マイクロマシンセンターでは、MEMS技術戦略マップのローリング調査として、今後予想されるMEMS市場の拡大に対応するために必要となるMEMS人材の確保・育成システムの充実を図る仕組みとその環境整備の方策をまとめました。
本調査では、MEMS関連企業で実施されているMEMS分野の人材育成プログラムの実施状況を調査して、産業界が望むMEMS人材像へのステップアップ方策も加味したMEMS人材育成システムの概念図をまとめるとともに、我が国全体のMEMS人材育成・強化の方策を、企業内人材育成の充実、産学連携による人材育成の充実、他分野の人材が容易にMEMS分野に参入可能となる環境整備の3つの視点からまとめました。
調査結果の概要は、以下のとおりです。
(1)MEMS市場の拡大への対応
我が国のMEMS産業活性化と国際競争力強化には、MEMS産業全体の基盤強化が必要で、根幹となる人材強化は、我が国全体の問題でもある。
平成10年には1兆1,700億円、平成15年には、2兆4,000億円と予想されるMEMS市場規模を支える人材を質・量ともに充実させていくことは、我が国のこれからの国際競争力強化のために極めて重要である。
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2005年 |
2010年 |
2015年 |
MEMS市場規模 |
4,400億円 |
1兆1,700億円 |
2兆4,000憶円 |
必要とされるMEMS人材 |
約9,000人 |
約2万3,000人 |
約4万8,000人 |
(2)企業におけるMEMS人材の状況と課題
・MEMSを理解し、MEMS市場拡大・創出に向けたMEMSの適切なアプリケーションを企画提案し、研究・開発をマネジメントできる人材(MEMSマネージャー)が最も望まれている。
・MEMSマネージャーを支える、MEMS研究・開発人材、MEMS製造人材(MEMSマイスター)等の人材の層を厚くする必要がある。
(3)効果的な人材育成のための施策
・他分野からの人材が、容易にMEMS分野に参入可能となるような環境整備が必要である。
・産学連携による実践的な人材育成や、社会人を対象としたMEMS技術講座・研修コースの拡充が必要である。
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