マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、2011年第4四半期のGDPはマイナス
内閣府は、2月13日、2011年10~12月期のGDP速報(1次速報値)を公表しました。
同期間における実質GDPは対前期比で▲0.6%減(年率換算で▲2.3%減)となりました。マイナス成長は2四半期ぶりとなります。円高、世界経済の成長鈍化、タイの洪水の影響がマイナス成長となったと考えられます。また、名目でも▲0.8%のマイナス成長(年換算で▲3.1%のマイナス)です。
この内訳を寄与度で見てみますと、内需が+0.1%成長を押し上げたのに対し、外需が▲0.6%成長を押し下げました。
また、項目別に見てみますと、個人消費が+0.3%であるのに対し、住宅投資は▲0.8%減少しました。民間の設備投資は+1.9%の増、公共投資は▲2.5%の減となっています。
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2、1月の貿易赤字は1兆5千億円
財務省は、2月20日、1月分の貿易統計(速報)について公表しました。
1月の貿易赤字は1.5兆円となり、リーマンショックの影響による2009年1月の赤字1兆円を抜いて過去最大の赤字となりました。
輸出額は4.5兆円であり、対前年同月比で9.3%の減少となりました。一方輸入は6兆円であり同+9.8%増となりました。
輸出の減少した主な品目は、半導体等電子部品(対前年同月比▲16%減)、鉄鋼(同▲11%減)等となっています。一方、輸入の増大した品目は、液化天然ガス(同+74%)、原粗油(同+13%)、石炭(同+27%)等となっています。
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3、月例経済報告(2月16日)
内閣府は、2月16日、月例経済報告を発表しました。
2月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、穏やかに持ち直している。」としています。基調判断については、4カ月連続して表現が同一です。
「先行きについては、各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。ただし、欧州の政府債務危機が、金融システムに対する懸念につながっていることや金融資本市場に影響を及ぼしている等により、海外景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクが存在する。また、電力供給の制約や原子力災害の影響、さらには、デフレの影響、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。この表現は、前月と同じ表現となっています。
また、「政府は、大震災からの復興に全力を尽くすとともに、欧州政府債務危機等による先行きリスクを踏まえ、景気の下振れの回避に全力を尽くす。また、デフレ脱却に断固として取り組み、全力を挙げて円高とデフレの悪循環を防ぐ。このため、「円高への総合的対応策」及び平成23年度第3次、第4次補正予算を迅速に実行するとともに、平成24年度予算及び関連法案の早期成立に努める。また、1月24日、「平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を閣議決定した。
政府は、日本銀行と一体となって、速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指して取り組む。デフレ脱却に向け、日本銀行に対しては、政府との緊密な情報交換・連携の下、適切かつ果断な金融政策運営を期待する」としています。
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4、EUはマイナス成長
欧州連合(EU)は、2月23日、ユーロ圏17カ国の2012年のGDP(国内総生産)の成長率予測について発表しました。今回の発表は、昨年11月の予測を修正したものです。
それによりますと、2012年のユーロ圏の成長率は対前年比で▲0.3%のマイナスとしました。これは前回11月の予測である+0.5%から大幅に下方修正したものです。
国別に見ますと、ギリシャが▲4.4%のマイナス成長(前回予測より▲1.6%下方修正)、ポルトガルが▲3.3%のマイナス成長(同▲0.3%下方修正)、スペインが▲1.0%のマイナス成長(同▲1.7%の下方修正)、イタリアが▲1.3%のマイナス成長(同▲1.4%の下方修正)、ドイツが+0.6%成長(同▲0.2%下方修正)、フランスが+0.4%成長(同▲0.2%の下方修正)等となっています。
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5、経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2012年1速月分報分 2012年2月29日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。1月分の概要(速報)は以下の通りです。
-持ち直しの動きがみられる鉱工業生産―
・今月は、生産が上昇、出荷は低下、在庫、在庫率は上昇であった。
・製造工業生産予測調査によると、2月、3月とも上昇を予測している。
・総じて見れば、生産は持ち直しの動きがみられる。
1月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
1月の生産は、前月比2.0%の上昇と2カ月連続の上昇(前年同月比は▲1.2%の低下)となり、指数水準は95.3 (季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等であった。品目別にみると、普通乗用車、デジタルカメラ、カーナビゲーションの順に上昇に寄与している。
(2) 出荷
1月の出荷は、前月比▲0.7%の低下と2カ月ぶりの低下(前年同月比は▲1.4%の低下)となり、指数水準は94.9 (季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、電機械工業、一般機械工業等であった。
(3) 在庫
1月の在庫は、前月比3.1%の上昇と3カ月ぶりの上昇(前年同月比は2.6%の上昇)となり、指数水準は103.1(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、電気機械工業、輸送機械工業、情報通信機械工業等であった。
1月の在庫率は、前月比1.2%の上昇と4カ月ぶりの上昇(前年同月比は5.0%の上昇)となり、指数水準は113.2(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、2月は前月比1.7%の上昇、3月は同1.7%の上昇であった。2月の上昇は、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業、電気機械工業等により、3月の上昇は、情報通信機械工業、輸送機械工業、一般機械工業等による。1月の実現率は0.2
%、2月の予測修正率は0.7%となった。
参考:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
6、1月の消費者物価、対前年比0.1%下落
総務省は、3月2日、1月の全国の消費者物価指数を発表しました。
生鮮食料品を除く1月の全国の消費者物価は、対前年比で0.1%下落しました。下落は4カ月連続です。ただ、生鮮食料品を含む総合では0.1%上昇しています。総合で上昇するのは5カ月ぶりとなります。
対前年同月比で下落した主な品目は、テレビ(対前年同月比▲36%下落)、電気冷蔵庫(同▲32%下落)等となっています。一方、上昇した主な品目は、電気代(同+7%上昇)、ガソリン(同+5%)等となっています。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
7、3月の失業率、上昇
総務省は、3月2日、1月分の労働力調査(速報)の結果を公表しました。
1月の完全失業率(季節調整値)は4.6%であり、対前月比で0.1ポイント上昇しました。上昇は2カ月ぶりとなります。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf
8、2011年の特許の国際出願件数、中国企業が1位
世界知的所有権機関(WIPO)は、3月5日、2011年の特許の国際出願件数で中国の通信機器企業であるZTE社が1位であると発表しました。
中国の企業が1位となるのは初めてです。前年度1位のパナソニックは2位に後退しました。3位は中国の通信機器企業であるHUAWEI(華為)者です。同社は前年から一つ順位を上げました。
日本企業では、シャープが4位(前年は8位)、トヨタが7位(同11位)となります。全般的に、アジアの企業が順位を上げたのに対し、欧米の企業は順位を下げています。
参考:
http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2012/article_0001.html
9、1月の所定内給与、増
厚生労働省は、3月6日、1月の毎月勤労統計調査(速報)の結果を公表しました。
それによりますと、1月の労働者一人当たりの基本給・家族手当を含む所定内給与は24万2,642円となり前年同月比で0.3%増加しました。対前年同月比で増加するのは13カ月ぶりです。
残業代などの所定外給与も対前年同月比で、1.2%増の1万8,432円となりました。
参考:
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10、2011年10~12月期のGDP、上方修正
内閣府は、3月8日、2011年10~12月期のGDP(国内総生産)についての2次速報値を発表しました。
前回の2月13日発表では、同四半期の期間内の実質GDP(実質、季節調整値)は、対前期比でマイナス▲0.6%の減(年換算で▲2.3%の減)でしたが、今回の2次修正値では、対前期比で▲0.2%の減(年換算で▲0.7%の減)とマイナス幅が大幅に縮小(上方修正)しました。
改定値では、民間設備投資が前期比で4.7%増となり、1次速報値の値1.9%増から大幅に引き上げられたことが主な原因です。
参考:
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11、1月の経常収支は4千億円超の赤字
財務省は、3月8日、1月の国際収支状況(速報)を発表しました。
それによりますと、1月の経常収支は4,373億円の赤字となりました。経常収支の赤字はリーマンショック直後の平成21年1月以来3年ぶりとなります。また、単月の赤字幅としては、比較可能な1985年1月以来、過去最大の赤字幅となります。
この内、所得収支(直接投資の収益等)は1.13兆円の黒字となりましたが、貿易収支は▲1.38兆円の大幅な赤字となっています。貿易赤字は4カ月連続となります。
参考:
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