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   3D BEANSセンター 
  センター紹介
センター長 杉山正和
東京大学大学院
工学系研究科准教授
 
  安全・安心・健康な社会を実現するマイクロデバイスの感度向上、省電力化、自立電源化、情報通信・記録の大容量化が求められている。そのための基盤技術として、シリコン・ガラス等の3次元構造に無機・有機のナノ構造材料を集積し、シリコンのみでは得られない機能を発現させる必要があります。
 
 本センターでは、このようなナノ構造材料を集積した高機能3次元MEMSを製造するためのプロセス技術開発を進めます。開発拠点は東京大学生産技術研究所(駒場キャンパス)に置き、参画企業から集まった若手研究者がアカデミアのメンバーと混じって新技術の開発に努めます。さらに、東北大学、首都大学東京、理化学研究所、静岡大学の研究者と密接に連携して研究開発を進めます。

 
  研究テーマ
  

3D BEANSセンターにおいては、研究項目②「3次元ナノ構造形成プロセス技術の開発」 の中で、超低損傷・高密度3次元ナノ構造形成技術および異種機能集積3次元ナノ構造形成技術に係る研究開発を実施しています。本センターの研究テーマを図1に示します。

 
                           図1

 ナノ構造材料を集積した高機能3次元MEMSを実現するためには、従来の深掘りエッチングのような表面が凹凸で欠陥が多数導入された3次元構造ではなく、シリコン基板の表面に匹敵する超平滑・超低損傷な加工面を有する3次元ナノ構造の形成が不可欠であると考えられます。そこで、本研究開発では、まず中性粒子ビームを用いた新規エッチングプロセス(図2)を開発し、MEMS製造プロセスとして、高速化、高アスペクト比への対応、大面積対応を図ります。

 
                           図2          

つぎに、原子層レベルでの平滑性を持つ3次元構造表面に対して、ナノ材料の自己組織化を利用したボトムアップ構造形成・機能層修飾技術を展開します   (図3)。


     
                 図3

 このような機能性表面修飾技術は多岐にわたる材料・構造を含むため、研究開発は複数のアプローチを要します。そこで、本センターでは、3次元構造への機能導入法として

 1.ウエットプロセスによる3次元構造への自己組織化単分子膜・機能性
   ナノ粒子・ナノチューブの修飾
 2.気相法による機能性ナノ構造、とくに化合物半導体の気相エピタキシャル成長
   によるナノドット形成

の2つのアプローチを追究します(図4)。さらに、高アスペクト比の3次元構造の深部まで均一な表面機能層を導入するための新規プロセスとして、超臨界流体を反応場としたコーティング技術(図5)を展開します。


      
                              
                          図4

      
                           図5

これらの革新的製造技術により、

  • 尖頭をナノ構造材料で修飾され、テラビット/inch2の高密度記録や、光の回折限界を超えるnmレベルの解像度を持つ高スループットの微細リソグラフィーを可能にするマルチプローブアレイ
  • 3次元構造内部にナノ粒子を修飾した超高密度蓄電デバイス
  • 比表面積の大きなナノ構造の表面に感応層を修飾した超高感度センシングデバイス
などの作製につなげることを目指します。とくにプローブ型デバイスについては、原子層レベルでの加工が可能になることによりプローブ尖頭の機械特性の均一化がはじめて可能になると考えらます。これにより、プローブの磨耗など尖頭の機械特性を物理的にモデル化することが可能になり、マルチプローブデバイスの実現が視野に入ります。本センターでは、このようなプローブデバイスの物理の探求(図6)も精力的に行います。

     
                            図6
  コンタクト
 
  東京大学生産技術研究所As405
   目黒区駒場4-6-1  ℡03-5452-6545



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