マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、 アジア開発銀行、2012年の成長率を予測
アジア開発銀行(ADB)は、4月11日、アジア地区(日本などの域内先進国を除く)の2012年の成長率の予測を発表しました。
それによりますと、この地域の2012年の実質国内総生産の成長率を6.9%と予測しています。前年より0.3ポイント低下する値です。また、昨年9月の予測7.5%から0.6ポイント下方修正しました。アジア地区の成長率は2010年の9.1%、2011年の7.2%となっていますので成長率は徐々に低下するものとみています。
中国の2012年の成長率は8.5%と予測しています。これは前年の2011年の値9.2%から0.7ポイント低い値です。
また、2013年の成長率の予測は7.3%としています。この内、中国は8.7%と予測しています。
参考:
URL
2、月例経済報告(4月12日)
内閣府は、4月12日、月例経済報告を発表しました。
4月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、穏やかに持ち直している。」としています。基調判断については、6カ月連続して表現が同一です。
「先行きについては、各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が確かになることが期待される。ただし、欧州の政府債務危機の影響や原油価格の上昇、これらを背景とした海外景気の下振れ等によって、我が国の景気が下押しされるリスクが存在する。また、電力供給の制約や原子力災害の影響、さらには、デフレの影響、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である」としています。この表現は前月と同じです。
また、「政府は、大震災からの復興に全力を尽くすとともに、欧州政府債務危機等による先行きリスクを踏まえ、景気の下振れの回避に全力を尽くす。また、デフレ脱却に断固として取り組み、全力を挙げて円高とデフレの悪循環を防ぐ。このため、「円高への総合的対応策」及び平成23年度第3次、第4次補正予算を迅速に実行するとともに、平成24年度予算を着実に執行する。
政府は、日本銀行と一体となって、速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指して取り組む。デフレ脱却に向け、日本銀行に対しては、政府との緊密な情報交換・連携の下、適切かつ果断な金融政策運営を期待する」としています。
参考:
URL
3、2011年の人口、減少
総務省は、4月17日、2011年10月1日現在の人口について発表しました。
それによりますと、同時点での我が国の総人口は1億2779万9千人であり、1年の間に25万9千人(▲0.2%の減少)減少しました。
人口は、平成17年に戦後初めて前年を下回った後、増減を繰り返し、2011年は大きく減少しました。
この内、日本人の人口は1億2618万人で、前年に比べて20万2千人(▲0.16%減)と3年ぶりの減少となり、大きく減少しました。
総人口を男女別にみると、男性は6218万人(総人口に占める割合は48.7%)で前年比べて14.4万人減少(▲0.23%)、女性は6561万人(同51.5%)で11.5万人減少(▲0.17%)となりました。女性の人口が減少するのは比較可能な昭和25年以来初めてです。
年齢別に見ますと、老年人口(65歳以上)は2975万人で26.8万人の増加となりました。老人人口の割合は23.3%であり、対前年比0.3ポイント増加しました。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2011np/pdf/gaiyou.pdf#page=1
4、3月の消費者態度指数、対前月比で上昇
内閣府は、4月17日、3月の消費者態度指数調査の結果を公表しました。
それによりますと、3月の消費者態度指数は40.3となり対前月比で0.4ポイント上昇しました。
消費者態度指数とは、消費者心理を示すものであり、「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の4項目について、今後半年間の見通しを5段階評価で聞き、指数化したものです。全員が「良くなる」と答えれば100、全員が「悪くなる」と答えれば0となります。
参考:
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/2012/1203shouhi.html
5、IMFの世界経済成長見通し、若干上向く
IMF(国際通貨基金)は、4月17日、世界経済見通し(アウトルック)を発表しました。今回の見通しは、前回1月の見通しを修正したものです。
それによりますと、2012年の世界経済の実質成長率の見通しを3.5%と修正しました。これは、前回1月の見通しから0.2%上方修正したものです。また、2013年の成長率は4.1%とし、前回1月の見通しから0.1%上方修正しています。
この内、2012年の日本の実質成長率は2.0%(前回1月の見通しより+0.4%増)としています。2012年では、米国が2.1%(同+0.3%)、ユーロ圏が▲0.3%のマイナス(同+0.2%)、中国は8.2%(同+0.1%)としています。
参考:
URL
6、2011年度は大幅貿易赤字
財務省は、4月19日、平成23年度分の貿易統計(速報)を発表しました。
平成23年度は4.4兆円の赤字でした。年度の赤字は3年ぶりです。また、赤字額は比較可能な1979年度以降で過去最大となりました。
この内、輸出額は65.3兆円であり対前年度比で▲3.7%の減少となりました。輸出額の減少した主な品目は、半導体等電子部品(対前度比▲15%減)、自動車(同▲5%減)等となっています。
一方、輸入額は69.7兆円であり対前度比12%増加しました。輸入額が増加した主な品目は、原粗油(対前度比+22%)、液化天然ガス(同+52%)、石油製品(同+37%増)等となっています。
また、同日、3月分の貿易統計(速報)も発表しました。3月は826億円の赤字となっています。赤字となるのは2カ月ぶりです。
参考:
URL1,
URL2
7、平成22年度のエネルギー消費、前年度比で4%増加
経済産業省は、4月13日、平成22年度(2010年度)のエネルギー需給実績(確報)を発表しました。
それによりますと、同年度の最終エネルギー消費は、景気回復と猛暑厳冬の影響により、対前度比で4.0%増加しました。これは、1990年度比では7.8%の増加です。
この内、産業部門のエネルギー消費は前年度比+6.7%(90年度比で▲6.0%の減少)、民生部門は+2.8%(同+35%の増)、運輸部門は+0.9%(同+7%の増)となっています。
また、エネルギー起源の二酸化炭素排出量は、対前年度比で+4.5%の増加となっています。これは、1990年度比で+6.1%の水準です。
参考:
URL
8、経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査 2012年3月分速報 2012年4月27日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。3月分の概要(速報)は以下の通りです。
-持ち直しの動きで推移―
・今月は、生産が上昇、出荷は低下、在庫、在庫率は上昇であった。
・製造工業生産予測調査によると、4月上昇の後、5月は低下を予測している。
・総じて見れば、生産は持ち直しの動きで推移している。
3月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
3月の生産は、前月比1.0%の上昇と2カ月ぶりの上昇 (前年同月比は13.9%の上昇)となり、指数水準は95.3 (季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、情報通信機械工業、窯業・土石製品等であった。品目別にみると、普通乗用車、小型乗用車、駆動電動・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。
(2) 出荷
3月の出荷は、前月比0.1%の低下と2カ月ぶりの低下(前年同月比は11.1%の上昇)となり、指数水準は95.2 (季節調整済)となった。出荷の低下に寄与した業種は、輸送機械工業、金属製品工業、電気機械工業等であった。
(3) 在庫
3月の在庫は、前月比4.3%の上昇と2カ月ぶりの上昇(前年同月比は9.6%の上昇)となり、指数水準は107.5(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、情報通信機械工業、輸送機械工業、電気機械工業等であった。
3月の在庫率は、前月比4.3%の上昇と2カ月ぶりの上昇(前年同月比は6.1%の上昇)となり、指数水準は115.5(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、4月は前月比1.0%の上昇、5月は▲4.1%の低下を予測している。4月の上昇は、一般機械工業、化学工業、輸送機械工業等により、5月の低下は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業等による。3月の実現率は▲3.2%、4月の予測修正率は▲1.9%となった。
参考:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
9、3月の完全失業率、横ばい
総務省は、4月27日、3月の労働力調査(速報)について発表しました。
それによりますと、3月の完全失業率(季節調整値)は4.5%であり前月と同じでした。男が4.9%(対前月比+0.2%)、女が4.1%(同▲0.1%のマイナス)です。
また、同日、厚生労働省は3月の一般職業紹介状況を公表しました。3月の有効求人倍率は0.76倍で、前月に比べて0.01ポイント上昇(改善)しています。まt、同時に平成23年度平均の有効求人倍率も発表しています。平成23年度の有効求人倍率は0.68倍であり、前年度に比べて0.12ポイント上昇しました。
参考:
URL,
URL2
10、消費者物価、3月は上昇
総務省は、4月27日、3月分の消費者物価指数について発表しました。
3月の生鮮食料品を除く全国の消費者物価指数は、前年同月比で0.2%上昇しました。対前年比で上昇するのは2カ月連続です。
上昇した主な品目は、電気代(対前年同月比+7%)、ガソリン(同+5%)等となっています。一方、下落した主な品目は、ノート型パソコン(同▲19%下落)、電気冷蔵庫(同▲31%下落)等となっています。
また、同日2011年度平均の物価指数も発表しました。2011年度における生鮮食料品を除く総合の物価指数は対前年度と同じ水準でした。ただ、生鮮食料品も含む総合では対前年度比で▲0.1%下落しました。
参考:
URL
11、3月の所定内給与、3年11カ月ぶりの増
厚生労働省は、5月2日、3月分の毎月勤労労働調査の結果(速報)を発表しました。
それによりますと、基本給、家族手当等を含む労働者一人当たりの「所定内給与」は24万4,778円となり、前年同月に比べて0.7%増加しました。増加するのは3年11カ月ぶりとなります。
また、残業代等を含む現金給与総額は27万8,333円となりこれも前年同月比で1.3%増となりました。前年同月比で増加するのは2カ月連続です。
参考:
URL
12、再生可能エネルギーの全量買い取り制度、上乗せ料金は初年度で0.2~0.4円/kWh
経済産業省は、4月27日に第7回の調達価格等算定委員会を開催しました。
この中で、電源別の調達価格を示しました。1kWh当たりの調達価格は、太陽光では42円(税込、以下同じ)としました。風力では、20kW以上は23.1円、20kW未満は57.75円としています。また、地熱、中小水力は規模に応じて25.2円~42円としました。
これを前提としますと、2012年度のサーチャージ額の試算値は、kWh当たり0.2円~0.4円となるものとしています。月額電力料金7千円の標準家庭では、1カ月当たりのサーチャージの額は概ね70~100円程度になるものとしています。
参考:
URL1、
URL2