マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信します。
1、11年度の経常収支は7.9兆円
財務省は、5月10日、2011年度の経常収支(速報)を発表しました。
2011年度の経常収支は7.9兆円となり、対前年度比では▲53%の減少となりました。
この内、貿易収支は3.4兆円の赤字となり、前年度の6.5兆円の黒字から赤字に転じました。一方、海外投資による配当金等の所得収支は14.3兆円の黒字(対前度比+13%)でした。
参考:
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2、11年度末の国の借金は960兆円
財務省は、5月10日、11年度における国債等の国の借金の状況について発表しました。
それによりますと、平成24年3月末現在における「国債及び借入金」の残高は970兆円となりました。
これは、前年3月末に比べて36兆円増えています。残高の内訳は「国債」が789兆円、「借入金」が54兆円、「政府短期証券」が117兆円となっています。この内、「国債」の残高が前年に比べて31兆円増加しています。
参考:
http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/gbb/2403.html
3、EUの2013年の経済成長率、1.3%に下方修正
欧州委員会は、5月11日、EUの2012年の実質GDP成長率を0.0%、2013年を1.3%とする春季経済予測を発表しました。
前回の2011年11月の秋季経済予測と比べて、2012年の成長率を▲0.6%下方修正、2013年は▲0.2%下方修正しました。
主要国の2012年の成長予測は、ドイツが0.7%成長(前回11月の予測に比べて▲0.1%減)、フランスが0.5%(同▲0.1%減)、英国が0.5%(同▲0.1%減)、イタリアが▲1.4%マイナス成長(同▲1.5%減)、ギリシャが▲4.7%マイナス成長(同▲1.9%減)等となっています。
また、2013年では、ドイツが1.7%成長(前回11月に比べて+0.2%増)、フランスが1.3%成長(同▲0.1%減)、英国が1.7%成長(同+0.2%増)、イタリアが0.4%増(同▲0.3%減)、ギリシャが0.0%(同▲0.7%減)等となっています。
参考:
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4、2012年1~3月のGDP、年率で4.1%増
内閣府は、5月17日、2012年第一四半期(1~3月)のGDP速報(1次速報値、季節調整値)を発表しました。
この期間における実質GDPの伸びは対前期比で1.0%増(年率換算で4.1%増)となりました。
GDP成長率の内、どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを見る寄与度で見ますと、内需が0.9%、輸出が0.1%となっています。また、需要項目別で見ますと、個人消費が1.1%増と大きくなっています。また、公共投資も5.4%増と大きな値になっています。ただ、設備投資は▲3.9%減と落ち込んでいます。
参考:
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5、月例経済報告(5月18日)
内閣府は、5月18日、月例経済報告を発表しました。
5月の月例経済報告では景気の基調判断について、「景気は、依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、穏やかに回復しつつある。」としています。基調判断については、9カ月ぶりに総括判断を引き上げました。
「先行きについては、復興需要等を背景に、景気回復の動きが確かなものになることが期待される。ただし、欧州政府債務危機を巡る不確実性が再び高まっており、これらを背景とした金融資本市場の変動や海外景気の下振れ等によって、我が国の景気が下押しされるリスクが存在する。また、電力供給の制約や原油高の影響、さらには、デフレの影響等にも注意が必要である」としています。
また、「政府は、大震災からの復興に全力を尽くすとともに、欧州政府債務危機等による先行きリスクを踏まえ、景気の下振れの回避に全力を尽くす。また、デフレ脱却に断固として取り組み、全力を挙げて円高とデフレの悪循環を防ぐ。このため、平成23年度の補正予算に盛り込まれた施策を迅速に実行するとともに、平成24年度予算を着実に執行する。
政府は、日本銀行と一体となって、速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指して取り組む。デフレ脱却に向け、日本銀行に対しては、政府との緊密な情報交換・連携の下、適切かつ果断な金融政策運営を期待する」としています。
参考:
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2012/0518getsurei/main.pdf
6、OECDの2012年の経済見通し
OECD(経済協力開発機構)は、5月22日、先進国の経済見通し(アウトルック)を発表しました。今回の見通しは、前回11月の見通しを見直したものです。
それによりますと、2012年の実質経済成長率は、ユーロ圏では▲0.1%のマイナス(前回11月に比べて▲0.3%下方修正)、米国が2.6%(同+0.4%上方修正)、日本が2.0%(同変わらず)でした。またOECDトータルでは1.6%の成長(同変わらず)としています。欧州の経済が下方修正されたことが目立っています。
また、2013年では、ユーロ圏の成長が0.9%、米国が2.6%、日本が1.5%と予測しています。
参考:
http://www.oecd.org/dataoecd/44/58/49995435.pdf
7、4月の貿易収支、2カ月連続で赤字
財務省は、5月23日、4月分の貿易統計(速報)を発表しました。
それによりますと、4月の貿易収支は5200億円の赤字でした。貿易収支が赤字になるのは2カ月連続です。
この内、輸出額は5.6兆円(対前年同月比で+7.9%)であり、対前年同月比でみますと2カ月連続で増加しています。増加した主な品目は自動車(対前年同月比+220%)、映像機器(同+73%)等となっています。
一方、輸入額は6.1兆円(対前年同月比で+8.0%)であり、対前年同月比では28カ月連続で増加しています。増加した主な品目は、原粗油(対前年ドプ月比+27%)、液化天然ガス(同+46%)等となっています。
参考:
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2012_04.pdf
8、4月の失業率、0.1%上昇
総務省は、5月29日、4月分の労働力調査(速報)の結果を発表しました。
4月の失業率(季節調整値)は4.6%となり、前月に比べて0.1%上昇(悪化)しました。失業率が悪化するのは3カ月ぶりです。就業者数は6,275万人であり、前年同月に比べて27万人減少しました。これで5カ月連続の減少となります。
また、同日、厚生労働省は、4月の有効求人倍率を発表しました。4月の有効求人倍率は0.79倍であり、前月に比べて0.03%上昇(好転)しました。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/05400.pdf
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002b1sz.html
9、4月の消費支出は増加
総務省は、5月29日、4月の家計調査報告(速報)を発表しました。
それによりますと、4月の2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり30.2万となりました。これは、前年同月比で実質2.6%の増加となります。前年同月比で増加するのは3カ月連続となります。
前年同月比で増加した主な項目は、自動車等関係費を含む交通・通信費(前年同月比で実質+16%)、授業料等の教育費(同+17%)、被服及び履物(同+4%)等となっています。一方、減少した主な品目は、家賃地代等の住居費(同▲16%減少)、保険医療費(同▲8%の減少)等となっています。
参考:
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf
10、経済産業省の主な経済指標(鉱工業指標調査:2012年4月分速:2012年5月31日)
経済産業省は、商鉱工業及びサービス業など幅広い分野にわたって統計調査を実施しており、それらの調査分析結果について取りまとめた統計をホームページ上に公表しています。これは鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向、生産の先行き2カ月の予測の把握を行うものです。4月分の概要(速報)は以下の通りです。
-生産は持ち直しの動きで推移―
・今月は、生産、出荷、在庫、在庫率とも上昇であった。
・製造工業生産予測調査によると、5月低下の後、6月は上昇を予測している。
・総じて見れば、生産は持ち直しの動きで推移している。
4月の生産・出荷・在庫動向
(1) 生産
4月の生産は、前月比0.2%の上昇と2カ月連続の上昇 (前年同月比は13.4%の上昇)となり、指数水準は95.8 (季節調整済)となった。生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、化学工業(除、医薬品)、電機械工業等であった。品目別にみると、普通乗用車、シャシー・車体部品、駆動電動・操縦装置部品の順に上昇に寄与している。
(2) 出荷
4月の出荷は、前月比0.9%の上昇と3カ月連続の上昇(前年同月比は16.3%の上昇)となり、指数水準は96.7 (季節調整済)となった。出荷の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、金属製品工業、電気機械工業等であった。
(3) 在庫
4月の在庫は、前月比2.0%の上昇と2カ月連続の上昇(前年同月比は10.8%の上昇)となり、指数水準は109.6(季節調整済み)となった。在庫の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業(除、医薬品)等であった。
4月の在庫率は、前月比6.6%の上昇となり2カ月連続の上昇(前年同月比は▲3.0%の低下)となり、指数水準は122.9(季節調整済み)となった。
製造工業生産予測調査
製造工業生産予測調査によると、5月は前月比▲3.2%の低下、6月は同2.4%の上昇を予測している。5月の低下は、輸送機械工業、情報通信機械工業、化学工業等により、6月の上昇は、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、化学工業等による。4月の実現率は▲2.2%、5月の予測修正率は▲1.2
%となった。
参考:
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
11、日本の対世界競争力、27位
スイスのビジネススクールであるIMDは、5月30日、「2012年世界競争力年鑑」を発表しました。
日本の総合順位は世界27位であり、前年の26位から一つ順位を落としました。この調査は、各国の「基礎インフラ」「政府の効率性」「経済状況」「ビジネスの効率性」の4分野における約300項目について各種統計やアンケートに基づき、世界59カ国・地域についてランク付けするものです。
「基礎インフラ」については前年の20位から32位に大幅に下降しました。これは、東日本大震災の影響により日本の電力供給に対する懸念が高まったことによるものです。
2012年の総合順位の1位は「香港」です。以下、「米国」「スイス」「シンガポール」「スエーデン」等と続いています。「中国」は23位、「韓国」は22位となっています。
参考:
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