となっています。
輸入の増加した主な品目は、液化天然ガス(対前年同月比+76%)、原粗油(同+15%)、通信機(同+43%)等となっています。
参考:
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2011_11.pdf
3、2010年の特許出願数、日本は3位に後退
WIPO(世界知的所有権機関)は、12月20日、「世界知的所有権指標2010年版」を公表しました。
それによりますと、2010年における特許当局への出願数は、前年より7.2%増の198万件となりました。
この内、アメリカに対する出願が49万件、中国が39万件、日本が34万件となっています。以下、韓国が17万件、ヨーロッパ・オフィス17万件、ドイツ6万件、ロシアが4万件と続いています。これまで2位であった日本が3位に後退し、代わりに中国が2位となりました。
参考:
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4、情報通信業の平成22年度の売上高、41兆円
経済産業省と総務省は、12月20日、「平成23年情報通信業基本調査」の結果(速報)を公表しました。今回の調査は第2回目となるものです。
それによりますと、平成22年度における情報通信業に係る売上高は40兆5千億円となりました。うち、2カ年継続回答企業の売上高は36.6兆円であり対前年比で▲1.7%減となっています。
売上高は、電気通信業(15.7兆円)、ソフトウエア業(10.2兆円)、情報処理・提供サービス業(5.6兆円)の順に大きくこの3業種で情報通信業全体の78%を占めています。
その他、民間放送業(1.8兆円)、インターネット付随サービス業(1.6兆円)、新聞業(1.6兆円)、出版業(1.4兆円)の順となっています。
参考:
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5、12年度の成長は2.2%、政府見通し
政府は、12月22日、臨時閣議を開催し平成24年度の政府経済見通しを了解しました。
それによりますと、平成24年度のGDP(国内総生産)の成長率は実質で2.2%、名目で2.0%と予測しました。また、消費者物価指数は0.1%の上昇としました。
平成24年度の実質GDPの伸び率の寄与度は、内需が1.8%、外需が0.4%とみています。震災復興に係る政府財政支出が景気を下支えする。
また、平成23年度の成長率は実質で▲0.1%のマイナス、名目で▲1.9%のマイナスと見込んでいる。
参考:
http://www5.cao.go.jp/keizai1/mitoshi/2011/1222mitoshi.pdf
6、月例経済報告(12月21日)
内閣府は、12月21日、月例経済報告を発表しました。
12月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、穏やかに持ち直している。」としています。基調判断については、前月の表現と同一です。
「先行きについては、各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。ただし、電力供給の制約や原子力災害の影響に加え、欧州の政府債務危機などを背景とした海外経済の下振れや為替レート・株価の変動等によっては、景気が下振れするリスクが存在する。また、デフレの影響や、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。この表現は、前月を概ね踏襲したものです。
また、「政府は、震災からの復興に全力で取り組むとともに、急激な円高の進行等による景気下振れリスクや産業空洞化のリスクに先手を打って対処するため、「円高への総合的対応策」及び平成23年度第3次補正予算を迅速に実行する。
日本銀行に対しては、政府と緊密な情報交換・連携の下、適切かつ果断な金融政策運営によって経済を下支えするよう期待する」としています。
参考:
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2011/1221getsurei/main.pdf
7、日本の一人当たりGDP、世界14位に上昇
内閣府は、12月26日、平成22年度の国民経済確報の結果を公表しました。
それによりますと、日本人の2010年の一人当たり名目GDP(国内総生産)は4万2,938ドルとなりました。これは前年の09年より9%増え、過去最高となります。
OECD(経済協力開発機構。先進国が加盟国)加盟国を対象とする順位は14位となり09年の16位から上昇しました。この結果は円安・ドル高が影響しています。
なお、1位はルクセンブルグで10万5千ドル、2位はノルウエーで8万4千ドルです。以下、日本より順位が高い国は、スイス、オーストラリア、デンマーク、スエーデン、オランダ、米国(4万7千ドル)、カナダ、アイルランド、オーストリア、フィンランド、ベルギー(4万3千ドル)と続いています。
参考:
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8、失業率、横ばい
総務省は、12月28日、11月分の失業率(速報)を発表しました。
11月の失業率は4.5%であり、前月と同じ水準です。
また、同日、厚生労働省は11月分の有効求人倍率を発表しました。11月の有効求人倍率は0.69倍であり、前月比で0.02ポイント上昇しました。被災地域では、岩手県が0.67倍(対前月比+0.02ポイント上昇)、宮城県が0.79倍(同+0.05ポイント上昇)、福島県が0.71倍(同+0.03ポイント上昇)となりました。
参考:
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9、経済産業省の主な経済指標
(鉱工業指標調査 2010年11速報分 2011年12月28日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。11月分の概要(速報)は以下の通りです。
-生産は横ばい傾向―
・今月は、生産、出荷、在庫、在庫率とも低下であった。
・製造工業生産予測調査によると、12月、1月とも上昇を予測している。
・総じて見れば、生産は横ばい傾向にある。
11月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
11月の生産は、前月比▲2.6%の低下と2カ月ぶりの低下 (前年同月比は▲4.0%の低下)となり、指数水準は90.1 (季節調整済)となった。生産の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等であった。品目別にみると、普通乗用車、小型乗用車、携帯電話等の順に低下に寄与している。
(2) 出荷
11月の出荷は、前月比▲1.5%の低下と2カ月ぶりの低下(前年同月比は▲4.5%の低下)となり、指数水準は91.5 (季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、情報通信機械工業、輸送機械工業、鉄鋼業等であった。
(3) 在庫
11月の在庫は、前月比▲0.8%の低下と2カ月ぶりの低下(前年同月比は8.0%の上昇)となり、指数水準は102.8季節調整済み)となった。在庫の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電気機械工業、情報通信機械工業等であった。
11月の在庫率は、前月比▲1.7%の低下と2カ月連続の上低下(前年同月比は7.5%の上昇)となり、指数水準は116.1(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、12月は前月比4.8%の上昇、1月は同3.4%の上昇であった。12月の上昇は、輸送機械工業、情報通信機械工業、一般機械工業等により、1月の上昇は、輸送機械工業、鉄鋼業、一般機械工業等による。11月の実現率は▲3.4%、12月の予測修正率は▲1.4%となった。
参考:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
10、11月の消費者物価、2カ月連続下落
総務省は、12月28日、11月分の消費者物価指数を発表しました。
11月の消費者物価指数は、生鮮食料品を除く総合が対前年同月比で▲0.2%の下落と2カ月連続してマイナスとなりました。昨年10月のたばこの値上げの影響の効果がなくなったことも原因です。
対前年同月比で下落した主な品目は、テレビ(▲28%)、電気冷蔵庫(▲31%)などとなっています。一方値上がりした主な品目は、電気代(+6%)、ガソリン(+8%)等となっています。
生鮮食料品を含む総合でも対前年同月比▲0.5%のマイナスとなっています。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
11、平成22年度の携帯電話数、さらに増加
総務省は、12月27日、平成22年度の「通信量からみた我が国の通信利用状況:平成22年度版」を公表しました。
平成22年度の契約数を見ますと、固定系(加入電話・ISDN)が3,957万契約となり対前度比で8.7%減少しました。これに対し、移動系(携帯電話・PHS)は1億2,329万契約となり対前年度比で6.0%上昇しています。また、IP電話の利用番号数は、2,580万件であり、対前度比で11.3%増加しました。
移動系の中で携帯電話は、1億1,954万契約であり、対前度比で6.6%上昇しています。
ただ、平成22年度の総通信回数は、1,107億回であり対前年度比で0.5%減少しています。また、総通信時間は、4,123万時間であり、これも対前度比で0.9%減少しました。
参考:
http://www.soumu.go.jp/main_content/000140757.pdf